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また、横浜経営法務事務所は、起業・会社設立時だけでなく、開業後の経営に力を入れ、「持続可能な発展」をしていくよう、
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起業・融資支援コンサルティング

横浜経営法務事務所

〒231-0004
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(目的)
第一条  この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
2  この法律の運用に当たつては、銀行の業務の運営についての自主的な努力を尊重するよう配慮しなければならない。

(定義等)
第二条  この法律において「銀行」とは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。
2  この法律において「銀行業」とは、次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。
一  預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと。
二  為替取引を行うこと。
3  この法律において「定期積金」とは、期限を定めて一定金額の給付を行うことを約して、定期に又は一定の期間内において数回にわたり受け入れる金銭をいう。
4  この法律において「定期積金等」とは、定期積金のほか、一定の期間を定め、その中途又は満了の時において一定の金額の給付を行うことを約して、当該期間内において受け入れる掛金をいう。
5  この法律において「預金者等」とは、預金者及び定期積金の積金者(前項に規定する掛金の掛金者を含む。)をいう。
6  この法律において「総株主等の議決権」とは、総株主又は総出資者の議決権(株式会社にあつては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法 (平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項 (特別清算事件の管轄)の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下同じ。)をいう。
7  この法律において「株式等」とは、株式又は持分をいう。
8  この法律において「子会社」とは、会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社をいう。この場合において、会社及びその一若しくは二以上の子会社又は当該会社の一若しくは二以上の子会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社は、当該会社の子会社とみなす。
9  この法律において「主要株主基準値」とは、総株主の議決権の百分の二十(会社の財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実が存在するものとして内閣府令で定める要件に該当する者が当該会社の議決権の保有者である場合にあつては、百分の十五)をいう。
10  この法律において「銀行主要株主」とは、銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者(他人(仮設人を含む。)の名義をもつて保有する者を含む。以下同じ。)であつて、第五十二条の九第一項の認可を受けて設立され、又は同項若しくは同条第二項ただし書の認可を受けているものをいう。
11  第八項又は前項の場合において、会社又は議決権の保有者が保有する議決権には、金銭又は有価証券の信託に係る信託財産として所有する株式等に係る議決権(委託者又は受益者が行使し、又はその行使について当該会社若しくは当該議決権の保有者に指図を行うことができるものに限る。)その他内閣府令で定める議決権を含まないものとし、信託財産である株式等に係る議決権で、当該会社又は当該議決権の保有者が委託者若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの(内閣府令で定める議決権を除く。)及び社債、株式等の振替に関する法律 (平成十三年法律第七十五号)第百四十七条第一項 又は第百四十八条第一項 の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。
12  この法律において「持株会社」とは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 (昭和二十二年法律第五十四号)第九条第四項第一号 (持株会社)に規定する持株会社をいう。
13  この法律において「銀行持株会社」とは、銀行を子会社とする持株会社であつて、第五十二条の十七第一項の認可を受けて設立され、又は同項若しくは同条第三項ただし書の認可を受けているものをいう。
14  この法律において「銀行代理業」とは、銀行のために次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。
一  預金又は定期積金等の受入れを内容とする契約の締結の代理又は媒介
二  資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約の締結の代理又は媒介
三  為替取引を内容とする契約の締結の代理又は媒介
15  この法律において「銀行代理業者」とは、第五十二条の三十六第一項の内閣総理大臣の許可を受けて銀行代理業を営む者をいう。
16  この法律において「所属銀行」とは、銀行代理業者が行う第十四項各号に掲げる行為により、同項各号に規定する契約において同項各号の預金若しくは定期積金等の受入れ、資金の貸付け若しくは手形の割引又は為替取引を行う銀行をいう。
17  この法律において「指定紛争解決機関」とは、第五十二条の六十二第一項の規定による指定を受けた者をいう。
18  この法律において「銀行業務」とは、銀行が第十条及び第十一条の規定により営む業務並びに担保付社債信託法 (明治三十八年法律第五十二号)その他の法律により営む業務並びに当該銀行のために銀行代理業を営む者が営む銀行代理業をいう。
19  この法律において「苦情処理手続」とは、銀行業務関連苦情(銀行業務に関する苦情をいう。第五十二条の六十七、第五十二条の六十八及び第五十二条の七十二において同じ。)を処理する手続をいう。
20  この法律において「紛争解決手続」とは、銀行業務関連紛争(銀行業務に関する紛争で当事者が和解をすることができるものをいう。第五十二条の六十七、第五十二条の六十八及び第五十二条の七十三から第五十二条の七十五までにおいて同じ。)について訴訟手続によらずに解決を図る手続をいう。
21  この法律において「紛争解決等業務」とは、苦情処理手続及び紛争解決手続に係る業務並びにこれに付随する業務をいう。
22  この法律において「手続実施基本契約」とは、紛争解決等業務の実施に関し指定紛争解決機関と銀行との間で締結される契約をいう。

第三条  預金又は定期積金等の受入れ(前条第二項第一号に掲げる行為に該当するものを除く。)を行う営業は、銀行業とみなして、この法律を適用する。

第三条の二  次の各号に掲げる者は、それぞれ当該各号に定める数の銀行の議決権の保有者とみなして、第七章の三第一節及び第二節、第八章並びに第九章の規定を適用する。
一  法人でない団体(法人に準ずるものとして内閣府令で定めるものに限る。) 当該法人でない団体の名義をもつて保有される銀行の議決権の数
二  内閣府令で定めるところにより連結してその計算書類その他の書類を作成するものとされる会社(次号において「連結基準対象会社」という。)であつて、その連結する会社その他の法人(前号に掲げる法人でない団体を含む。以下この項において「会社等」という。)のうちに銀行を含むもののうち、他の会社の計算書類その他の書類に連結される会社以外の会社 当該会社の当該銀行に対する実質的な影響力を表すものとして内閣府令で定めるところにより計算される数
三  連結基準対象会社以外の会社等(銀行の議決権の保有者である会社等に限り、前号に掲げる会社の計算書類その他の書類に連結されるものを除く。)が会社等集団(当該会社等及び当該会社等が他の会社等に係る議決権の過半数を保有していることその他の当該会社等と密接な関係を有する会社等として内閣府令で定める会社等の集団をいう。以下この項において同じ。)に属し、かつ、当該会社等集団が当該会社等集団に属する全部の会社等の保有する一の銀行の議決権の数を合算した数(以下この号及び次号において「会社等集団保有議決権数」という。)が当該銀行の主要株主基準値以上の数である会社等集団(以下この号及び次号において「特定会社等集団」という。)である場合において、当該特定会社等集団に属する会社等のうち、その会社等に係る議決権の過半数の保有者である会社等がない会社等 当該特定会社等集団に係る会社等集団保有議決権数
四  特定会社等集団に属する会社等のうちに前号に掲げる会社等がない場合において、当該特定会社等集団に属する会社等のうちその貸借対照表上の資産の額が最も多い会社等 当該特定会社等集団に係る会社等集団保有議決権数
五  銀行の議決権の保有者である会社等(第二号から前号までに掲げる者を含む。以下この号において同じ。)に係る議決権の過半数の保有者である個人のうち、当該個人がその議決権の過半数の保有者である会社等がそれぞれ保有する一の銀行の議決権の数(当該会社等が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)を合算した数(当該個人が当該銀行の議決権の保有者である場合にあつては、当該合算した数に当該個人が保有する当該銀行の議決権の数を加算した数。以下この号において「合算議決権数」という。)が当該銀行の総株主の議決権の百分の二十以上の数である者 当該個人に係る合算議決権数
六  銀行の議決権の保有者(前各号に掲げる者を含む。以下この号において同じ。)のうち、その保有する当該銀行の議決権の数(当該議決権の保有者が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)とその共同保有者(銀行の議決権の保有者が、当該銀行の議決権の他の保有者(前各号に掲げる者を含む。)と共同して当該議決権に係る株式を取得し、若しくは譲渡し、又は当該銀行の株主としての議決権その他の権利を行使することを合意している場合における当該他の保有者(当該議決権の保有者が第二号に掲げる会社である場合においては当該会社の計算書類その他の書類に連結される会社等を、当該議決権の保有者が第三号又は第四号に掲げる会社等である場合においては当該会社等が属する会社等集団に属する当該会社等以外の会社等を、当該議決権の保有者が前号に掲げる個人である場合においては当該個人がその議決権の過半数の保有者である会社等を除き、当該議決権の保有者と政令で定める特別な関係を有する者を含む。)をいう。)の保有する当該銀行の議決権の数(当該共同保有者が前各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める数)を合算した数(以下この号において「共同保有議決権数」という。)が当該銀行の総株主の議決権の百分の二十以上の数である者 共同保有議決権数
七  前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者 銀行に対する実質的な影響力を表すものとして内閣府令で定めるところにより計算される数
2  第二条第十一項の規定は、前項各号の場合において同項各号に掲げる者が保有するものとみなされる議決権及び議決権の保有者が保有する議決権について準用する。

