収支計画書(損益計算書)とは、会社の1年間の事業の儲けの予測(結果)を示す推移表です。
収支計画書(損益計算書)を作成する際には、現実的に達成できそうな利益で、融資を受けた借入金を返済できるかどうか、ということを念頭に置かなければなりません。
項目 | 内容・留意点 | ||
①売上高 | 単なる希望的観測の数字ではなく、客観性に基づく根拠のある、達成可能な計画数字を策定します。 | ||
②売上原価(仕入) | 原価は一般的には「売上高×原価率」で求めます。 原価率は業種や商品などによって異なりますが、業界平均値をもとにあなたの考えている販売戦略などを加味し、原価を求めます。 | ||
③売上総利益 | 売上高−売上原価(仕入)で算出 | ||
④販売管理費 | 固定費 | 役員報酬 | 売上に関わらず、一定の支出が必要になる経費を固定費と言います。 |
従業員給与 | |||
法定福利費 | |||
家賃 | |||
減価償却費 | |||
固定費合計 | |||
変動費 | 水道光熱費 | 売上の規模によって比例する支出を変動費と言います。 | |
旅費交通費 | |||
通信費 | |||
広告宣伝費 | |||
事務・消耗品 | |||
変動費合計 | |||
⑤営業利益 | 売上総利益−(固定費+変動費)で算出 | ||
⑥経常利益 | 営業利益+営業外収益−営業外費用で算出 | ||
⑦税引き前利益 | 経常利益+特別利益−特別損失で算出 | ||
⑧法人税等充当額 | 税引き前利益×35%が目安 | ||
⑨当期純利益 | 税引き前利益−法人税等で算出 | ||
⑩借入金返済財源 | 返済額≦当期純利益+減価償却費 |
まず、一番最初に①売上高があり、本業で扱う商品・サービスなどの販売代金の総額です。
そして、その下に②売上原価があり、仕入などにかかった金額を表します。
その①売上高から②売上原価を引いたのが③売上総利益と呼ばれ、企業が本業で扱う商品・サービスをお客様に売って儲けた差額がこれに当たり、粗利益とも言います。
さらに、店舗の家賃や水道光熱費など仕入以外にかかる経費の総称を④販売費及び一般管理費(通称:販管費)と言います。
そして、③売上総利益から④販売費及び一般管理費を引いた本業で稼いだ利益を⑤営業利益と言います。
その⑤営業利益に本業以外での収入(銀行預金の利息など)や支出(借入金の利息など)を加味した経営努力の成果を示した利益を⑥経常利益と言います。
さらに、臨時的に発生した利益(固定資産の売却など)や支出(災害によって生じた損失など)を加味した利益を⑦税引き前利益と言います。
そして、企業は活動する上で様々な税金を支払わなければならず、法人税・住民税・事業税などをまとめて⑧法人税等充当額と言います。
最後に、⑦税引き前利益から⑧法人税等充当額を引いた最終的な利益を⑨当期純利益と言い、株主にとっても配当原資になる重要な利益と言えます。
さらに、⑩借入金返済財源(日本政策金融公庫や保証協会付き融資の返済)は、この⑨当期純利益から返済していくため、収支計画書(損益計算書)をもとに無理のない返済が可能かどうか、十分に検討して下さい!