有限責任事業組合(LLP)設立の流れ

有限責任事業組合(LLP)の場合、株式会社と異なり、公証役場での定款認証は必要なく、取締役会や監査役などの機関設計も必要ないため、株式会社の設立より短期間で設立することが出来ます。

では、有限責任事業組合(LLP)を設立の流れについて順をおってお話していきます。

  1. 印鑑証明書の発行
  2. 類似商号・事業目的の確認
  3. 組合の印鑑を発注
  4. 有限責任事業組合契約書の作成・締結
  5. 資本金の払込み
  6. 登記の申請(有限責任事業組合設立日) 
  7. 有限責任事業組合(LLP)の登記完了
  8. 有限責任事業組合(LLP)設立後の諸届出

     

では、有限責任事業組合(LLP)設立の流れについて1つずつ見ていきましょう。

    

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1.印鑑証明書の発行

有限責任事業組合(LLP)の設立には、発起人や取締役の「印鑑証明書」が必要になります。

印鑑証明書とは、市区町村の役所に発行してもらうもので、本人の実印であることを証明するものです。

印鑑証明書の発行には、事前に印鑑登録が必要で、登録する実印は「8ミリ以上、25ミリ以内」という規定があるので注意が必要です。

この印鑑証明書は、法務局への有限責任事業組合(LLP)設立の登記申請時に提出しなければならない書類の1つですので、最低1枚は必要です。

さて、ここで1点注意点として、印鑑証明書は発行してから3ヶ月以内のものが有効となっていますので、有限責任事業組合(LLP)の設立申請日より逆算して3ヶ月以上前に発行された印鑑証明書は使用できず、再度、市区町村の役所で発行してもらわなければならないのでご注意してください。

     

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2.類似商号・事業目的の確認

類似商号の規制は廃止されましたが、不正競争防止法の観点から事前に管轄の法務局で、会社の本店所在地を管轄する法務局で類似商号・事業目的をチェックします。

詳細は「商号」「事業目的」のページをご参照ください。

    

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3.組合の印鑑を発注

類似商号の調査を終え、組合名が確定しましたら印鑑を発注しましょう。

印鑑には規格サイズがあり、陰影が 「1センチ以上、3センチ以内」と決まっています。

そして、組合の印鑑は、

  • 組合
  • 銀行印
  • 角印

の3種類を揃える必要があります。

印鑑屋さんで「組合の代表印」と言えば適切なサイズの印鑑を作ってもらえます。

    

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4.有限責任事業組合契約書の作成・締結

共同事業を営む2名以上の出資者は、組合契約書を作成し、当事者全員がその組合契約書に署名または記名押印をしなければなりません。

有限責任事業組合(LLP)は、機関設計や社員の権利内容については強行規定はほとんど存在せず、組合契約書で自由に設計することが出来ます。

有限責任事業組合(LLP)の組合契約書を作成するポイントとして

  1. 組合契約の効力発生年月日
  2. 組合の存続期間
  3. 損益分配割合

等があげられます。

   

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@ 組合契約の効力発生年月日

組合契約書には、効力発生の年月日を定めなければなりません。

組合契約には、契約の締結後、出資の全額の払込みが履行され、契約の効力発生の時期が到来して初めてその契約の効力が発生します。

よって、組合契約の効力発生年月日は、出資の履行時期よりも後に設定する必要があります。

    

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A 組合の存続期間

有限責任事業組合(LLP)は、株式会社や合同会社(LLC)のように法人格を持つ法人組織ではなく、民法の組合の特例としての組合組織のため、永遠に継続して活動することは想定しておらず、存続期間を定めなければなりません。

存続期間の期限の制限はありませんが、

  • 平成22年7月1日から10年間
  • 平成31年6月30日まで

といったように期間を定める必要があります。

なお、存続期間満了前であれば、組合契約を変更して存続期間を延長したり、事前に存続期間を延長する旨を定めてることによって存続期間を延長することもできます。

    

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B 損益分配割合

有限責任事業組合(LLP)の特徴の一つとして、出資割合によらず自由な損益分配割合を組合契約書で定める事ができる点にあります。

組合契約書で損益分配割合を定めなかった場合には、出資割合によることとされています。

    

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5.資本金の払込み

有限責任事業組合(LLP)の場合、公証役場での定款認証はありませんので、組合契約書の作成が終われば、組合員は出資金を払込みます。

収入印紙の貼付は不要です。

そして、銀行等の金融機関で、組合契約書で決めた資本金(組合契約書記載の出資額と同額)を出資者の名義で払込ます。
払込みをした通帳をコピーにして、払込証明書を作ります。

流れとしては以下の通り

  1. 資本金を自分名義の口座に自分名義で振込む
  2. 通帳の表紙と1ページ目、上記で払込みをしたページのコピーを取る
  3. 払込証明書を作成して、上記のコピーを一緒につづる
  4. 上記書類の継ぎ目に組合代表印を押す

   

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6.登記の申請(有限責任事業組合設立日)

登記の申請は、組合契約の効力が生じた日から、2週間以内に管轄の法務局へ有限責任事業組合(LLP)の登記申請をします。

組合契約の効力が生じた日とは、出資の全部が履行された日と組合契約書に定められた組合契約の効力発生日のいずれか遅い日となります。 

法務局への提出書類として、

  1. 有限責任事業組合契約効力の発生登記申請書
  2. 収入印紙(6万円)
  3. 有限責任事業組合契約 
  4. 払込証明書
  5. (組合員全員の)印鑑証明書
  6. OCR用紙
  7. 印鑑届書

となります。

   

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7.有限責任事業組合(LLP)の登記完了

法務局へ有限責任事業組合(LLP)の設立の登記申請をして1〜2週間で、組合の登記簿謄本が取得できます。

日本政策金融公庫へ融資の申請をする際や、銀行で事業用口座を申請する際に「履歴事項全部証明書」の提出がありますので3通は取得しておきたいところです。

また、同時に法務局で「印鑑カード」・「印鑑証明書3通」も取得しておきましょう。

    

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8.有限責任事業組合(LLP)設立後の諸届出

有限責任事業組合(LLP)の場合、株式会社や合同会社(LLC)と違って、組合自体は法人税などの納税義務を負わず、構成員課税(パスツルー課税)によりその損益は、組合員側で課税対象となります。

したがって、有限責任事業組合(LLP)は、法人設立届出書、青色申告商人申請書を税務署に提出する必要はありません。

一方、組合員で新たに事業を開始される方は、法人設立届出書(個人事業の場合は開業届)、青色申告承認申請書等を組合員の納税地を管轄する税務署に提出します。

なお、有限責任事業組合(LLP)で従業員を雇用し、給与を支払う場合は、有限責任事業組合(LLP)は源泉徴収義務を負うので、給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を有限責任事業組合(LLP)の事務所所在地を管轄する税務署に提出します。

   

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