(営業の免許)
第四条  銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない。
2  内閣総理大臣は、銀行業の免許の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  銀行業の免許を申請した者(以下この項において「申請者」という。)が銀行の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、申請者の当該業務に係る収支の見込みが良好であること。
二  申請者が、その人的構成等に照らして、銀行の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
3  外国の法令に準拠して外国において銀行業を営む者(その者と政令で定める特殊の関係のある者を含むものとし、銀行等を除く。以下この項において「外国銀行等」という。)をその株主の全部又は一部とする者が銀行業の免許を申請した場合において、当該外国銀行等が当該免許を申請した者の総株主の議決権に内閣府令で定める率を乗じて得た数を超える議決権を適法に保有しているときは、内閣総理大臣は、前項各号に掲げる基準のほか、当該外国銀行等の主たる営業所が所在する国において、銀行に対し、この法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われると認められるかどうかの審査をしなければならない。ただし、当該審査が国際約束の誠実な履行を妨げることとなる場合その他の政令で定める場合は、この限りでない。
4  内閣総理大臣は、前二項の規定による審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。
5  第三項の「銀行等」とは、銀行、長期信用銀行(長期信用銀行法 (昭和二十七年法律第百八十七号)第二条 (定義)に規定する長期信用銀行をいう。以下同じ。)その他内閣府令で定める金融機関をいう。

(銀行の機関)
第四条の二  銀行は、株式会社であつて次に掲げる機関を置くものでなければならない。
一  取締役会
二  監査役会又は委員会(会社法第二条第十二号 (定義)に規定する委員会をいう。第五十二条の十八第二項第二号において同じ。)
三  会計監査人

(資本金の額)
第五条  銀行の資本金の額は、政令で定める額以上でなければならない。
2  前項の政令で定める額は、十億円を下回つてはならない。
3  銀行は、その資本金の額を減少しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

(商号)
第六条  銀行は、その商号中に銀行という文字を使用しなければならない。
2  銀行でない者は、その名称又は商号中に銀行であることを示す文字を使用してはならない。
3  銀行は、その商号を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

(取締役等の兼職の制限)
第七条  銀行の常務に従事する取締役(委員会設置会社にあつては、執行役)は、内閣総理大臣の認可を受けた場合を除くほか、他の会社の常務に従事してはならない。
2  内閣総理大臣は、前項の認可の申請があつたときは、当該申請に係る事項が当該銀行の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがないと認める場合でなければ、これを認可してはならない。

(取締役等の適格性等)
第七条の二  銀行の常務に従事する取締役(委員会設置会社にあつては、執行役)は、銀行の経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者でなければならない。
2  破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者は、銀行の取締役、執行役又は監査役となることができない。
3  銀行の取締役、執行役又は監査役に対する会社法第三百三十一条第一項第三号 (取締役の資格等)(同法第三百三十五条第一項 (監査役の資格等)及び第四百二条第四項 (執行役の選任等)において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同号 中「この法律」とあるのは、「銀行法、この法律」とする。
4  会社法第三百三十一条第二項 ただし書(取締役の資格等)(同法第三百三十五条第一項 (監査役の資格等)において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(取締役の任期)(同法第三百三十四条第一項 (会計参与の任期)において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項(監査役の任期)及び第四百二条第五項ただし書(執行役の選任等)の規定は、銀行については、適用しない。

(営業所の設置等)
第八条  銀行は、日本において支店その他の営業所の設置、位置の変更(本店の位置の変更を含む。)、種類の変更又は廃止をしようとするときは、内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に届け出なければならない。
2  銀行は、外国において支店その他の営業所の設置、種類の変更又は廃止をしようとするときは、内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
3  銀行は、第二条第十四項各号に掲げる行為を外国において委託する旨の契約を締結しようとするとき、又は当該契約を終了しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

