売上高の策定は利益計画作成の中で最も重要な部分となりますが、数字の決め方には色々な考え方があり、とても難しいものです。
そして、 単なる希望的観測の数字ではなく、客観性に基づく根拠のある、達成可能な計画数字でなければなりません。
1.積み上げ法
営業活動などの計画から予想される数値を積み上げる方法
例えば、営業担当者1人が月4件、100万の売上を見込めるとした場合、営業担当者が3人なら、年間3,600万円の売上が期待できる、とします。
2.市場規模比較法
公的統計や市場調査会社のデータから市場規模を求め、その中での想定シェアから求める方法
3.実績比較法
過去に類似の商品や手法で販売した事あり、その実績と比較して売上規模を予想する方法
4.他社実績比較法
類似商品を販売している他社の実績と比較して売上規模を予想する方法
実際には、上記の1〜4を単独で用いるのではなく、組合わせて用いることで、多面的な見方ができ、より信頼性の増す説明になるでしょう。
また、小売業や飲食・サービス業の場合は、立地環境や取り巻く商圏の特徴、競合店などについての十分な市場調査や分析が必要です。
新規開業の場合、目標経費(固定費、変動費)がある程度予定されている場合、必要売上高を試算する公式(損益分岐点売上高)があります。
この式はおおよその目安になり、策定した売上高計画が目標経費を上回る利益を上げることが可能かどうか、もし赤字になれば、
- 目標経費を減らすことができないか
- 売上高を増やす可能性があるかどうか
- 変動費率(粗利益率)を引き上げできないか
などを再度検討する必要があります。
損益分岐点売上高の算式は新規創業者にとって有効な手段となりますので大いに活用してください。
以下、日本政策金融公庫が公表している業種に合わせた策定方法を列挙しましたので参考にしてください。