(名義貸しの禁止) 第九条  銀行は、自己の名義をもつて、他人に銀行業を営ませてはならない。

(業務の範囲)
第十条  銀行は、次に掲げる業務を営むことができる。
一  預金又は定期積金等の受入れ
二  資金の貸付け又は手形の割引
三  為替取引
2  銀行は、前項各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務その他の銀行業に付随する業務を営むことができる。
一  債務の保証又は手形の引受け
二  有価証券(第五号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等を除く。第五号の二及び第六号において同じ。)の売買(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)又は有価証券関連デリバティブ取引(投資の目的をもつてするもの又は書面取次ぎ行為に限る。)
三  有価証券の貸付け
四  国債、地方債若しくは政府保証債(以下この条において「国債等」という。)の引受け(売出しの目的をもつてするものを除く。)又は当該引受けに係る国債等の募集の取扱い
五  金銭債権(譲渡性預金証書その他の内閣府令で定める証書をもつて表示されるものを含む。)の取得又は譲渡
五の二  特定目的会社が発行する特定社債(特定短期社債を除き、資産流動化計画において当該特定社債の発行により得られる金銭をもつて指名金銭債権又は指名金銭債権を信託する信託の受益権のみを取得するものに限る。)その他これに準ずる有価証券として内閣府令で定めるもの(以下この号において「特定社債等」という。)の引受け(売出しの目的をもつてするものを除く。)又は当該引受けに係る特定社債等の募集の取扱い
五の三  短期社債等の取得又は譲渡
六  有価証券の私募の取扱い
七  地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託
八  銀行その他金融業を行う者(外国の法令に準拠して外国において銀行業を営む者(第四条第五項に規定する銀行等を除く。以下「外国銀行」という。)を除く。)の業務(次号に掲げる業務に該当するものを除く。)の代理又は媒介(内閣府令で定めるものに限る。)
八の二  外国銀行の業務の代理又は媒介(銀行の子会社である外国銀行の業務の代理又は媒介を当該銀行が行う場合における当該代理又は媒介その他の内閣府令で定めるものに限る。)
九  国、地方公共団体、会社等の金銭の収納その他金銭に係る事務の取扱い
十  有価証券、貴金属その他の物品の保護預り
十の二  振替業
十一  両替
十二  デリバティブ取引(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。次号において同じ。)であつて内閣府令で定めるもの(第五号に掲げる業務に該当するものを除く。)
十三  デリバティブ取引(内閣府令で定めるものに限る。)の媒介、取次ぎ又は代理
十四  金利、通貨の価格、商品の価格、算定割当量(地球温暖化対策の推進に関する法律 (平成十年法律第百十七号)第二条第六項 (定義)に規定する算定割当量その他これに類似するものをいう。次条第四号において同じ。)の価格その他の指標の数値としてあらかじめ当事者間で約定された数値と将来の一定の時期における現実の当該指標の数値の差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引又はこれに類似する取引であつて内閣府令で定めるもの(次号において「金融等デリバティブ取引」という。)のうち銀行の経営の健全性を損なうおそれがないと認められる取引として内閣府令で定めるもの(第五号及び第十二号に掲げる業務に該当するものを除く。)
十五  金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理(第十三号に掲げる業務に該当するもの及び内閣府令で定めるものを除く。)
十六  有価証券関連店頭デリバティブ取引(当該有価証券関連店頭デリバティブ取引に係る有価証券が第五号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等以外のものである場合には、差金の授受によつて決済されるものに限る。次号において同じ。)(第二号に掲げる業務に該当するものを除く。)
十七  有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
3  前項第二号、第五号の三及び第十六号並びに第六項の「短期社債等」とは、次に掲げるものをいう。
一  社債、株式等の振替に関する法律第六十六条第一号 (権利の帰属)に規定する短期社債
二  削除
三  投資信託及び投資法人に関する法律 (昭和二十六年法律第百九十八号)第百三十九条の十二第一項 (短期投資法人債に係る特例)に規定する短期投資法人債
四  信用金庫法 (昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十四条の四第一項 (短期債の発行)に規定する短期債
五  保険業法 (平成七年法律第百五号)第六十一条の十第一項 (短期社債に係る特例)に規定する短期社債
六  資産の流動化に関する法律 (平成十年法律第百五号)第二条第八項 (定義)に規定する特定短期社債
七  農林中央金庫法 (平成十三年法律第九十三号)第六十二条の二第一項 (短期農林債の発行)に規定する短期農林債
八  その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律 の規定により振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる外国法人の発行する債券(新株予約権付社債券の性質を有するものを除く。)に表示されるべき権利のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
イ 各権利の金額が一億円を下回らないこと。
ロ 元本の償還について、権利の総額の払込みのあつた日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
ハ 利息の支払期限を、ロの元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
4  第二項第二号又は第十二号の「有価証券関連デリバティブ取引」又は「書面取次ぎ行為」とは、それぞれ金融商品取引法 (昭和二十三年法律第二十五号)第二十八条第八項第六号 (定義)に規定する有価証券関連デリバティブ取引又は同法第三十三条第二項 (金融機関の有価証券関連業の禁止等)に規定する書面取次ぎ行為をいう。
5  第二項第四号の「政府保証債」とは、政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。
6  第二項第五号に掲げる業務には同号に規定する証書をもつて表示される金銭債権のうち有価証券に該当するものについて、同項第五号の三に掲げる業務には短期社債等について、金融商品取引法第二条第八項第一号 から第六号 まで及び第八号 から第十号 まで(定義)に掲げる行為を行う業務を含むものとする。
7  第二項第五号の二の「特定目的会社」、「資産流動化計画」、「特定社債」又は「特定短期社債」とは、それぞれ資産の流動化に関する法律第二条第三項 、第四項、第七項又は第八項(定義)に規定する特定目的会社、資産流動化計画、特定社債又は特定短期社債をいう。
8  第二項第六号の「有価証券の私募の取扱い」とは、有価証券の私募(金融商品取引法第二条第三項 (定義)に規定する有価証券の私募をいう。)の取扱いをいう。
9  第二項第十号の二の「振替業」とは、社債、株式等の振替に関する法律第二条第四項 (定義)の口座管理機関として行う振替業をいう。
10  第二項第十二号若しくは第十三号の「デリバティブ取引」又は第二項第十六号若しくは第十七号の「有価証券関連店頭デリバティブ取引」とは、それぞれ金融商品取引法第二条第二十項 (定義)に規定するデリバティブ取引又は同法第二十八条第八項第四号 (定義)に掲げる行為をいう。

第十一条  銀行は、前条の規定により営む業務のほか、同条第一項各号に掲げる業務の遂行を妨げない限度において、次に掲げる業務を行うことができる。
一  金融商品取引法第二十八条第六項 (通則)に規定する投資助言業務
二  金融商品取引法第三十三条第二項 各号(金融機関の有価証券関連業の禁止等)に掲げる有価証券又は取引について、同項 各号に定める行為を行う業務(前条第二項の規定により営む業務を除く。)
三  信託法 (平成十八年法律第百八号)第三条第三号 (信託の方法)に掲げる方法によつてする信託に係る事務に関する業務
四  算定割当量を取得し、若しくは譲渡することを内容とする契約の締結又はその媒介、取次ぎ若しくは代理を行う業務(前条第二項の規定により営む業務を除く。)であつて、内閣府令で定めるもの

第十二条  銀行は、前二条の規定により営む業務及び担保付社債信託法 その他の法律により営む業務のほか、他の業務を営むことができない。

(預金者等に対する情報の提供等)
第十二条の二  銀行は、預金又は定期積金等(以下この項において「預金等」という。)の受入れ(第十三条の四に規定する特定預金等の受入れを除く。)に関し、預金者等の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、預金等に係る契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない。
2  前項及び第十三条の四並びに他の法律に定めるもののほか、銀行は、内閣府令で定めるところにより、その業務に係る重要な事項の顧客への説明、その業務に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱い、その業務を第三者に委託する場合における当該業務の的確な遂行その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。

(指定紛争解決機関との契約締結義務等)
第十二条の三  銀行は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
一  指定紛争解決機関が存在する場合 一の指定紛争解決機関との間で手続実施基本契約を締結する措置
二  指定紛争解決機関が存在しない場合 銀行業務に関する苦情処理措置(顧客からの苦情の処理の業務に従事する使用人その他の従業者に対する助言若しくは指導を第五十二条の七十三第三項第三号に掲げる者に行わせること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。)及び紛争解決措置(顧客との紛争の解決を認証紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律 (平成十六年法律第百五十一号)第二条第三号 に規定する認証紛争解決手続をいう。)により図ること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。)
2  銀行は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
3  第一項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
一  第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第二号に掲げる場合に該当することとなつたとき 第五十二条の八十三第一項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可又は第五十二条の八十四第一項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
二  第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の一の指定紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第五十二条の八十三第一項の規定により認可されたとき、又は同号の一の指定紛争解決機関の第五十二条の六十二第一項の規定による指定が第五十二条の八十四第一項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く。) その認可又は取消しの時に、第一項第一号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
三  第一項第二号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第一号に掲げる場合に該当することとなつたとき 第五十二条の六十二第一項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間

(無限責任社員等となることの禁止) 第十二条の四  銀行は、持分会社の無限責任社員又は業務を執行する社員となることができない。

(同一人に対する信用の供与等)
第十三条  銀行の同一人(当該同一人と政令で定める特殊の関係のある者を含む。以下この条において同じ。)に対する信用の供与等(信用の供与、又は出資として政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の額は、政令で定める区分ごとに、当該銀行の自己資本の額に政令で定める率を乗じて得た額(以下この条において「信用供与等限度額」という。)を超えてはならない。ただし、信用の供与等を受けている者が合併をし、共同新設分割(二以上の株式会社又は合同会社が共同してする新設分割をいう。第十六条の三第四項第四号及び第五十二条の二十二第一項において同じ。)若しくは吸収分割をし、又は事業を譲り受けたことにより銀行の同一人に対する信用の供与等の額が信用供与等限度額を超えることとなる場合その他政令で定めるやむを得ない理由がある場合において、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2  銀行が子会社(内閣府令で定める会社を除く。)その他の当該銀行と内閣府令で定める特殊の関係のある者(以下この条において「子会社等」という。)を有する場合には、当該銀行及び当該子会社等又は当該子会社等の同一人に対する信用の供与等の額は、政令で定める区分ごとに、合算して、当該銀行及び当該子会社等の自己資本の純合計額に政令で定める率を乗じて得た額(以下この条において「合算信用供与等限度額」という。)を超えてはならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3  前二項の規定は、国及び地方公共団体に対する信用の供与、政府が元本の返済及び利息の支払について保証している信用の供与その他これらに準ずるものとして政令で定める信用の供与等については、適用しない。
4  第二項の場合において、銀行及びその子会社等又はその子会社等の同一人に対する信用の供与等の合計額が合算信用供与等限度額を超えることとなつたときは、その超える部分の信用の供与等の額は、当該銀行の信用の供与等の額とみなす。
5  前各項に定めるもののほか、信用の供与等の額、第一項に規定する自己資本の額、信用供与等限度額、第二項に規定する自己資本の純合計額及び合算信用供与等限度額の計算方法その他第一項及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(特定関係者との間の取引等)
第十三条の二  銀行は、その特定関係者(当該銀行の子会社、当該銀行の銀行主要株主、当該銀行を子会社とする銀行持株会社、当該銀行持株会社の子会社(当該銀行を除く。)、当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者その他の当該銀行と政令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条及び次条において同じ。)又はその特定関係者の顧客との間で、次に掲げる取引又は行為をしてはならない。ただし、当該取引又は行為をすることにつき内閣府令で定めるやむを得ない理由がある場合において、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
一  当該特定関係者との間で行う取引で、その条件が当該銀行の取引の通常の条件に照らして当該銀行に不利益を与えるものとして内閣府令で定める取引
二  当該特定関係者との間又は当該特定関係者の顧客との間で行う取引又は行為のうち前号に掲げるものに準ずる取引又は行為で、当該銀行の業務の健全かつ適切な遂行に支障を及ぼすおそれのあるものとして内閣府令で定める取引又は行為

(銀行の業務に係る禁止行為)
第十三条の三  銀行は、その業務に関し、次に掲げる行為(第十三条の四に規定する特定預金等契約の締結の業務に関しては、第四号に掲げる行為を除く。)をしてはならない。
一  顧客に対し、虚偽のことを告げる行為
二  顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為
三  顧客に対し、当該銀行又は当該銀行の特定関係者その他当該銀行と内閣府令で定める密接な関係を有する者の営む業務に係る取引を行うことを条件として、信用を供与し、又は信用の供与を約する行為(顧客の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く。)
四  前三号に掲げるもののほか、顧客の保護に欠けるおそれがあるものとして内閣府令で定める行為

(顧客の利益の保護のための体制整備)
第十三条の三の二  銀行は、当該銀行、当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行の親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い、当該銀行、当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行の子金融機関等が行う業務(銀行業、銀行代理業その他の内閣府令で定める業務に限る。)に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう、内閣府令で定めるところにより、当該業務に関する情報を適正に管理し、かつ、当該業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。
2  前項の「親金融機関等」とは、銀行の総株主の議決権の過半数を保有している者その他の当該銀行と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、銀行、金融商品取引業者(金融商品取引法第二条第九項 (定義)に規定する金融商品取引業者をいう。以下同じ。)、保険会社(保険業法第二条第二項 (定義)に規定する保険会社をいう。以下同じ。)その他政令で定める金融業を行う者をいう。
3  第一項の「子金融機関等」とは、銀行が総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該銀行と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、銀行、金融商品取引業者、保険会社その他政令で定める金融業を行う者をいう。

(金融商品取引法 の準用) 第十三条の四  金融商品取引法第三章第一節第五款 (第三十四条の二第六項から第八項まで(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合)並びに第三十四条の三第五項及び第六項(特定投資家以外の顧客である法人が特定投資家とみなされる場合)を除く。)(特定投資家)、同章第二節第一款 (第三十五条から第三十六条の四まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲、第二種金融商品取引業又は投資助言・代理業のみを行う者の兼業の範囲、顧客に対する誠実義務、標識の掲示、名義貸しの禁止、社債の管理の禁止等)、第三十七条第一項第二号(広告等の規制)、第三十七条の二(取引態様の事前明示義務)、第三十七条の三第一項第二号及び第六号並びに第三項(契約締結前の書面の交付)、第三十七条の五(保証金の受領に係る書面の交付)、第三十七条の七(指定紛争解決機関との契約締結義務等)、第三十八条第一号及び第二号並びに第三十八条の二(禁止行為)、第三十九条第三項ただし書及び第五項(損失補てん等の禁止)並びに第四十条の二から第四十条の五まで(最良執行方針等、分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止、特定投資家向け有価証券の売買等の制限、特定投資家向け有価証券に関する告知義務)を除く。)(通則)及び第四十五条 (第三号及び第四号を除く。)(雑則)の規定は、銀行が行う特定預金等契約(特定預金等(金利、通貨の価格、同法第二条第十四項 に規定する金融商品市場における相場その他の指標に係る変動によりその元本について損失が生ずるおそれがある預金又は定期積金等として内閣府令で定めるものをいう。)の受入れを内容とする契約をいう。以下同じ。)の締結について準用する。この場合において、これらの規定中「金融商品取引契約」とあるのは「特定預金等契約」と、「金融商品取引業」とあるのは「特定預金等契約の締結の業務」と、これらの規定(同法第三十四条 の規定を除く。)中「金融商品取引行為」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同法第三十四条 中「顧客を相手方とし、又は顧客のために金融商品取引行為(第二条第八項各号に掲げる行為をいう。以下同じ。)を行うことを内容とする契約」とあるのは「銀行法第十三条の四に規定する特定預金等契約」と、同法第三十七条の三第一項中「交付しなければならない」とあるのは「交付するほか、預金者等(銀行法第二条第五項に規定する預金者等をいう。以下この項において同じ。)の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、当該特定預金等契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない」と、同法第三十九条第一項第一号中「有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)」とあるのは「特定預金等契約」と、「顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項 の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあつては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは「顧客」と、「補足するため」とあるのは「補足するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第二号 及び第三号 中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定預金等契約」と、同項第二号 中「追加するため」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第三号 中「追加するため、」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同条第二項中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同条第三項中「原因となるものとして内閣府令で定めるもの」とあるのは「原因となるもの」と、同法第四十五条第二号 中「第三十七条の二 から第三十七条の六 まで、第四十条の二第四項及び第四十三条の四」とあるのは「第三十七条の三(第一項の書面の交付に係る部分に限り、同項第二号及び第六号並びに第三項を除く。)、第三十七条の四及び第三十七条の六」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

(取締役等に対する信用の供与)
第十四条  銀行の取締役又は執行役が当該銀行から受ける信用の供与については、その条件が、当該銀行の信用の供与の通常の条件に照らして、当該銀行に不利益を与えるものであつてはならない。
2  銀行の取締役又は執行役が当該銀行から信用の供与を受ける場合における会社法第三百六十五条第一項 (競業及び取締役会設置会社との取引等の制限)の規定により読み替えて適用する同法第三百五十六条第一項 (競業及び利益相反取引の制限)の規定及び同法第四百十九条第二項 (執行役の監査委員に対する報告義務等)において準用する同法第三百五十六条第一項 の規定による取締役会の承認に対する同法第三百六十九条第一項 (取締役会の決議)の規定の適用については、同項 中「その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)」とあるのは、「その三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数」とする。

(経営の健全性の確保)
第十四条の二  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全な運営に資するため、銀行がその経営の健全性を判断するための基準として次に掲げる基準その他の基準を定めることができる。
一  銀行の保有する資産等に照らし当該銀行の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかの基準
二  銀行及びその子会社その他の当該銀行と内閣府令で定める特殊の関係のある会社(以下この号、第三章及び第四章において「子会社等」という。)の保有する資産等に照らし当該銀行及びその子会社等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかの基準

(休日及び営業時間)
第十五条  銀行の休日は、日曜日その他政令で定める日に限る。
2  銀行の営業時間は、金融取引の状況等を勘案して内閣府令で定める。

(臨時休業等)
第十六条  銀行は、内閣府令で定める場合を除き、天災その他のやむを得ない理由によりその営業所において臨時にその業務の全部又は一部を休止するときは、直ちにその旨を、理由を付して内閣総理大臣に届け出るとともに、公告し、かつ、内閣府令で定めるところにより、当該営業所の店頭に掲示しなければならない。銀行が臨時にその業務の全部又は一部を休止した営業所においてその業務の全部又は一部を再開するときも、同様とする。
2  前項の規定にかかわらず、銀行の無人の営業所において臨時にその業務の全部又は一部を休止する場合その他の内閣府令で定める場合については、同項の規定による公告は、することを要しない。

(銀行の子会社の範囲等)
第十六条の二  銀行は、次に掲げる会社(以下この条において「子会社対象会社」という。)以外の会社を子会社としてはならない。
一  銀行
二  長期信用銀行
二の二  資金決済に関する法律 (平成二十一年法律第五十九号)第二条第三項 (定義)に規定する資金移動業者(第七号に掲げる会社に該当するものを除く。)のうち、資金移動業(同条第二項 に規定する資金移動業をいう。)その他内閣府令で定める業務を専ら営むもの(第五十二条の二十三第一項第一号の二において「資金移動専門会社」という。)
三  金融商品取引業者のうち、有価証券関連業(金融商品取引法第二十八条第八項 (通則)に規定する有価証券関連業をいう。以下同じ。)のほか、同法第三十五条第一項第一号 から第八号 まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲)に掲げる行為を行う業務その他の内閣府令で定める業務を専ら営むもの(以下「証券専門会社」という。)
四  金融商品取引法第二条第十二項 (定義)に規定する金融商品仲介業者のうち、金融商品仲介業(同条第十一項 (定義)に規定する金融商品仲介業をいい、次に掲げる行為のいずれかを営む業務に係るものに限る。以下この号において同じ。)のほか、金融商品仲介業に付随する業務その他の内閣府令で定める業務を専ら営むもの(以下「証券仲介専門会社」という。)
イ 金融商品取引法第二条第十一項第一号 (定義)に掲げる行為
ロ 金融商品取引法第二条第十七項 (定義)に規定する取引所金融商品市場又は同条第八項第三号 ロ(定義)に規定する外国金融商品市場における有価証券の売買の委託の媒介(ハに掲げる行為に該当するものを除く。)
ハ 金融商品取引法第二十八条第八項第三号 又は第五号 (通則)に掲げる行為の委託の媒介
ニ 金融商品取引法第二条第十一項第三号 (定義)に掲げる行為
五  保険会社
五の二  保険業法第二条第十八項 (定義)に規定する少額短期保険業者(以下「少額短期保険業者」という。)
六  信託業法 (平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項 (定義)に規定する信託会社のうち、信託業務(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律 (昭和十八年法律第四十三号。以下「兼営法」という。)第一条第一項 (兼営の認可)に規定する信託業務をいう。以下同じ。)を専ら営む会社(以下「信託専門会社」という。)
七  銀行業を営む外国の会社
八  有価証券関連業を営む外国の会社(前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
九  保険業(保険業法第二条第一項 (定義)に規定する保険業をいう。以下同じ。)を営む外国の会社(第七号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十  信託業(信託業法第二条第一項 (定義)に規定する信託業をいう。以下同じ。)を営む外国の会社(第七号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十一  従属業務又は金融関連業務を専ら営む会社(従属業務を営む会社にあつては主として当該銀行、その子会社(第一号から第二号の二まで及び第七号に掲げる会社に限る。第七項において同じ。)その他これらに類する者として内閣府令で定めるものの営む業務のためにその業務を営んでいるものに限るものとし、金融関連業務を営む会社であつて次に掲げる業務の区分に該当する場合には、当該区分に定めるものに、それぞれ限るものとする。)
イ 証券専門関連業務、保険専門関連業務及び信託専門関連業務のいずれも営むもの 当該会社の議決権について、当該銀行の証券子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(証券子会社等、保険子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該銀行の保険子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(証券子会社等、保険子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該銀行の信託子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(証券子会社等、保険子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ロ 証券専門関連業務及び保険専門関連業務のいずれも営むもの(イに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該銀行の証券子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(証券子会社等及び保険子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該銀行の保険子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(証券子会社等及び保険子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ハ 証券専門関連業務及び信託専門関連業務のいずれも営むもの(イに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該銀行の証券子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(証券子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該銀行の信託子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(証券子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ニ 保険専門関連業務及び信託専門関連業務のいずれも営むもの(イに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該銀行の保険子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(保険子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有し、かつ、当該銀行の信託子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(保険子会社等及び信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ホ 証券専門関連業務を営むもの(イ、ロ及びハに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該銀行の証券子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(証券子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ヘ 保険専門関連業務を営むもの(イ、ロ及びニに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該銀行の保険子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(保険子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
ト 信託専門関連業務を営むもの(イ、ハ及びニに掲げるものを除く。) 当該会社の議決権について、当該銀行の信託子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社(信託子会社等を除く。)が合算して保有する当該会社の議決権の数を超えて保有しているもの
十二  新たな事業分野を開拓する会社又は経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社(当該会社の議決権を、当該銀行又はその子会社のうち前号に掲げる会社で内閣府令で定めるもの(次条第七項において「特定子会社」という。)以外の子会社が、合算して、同条第一項に規定する基準議決権数を超えて保有していないものに限る。)
十三  前各号に掲げる会社のみを子会社とする持株会社で内閣府令で定めるもの(当該持株会社になることを予定している会社を含む。)
2  前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  従属業務 銀行又は前項第二号から第十号までに掲げる会社の営む業務に従属する業務として内閣府令で定めるもの
二  金融関連業務 銀行業、有価証券関連業、保険業又は信託業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
三  証券専門関連業務 専ら有価証券関連業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
四  保険専門関連業務 専ら保険業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
五  信託専門関連業務 専ら信託業に付随し、又は関連する業務として内閣府令で定めるもの
六  証券子会社等 銀行の子会社である次に掲げる会社
イ 証券専門会社、証券仲介専門会社又は有価証券関連業を営む外国の会社
ロ イに掲げる会社を子会社とする前項第十三号に掲げる持株会社
ハ その他の会社であつて、当該銀行の子会社である証券専門会社又は証券仲介専門会社の子会社のうち内閣府令で定めるもの
七  保険子会社等 銀行の子会社である次に掲げる会社
イ 保険会社、少額短期保険業者又は保険業を営む外国の会社
ロ イに掲げる会社を子会社とする前項第十三号に掲げる持株会社
ハ その他の会社であつて、当該銀行の子会社である保険会社又は少額短期保険業者の子会社のうち内閣府令で定めるもの
八  信託子会社等 銀行の子会社である次に掲げる会社
イ 兼営法第一条第一項 (兼営の認可)の認可を受けて信託業務を営む銀行(以下「信託兼営銀行」という。)
ロ 信託専門会社又は信託業を営む外国の会社
ハ イ又はロに掲げる会社を子会社とする前項第十三号に掲げる持株会社
ニ その他の会社であつて、当該銀行の子会社である信託兼営銀行又は信託専門会社の子会社のうち内閣府令で定めるもの
3  第一項の規定は、子会社対象会社以外の会社が、銀行又はその子会社の担保権の実行による株式等の取得その他の内閣府令で定める事由により当該銀行の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該銀行は、その子会社となつた会社が当該事由の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
4  銀行は、子会社対象会社のうち、第一項第一号から第十一号まで又は第十三号に掲げる会社(従属業務(第二項第一号に掲げる従属業務をいう。以下この項及び第七項において同じ。)又は銀行業に付随し、若しくは関連する業務として内閣府令で定めるものを専ら営む会社(従属業務を営む会社にあつては、主として当該銀行の営む業務のためにその業務を営んでいる会社に限る。)を除く。以下この条及び次条第四項第一号において「子会社対象銀行等」という。)を子会社としようとするときは、第三十条第一項から第三項まで又は金融機関の合併及び転換に関する法律 (昭和四十三年法律第八十六号)第五条第一項 (認可)の規定により合併、会社分割又は事業の譲受けの認可を受ける場合を除き、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
5  前項の規定は、子会社対象銀行等が、銀行又はその子会社の担保権の実行による株式等の取得その他の内閣府令で定める事由により当該銀行の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該銀行は、その子会社となつた子会社対象銀行等を引き続き子会社とすることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、当該子会社対象銀行等が当該事由の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
6  第四項の規定は、銀行が、その子会社としている第一項各号に掲げる会社を当該各号のうち他の号に掲げる会社(子会社対象銀行等に限る。)に該当する子会社としようとするときについて準用する。
7  第一項第十一号又は第四項の場合において、会社が主として銀行、その子会社その他これらに類する者として内閣府令で定めるもの又は銀行の営む業務のために従属業務を営んでいるかどうかの基準は、内閣総理大臣が定める。
8  銀行が信託兼営銀行である場合における第一項第十一号の規定の適用については、同号イ、ハ、ニ及びト中「当該銀行の信託子会社等が合算して、当該銀行又はその子会社」とあるのは、「当該銀行又はその信託子会社等が合算して、当該銀行の子会社」とする。

(銀行等による議決権の取得等の制限)
第十六条の三  銀行又はその子会社は、国内の会社(前条第一項第一号から第六号まで、第十一号及び第十三号に掲げる会社を除く。以下この条において同じ。)の議決権については、合算して、その基準議決権数(当該国内の会社の総株主等の議決権に百分の五を乗じて得た議決権の数をいう。以下この条において同じ。)を超える議決権を取得し、又は保有してはならない。
2  前項の規定は、銀行又はその子会社が、担保権の実行による議決権の取得その他の内閣府令で定める事由により、国内の会社の議決権をその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなる場合には、適用しない。ただし、当該銀行又はその子会社は、合算してその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなつた部分の議決権については、当該銀行があらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた場合を除き、その取得し、又は保有することとなつた日から一年を超えてこれを保有してはならない。
3  前項ただし書の場合において、内閣総理大臣がする同項の承認の対象には、銀行又はその子会社が国内の会社の議決権を合算してその総株主等の議決権の百分の五十を超えて取得し、又は保有することとなつた議決権のうち当該百分の五十を超える部分の議決権は含まれないものとし、内閣総理大臣が当該承認をするときは、銀行又はその子会社が合算してその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなつた議決権のうちその基準議決権数を超える部分の議決権を速やかに処分することを条件としなければならない。
4  銀行又はその子会社は、次の各号に掲げる場合には、第一項の規定にかかわらず、当該各号に定める日に保有することとなる国内の会社の議決権がその基準議決権数を超える場合であつても、同日以後、当該議決権をその基準議決権数を超えて保有することができる。ただし、内閣総理大臣は、銀行又はその子会社が、次の各号に掲げる場合に国内の会社の議決権を合算してその総株主等の議決権の百分の五十を超えて保有することとなるときは、当該各号に規定する認可(第四号に該当する場合には、免許。次項において同じ。)をしてはならない。
一  前条第四項の認可を受けて当該銀行が子会社対象銀行等を子会社としたとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その子会社とした日
二  第三十条第一項又は金融機関の合併及び転換に関する法律第五条第一項 (認可)の認可を受けて当該銀行が合併により設立されたとき。 その設立された日
三  当該銀行が第三十条第一項又は金融機関の合併及び転換に関する法律第五条第一項 (認可)の認可を受けて合併をしたとき(当該銀行が存続する場合に限る。)。 その合併をした日
四  第三十条第二項の認可を受けて共同新設分割により設立された会社が第四条第一項の免許を受けて当該銀行になつたとき。 その免許を受けた日
五  当該銀行が第三十条第二項の認可を受けて吸収分割により事業を承継したとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その吸収分割をした日
六  当該銀行が第三十条第三項の認可を受けて事業の譲受けをしたとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その事業の譲受けをした日
5  内閣総理大臣は、前項各号に規定する認可をするときは、当該各号に定める日に銀行又はその子会社が合算してその基準議決権数を超えて保有することとなる国内の会社の議決権のうちその基準議決権数を超える部分の議決権を、同日から五年を経過する日までに内閣総理大臣が定める基準に従つて処分することを条件としなければならない。
6  銀行又はその子会社が、国内の会社の議決権を合算してその基準議決権数を超えて保有することとなつた場合には、その超える部分の議決権は、当該銀行が取得し、又は保有するものとみなす。
7  前各項の場合において、新たな事業分野を開拓する会社又は経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社の議決権の取得又は保有については、特定子会社は、銀行の子会社に該当しないものとみなす。
8  第二条第十一項の規定は、前各項の場合において銀行又はその子会社が取得し、又は保有する議決権について準用する。

(事業年度) 第十七条  銀行の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。

(資本準備金及び利益準備金の額) 第十八条  銀行は、剰余金の配当をする場合には、会社法第四百四十五条第四項 (資本金の額及び準備金の額)の規定にかかわらず、内閣府令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に五分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金として計上しなければならない。

(業務報告書等)
第十九条  銀行は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した当該事業年度の中間事業年度(当該事業年度の四月一日から九月三十日までの期間をいう。以下同じ。)に係る中間業務報告書及び当該事業年度に係る業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2  銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、前項の報告書のほか、当該銀行及び当該子会社等の業務及び財産の状況を連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る中間業務報告書及び当該事業年度に係る業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
3  前二項の報告書の記載事項、提出期日その他これらの報告書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(貸借対照表等の公告等)
第二十条  銀行は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の中間事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「中間貸借対照表等」という。)並びに当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「貸借対照表等」という。)を作成しなければならない。
2  銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、中間貸借対照表等及び貸借対照表等のほか、内閣府令で定めるところにより、当該銀行及び当該子会社等につき連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「中間連結貸借対照表等」という。)並びに当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「連結貸借対照表等」という。)を作成しなければならない。
3  中間貸借対照表等、貸借対照表等、中間連結貸借対照表等及び連結貸借対照表等は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)をもつて作成することができる。
4  銀行は、内閣府令で定めるところにより、その中間事業年度経過後三月以内に中間貸借対照表等及び中間連結貸借対照表等を、その事業年度経過後三月以内に貸借対照表等及び連結貸借対照表等を公告しなければならない。ただし、やむを得ない理由により当該三月以内にこれらの書類の公告をすることができない場合には、内閣総理大臣の承認を受けて、当該公告を延期することができる。
5  前項の規定にかかわらず、その公告方法(会社法第二条第三十三号 (定義)に規定する公告方法をいう。以下同じ。)が第五十七条第一号に掲げる方法である銀行は、内閣府令で定めるところにより、中間貸借対照表等、貸借対照表等、中間連結対照表等及び連結貸借対照表等の要旨を公告することで足りる。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。
6  前項に規定する銀行は、内閣府令で定めるところにより、その中間事業年度経過後三月以内に中間貸借対照表等及び中間連結貸借対照表等の内容である情報を、その事業年度経過後三月以内に貸借対照表等及び連結貸借対照表等の内容である情報を、五年間継続して電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、第四項の規定による公告をしたものとみなす。

(業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
第二十一条  銀行は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類を作成し、当該銀行の営業所(無人の営業所その他の内閣府令で定める営業所を除く。次項及び第四項において同じ。)に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。前条第一項の規定により作成した書類についても、同様とする。
2  銀行が子会社等を有する場合には、当該銀行は、事業年度ごとに、当該銀行及び当該子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該銀行及び当該子会社等につき連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類を作成し、前項前段の規定により作成した書類とともに当該銀行の営業所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。前条第一項及び第二項の規定により作成した書類についても、同様とする。
3  第一項前段又は前項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類は、電磁的記録をもつて作成することができる。
4  第一項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、銀行の営業所において、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
5  前項の規定は、第二項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類について準用する。
6  前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項の書類を公衆の縦覧に供する期間その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
7  銀行は、前各項に規定する事項のほか、預金者その他の顧客が当該銀行及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。

(事業報告等の記載事項等) 第二十二条  銀行が会社法第四百三十五条第二項 (計算書類等の作成及び保存)の規定により作成する事業報告及び附属明細書の記載事項又は記録事項は、内閣府令で定める。

(株主等の帳簿閲覧権の否認) 第二十三条  会社法第四百三十三条 (会計帳簿の閲覧等の請求)の規定は、銀行の会計帳簿及びこれに関する資料については、適用しない。

(報告又は資料の提出)
第二十四条  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、銀行(当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
2  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該銀行の子法人等(子会社その他銀行がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。次項、次条第二項及び第五項並びに第四十七条第二項において同じ。)又は当該銀行から業務の委託を受けた者(前項の銀行代理業者を除く。次項並びに次条第二項及び第五項において同じ。)に対し、当該銀行の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3  銀行の子法人等又は当該銀行から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。

(立入検査)
第二十五条  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に銀行(当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2  内閣総理大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に銀行の子法人等若しくは当該銀行から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、銀行に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3  前二項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4  第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5  前条第三項の規定は、第二項の規定による銀行の子法人等又は当該銀行から業務の委託を受けた者に対する質問及び検査について準用する。

(業務の停止等)
第二十六条  内閣総理大臣は、銀行の業務若しくは財産又は銀行及びその子会社等の財産の状況に照らして、当該銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該銀行に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該銀行の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において、期限を付して当該銀行の業務の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは当該銀行の財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。
2  前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)であつて、銀行又は銀行及びその子会社等の自己資本の充実の状況によつて必要があると認めるときにするものは、内閣府令・財務省令で定める銀行又は銀行及びその子会社等の自己資本の充実の状況に係る区分に応じ、それぞれ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。

(免許の取消し等) 第二十七条  内閣総理大臣は、銀行が法令、定款若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該銀行に対し、その業務の全部若しくは一部の停止若しくは取締役、執行役、会計参与若しくは監査役の解任を命じ、又は第四条第一項の免許を取り消すことができる。

第二十八条  内閣総理大臣は、前二条の規定により、銀行に対し、その業務の全部又は一部の停止を命じた場合において、その整理の状況に照らして必要があると認めるときは、第四条第一項の免許を取り消すことができる。

(資産の国内保有) 第二十九条  内閣総理大臣は、預金者等の保護その他公益のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、政令で定めるところにより、銀行に対し、その資産のうち政令で定めるものを国内において保有することを命ずることができる。

(合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可等)
第三十条  銀行を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併後存続する会社又は当該合併により設立される会社が銀行であるものに限るものとし、金融機関の合併及び転換に関する法律第三条 (合併)の規定による合併に該当するものを除く。以下この章において「合併」という。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2  銀行を当事者とする会社分割は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3  銀行を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受けは、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4  銀行が信用金庫、信用協同組合又は労働金庫(これらの法人をもつて組織する連合会を含む。以下この章において「信用金庫等」という。)から事業の全部又は一部を譲り受ける場合においては、当該信用金庫等を会社とみなして、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第十六条 (事業の譲受け等の制限)及び同条 に係る同法 の規定を適用する。

第三十一条  内閣総理大臣は、前条の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  前条の規定による合併、会社分割、事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け(以下この条において「合併等」という。)が、当該合併等の当事者である銀行等(銀行及び長期信用銀行をいう。第五十二条の六十一を除き、以下同じ。)又は信用金庫等が業務を行つている地域(会社分割により事業の一部を承継させ、若しくは承継する場合又は事業の一部の譲渡若しくは譲受けに係る場合にあつては、当該一部の事業が行われている地域に限る。)における資金の円滑な需給及び利用者の利便に照らして、適当なものであること。
二  合併等が金融機関相互間の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないものであること。
三  前条の認可の申請をした銀行又は合併により設立される銀行が、合併等の後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。

(みなし免許) 第三十二条  第三十条第一項の認可を受けて合併により設立される銀行業を営む会社は、当該設立の時に、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたものとみなす。

(合併の場合の債権者の異議の催告) 第三十三条  銀行が合併の決議をした場合においては、預金者等その他政令で定める債権者に対する会社法第七百八十九条第二項 、第七百九十九条第二項又は第八百十条第二項(債権者の異議)の規定による催告は、することを要しない。

(会社分割の場合の債権者の異議の催告)
第三十三条の二  銀行が会社分割の決議をした場合においては、預金者等その他政令で定める債権者に対する会社法第七百八十九条第二項 、第七百九十九条第二項又は第八百十条第二項(債権者の異議)の規定による催告は、することを要しない。
2  会社法第七百五十九条第二項 及び第三項 (株式会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)、第七百六十一条第二項及び第三項(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)、第七百六十四条第二項及び第三項(株式会社を設立する新設分割の効力の発生等)並びに第七百六十六条第二項及び第三項(持分会社を設立する新設分割の効力の発生等)の規定は、前項の規定により催告をすることを要しないものとされる預金者等その他政令で定める債権者には、適用しない。

(事業の譲渡又は譲受けの場合の債権者の異議の催告等)
第三十四条  銀行を当事者とする事業の全部の譲渡又は譲受けについて株主総会の決議(会社法第四百六十八条 (事業譲渡等の承認を要しない場合)の規定により同法第四百六十七条第一項 (事業譲渡等の承認等)の決議によらずに事業の全部の譲受けを行う場合には、取締役会の決議又は執行役の決定)がされたときは、当該銀行は、当該決議又は決定の日から二週間以内に、当該決議又は決定の要旨及び当該事業の全部の譲渡又は譲受けに異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を官報に公告し、かつ、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2  前項の期間は、一月を下つてはならない。
3  第一項の規定にかかわらず、銀行が、同項の規定による公告を、官報のほか、第五十七条の規定による定款の定めに従い、同条各号に掲げる公告方法によりするときは、同項の各別の催告は、することを要しない。
4  債権者が第一項の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該事業の全部の譲渡又は譲受けについて承認したものとみなす。
5  債権者が第一項の期間内に異議を述べたときは、当該銀行は、弁済し、又は相当の担保を提供し、若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社若しくは信託業務を営む他の金融機関に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該事業の全部の譲渡又は譲受けをしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

第三十五条  銀行を当事者とする事業の一部の譲渡又は譲受けについて株主総会若しくは取締役会の決議又は執行役の決定がされたときは、当該銀行は、当該決議又は決定の日から二週間以内に、当該決議又は決定の要旨及び当該事業の一部の譲渡又は譲受けに異議のある債権者は一定の期間内に異議を述べるべき旨を官報に公告することができる。ただし、預金者等その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
2  前項の期間は、一月を下つてはならない。
3  前条第三項から第五項までの規定は、第一項の規定によりされた公告及び催告に係る債権者の異議について準用する。

(会社分割又は事業の譲渡の公告等)
第三十六条  銀行は、会社分割により事業の全部若しくは一部を承継させ、又は事業の全部若しくは一部を譲渡したときは、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
2  その公告方法が第五十七条第一号に掲げる方法である銀行が前項の規定による公告をしたときは、当該公告をした銀行の債務者に対して民法 (明治二十九年法律第八十九号)第四百六十七条 (指名債権の譲渡の対抗要件)の規定による確定日付のある証書による通知があつたものとみなす。この場合においては、当該公告の日付をもつて確定日付とする。

(廃業及び解散等の認可)
第三十七条  次に掲げる事項は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
一  銀行業の廃止に係る定款の変更についての株主総会の決議
二  銀行を全部又は一部の当事者とする合併(第三十条第一項に規定する合併及び金融機関の合併及び転換に関する法律第三条 (合併)の規定による合併に該当するものを除く。)
三  銀行の解散についての株主総会の決議
2  内閣総理大臣は、前項の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準のいずれかに適合するかどうかを審査しなければならない。
一  当該銀行業の廃止、合併又は解散が当該銀行の業務及び財産の状況に照らしてやむを得ないものであること。
二  当該銀行業の廃止、合併又は解散が、当該銀行が業務を営んでいる地域における資金の円滑な需給及び利用者の利便に支障を及ぼすおそれのないものであること。
3  内閣総理大臣は、第二十六条第一項又は第二十七条の規定による業務の全部又は一部の停止の命令をした銀行から第一項の認可の申請があつた場合においては、当該銀行に対し、同項の認可をしてはならない。これらの命令をすること又は同条の規定により第四条第一項の免許を取り消すことが必要であると認める銀行から第一項の認可の申請があつた場合も、同様とする。

(廃業等の公告等) 第三十八条  銀行は、前条第一項の認可を受けたときは、内閣府令で定めるところにより、直ちに、その旨及び当該認可を受けた事項の内容を公告するとともに、当該銀行を所属銀行とする銀行代理業者に通知し、かつ、一月を下らない期間、すべての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。

(定款の解散事由の規定の効力) 第三十九条  銀行は、会社法第四百七十一条第一号 及び第二号 (解散の事由)の規定にかかわらず、同条第一号 又は第二号 に掲げる事由によつては、解散しない。

(免許の取消しによる解散) 第四十条  銀行は、第二十七条又は第二十八条の規定により第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消されたときは、解散する。

(免許の失効)
第四十一条  銀行が次の各号のいずれかに該当するときは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許は、効力を失う。
一  銀行業の全部を廃止したとき。
二  会社分割により事業の全部を承継させ、又は事業の全部を譲渡したとき。
三  解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により銀行を設立するものに限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
四  当該免許を受けた日から六月以内に業務を開始しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。

(免許の取消し等の場合のみなし銀行) 第四十二条  銀行が第二十七条若しくは第二十八条の規定により第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消された場合又は前条の規定により当該免許が効力を失つた場合においては、当該銀行であつた会社は、第三十六条、第三十八条及び第四十六条第一項の規定の適用については、なお銀行とみなす。

(他業会社への転移等)
第四十三条  銀行が第四十一条第一号の規定に該当して第四条第一項の内閣総理大臣の免許が効力を失つた場合において、当該銀行であつた会社に従前の預金又は定期積金等の債務が残存するときは、政令で定める場合を除き、内閣総理大臣は、当該会社が当該債務を完済する日又は当該免許が効力を失つた日以後十年を経過する日のいずれか早い日まで、当該会社に対し、当該債務の総額を限度として財産の供託を命じ、又は預金者等の保護を図るため当該債務の処理若しくは資産の管理若しくは運用に関し必要な命令をすることができる。
2  前項の規定は、銀行等以外の会社が合併又は会社分割により銀行の預金又は定期積金等の債務を承継した場合について準用する。
3  第二十四条第一項並びに第二十五条第一項、第三項及び第四項の規定は、前二項の規定の適用を受ける会社について準用する。

(清算人の任免等)
第四十四条  銀行が第四条第一項の内閣総理大臣の免許の取消しにより解散した場合には、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を選任する。当該清算人の解任についても、同様とする。
2  前項の場合を除くほか、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を解任することができる。この場合においては、裁判所は、清算人を選任することができる。
3  破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者は、清算をする銀行(次項並びに次条第三項、第五項、第七項及び第八項において「清算銀行」という。)の清算人となることができない。
4  清算銀行の清算人に対する会社法第四百七十八条第六項 (清算人の就任)において準用する同法第三百三十一条第一項第三号 (取締役の資格等)の規定の適用については、同号 中「この法律」とあるのは、「銀行法、この法律」とする。

(清算の監督)
第四十五条  銀行の清算は、裁判所の監督に属する。
2  銀行の清算の監督は、銀行の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
3  裁判所は、清算銀行の清算事務及び財産の状況を検査するとともに、当該清算銀行に対し、財産の供託を命じ、その他清算の監督に必要な命令をすることができる。この場合においては、当該検査をさせるため、特別検査人を選任することができる。
4  会社法第八百七十一条 本文(理由の付記)、第八百七十二条(第一号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十五条(非訟事件手続法 の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は前項前段の規定による命令について、同法第八百七十四条 (第二号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条及び第八百七十六条の規定は同項後段の規定による特別検査人の選任について、それぞれ準用する。
5  裁判所は、第三項後段の規定により特別検査人を選任した場合には、清算銀行が当該特別検査人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
6  会社法第八百七十条 (第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十五条(非訟事件手続法 の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の報酬の額の決定について準用する。
7  清算銀行の清算人は、その就任の日から二週間以内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。
一  解散の事由(会社法第四百七十五条第二号 又は第三号 (清算の開始原因)に掲げる場合に該当することとなつた清算銀行にあつては、その旨)及びその年月日
二  清算人の氏名及び住所
8  清算銀行の清算人は、会社法第四百九十二条第三項 (財産目録等の作成等)の規定により同項 に規定する財産目録等について株主総会の承認を受けた場合には、遅滞なく、当該財産目録等(当該財産目録等が電磁的記録をもつて作成されている場合にあつては、当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面)を裁判所に提出しなければならない。

(清算手続等における内閣総理大臣の意見等)
第四十六条  裁判所は、銀行の清算手続、破産手続、再生手続、更生手続又は承認援助手続において、内閣総理大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。
2  内閣総理大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。
3  第二十五条第一項、第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により内閣総理大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。

(外国銀行の免許等)
第四十七条  外国銀行が日本において銀行業を営もうとするときは、当該外国銀行は、内閣府令で定めるところにより、当該外国銀行の日本における銀行業の本拠となる一の支店(以下この章において「主たる外国銀行支店」という。)を定めて、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けなければならない。
2  前項の規定により、外国銀行が第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたときは、その主たる外国銀行支店及び当該外国銀行の日本における他の支店その他の営業所(以下この章において「従たる外国銀行支店」という。)(以下この章において「外国銀行支店」と総称する。)を一の銀行とみなし、当該外国銀行の日本における代表者を当該一の銀行とみなされた外国銀行支店の取締役とみなして、この法律の規定を適用する。ただし、第四条の二、第五条、第六条、第七条の二第四項、第八条、第十三条第二項及び第四項、第十四条第二項、第二章の二、第十九条第二項、第二十条第二項、第二十一条第二項、第二十二条、第二十三条、第二十四条第二項及び第三項(これらの規定中子法人等に係る部分に限る。)、第二十五条第二項及び第五項(これらの規定中子法人等に係る部分に限る。)、第三十条第一項及び第二項、第三十二条から第三十三条の二まで、第三十六条(会社分割に係る部分に限る。)、第三十七条第一項第二号及び第三号、第三十九条、第四十条、第四十一条第二号(会社分割に係る部分に限る。)及び第三号、第四十三条、第四十四条、第七章の三、第五十三条第一項(第一号、第五号及び第八号を除く。)、第二項、第三項及び第五項、第五十五条第二項及び第三項、第五十六条第五号から第九号まで、第五十七条並びに第五十七条の二第二項の規定を除く。
3  前項の場合において、第十条第二項(第八号の二に係る部分に限る。)及び次章の規定並びにこれらの規定に係る第九章の規定の適用については、外国銀行支店に係る外国銀行の主たる営業所及びその外国における支店その他の営業所(以下この項において「外国銀行外国営業所」と総称する。)は、一の外国銀行とみなし、当該外国銀行支店が行う当該外国銀行支店に係る外国銀行の外国銀行外国営業所とその顧客の取引の仲介(外国銀行の業務の代理又は媒介に相当するものとして内閣府令で定めるものに限る。)は、当該一の外国銀行の業務の媒介とみなし、当該取引の仲介に係る外国銀行外国営業所は、当該外国銀行支店が当該一の外国銀行の業務の媒介の委託を受ける旨の契約の相手方とみなす。
4  外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許に係る特例、外国銀行支店に対しこの法律の規定を適用する場合における技術的読替えその他外国銀行支店に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

(従たる外国銀行支店の設置等) 第四十七条の二  外国銀行支店は、従たる外国銀行支店の設置、種類の変更又は廃止をしようとするときは、内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

(外国銀行支店の資料の提出等) 第四十八条  内閣総理大臣は、外国銀行支店の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、外国銀行支店(当該外国銀行支店を所属銀行とする銀行代理業者を含む。)に対し、外国銀行支店に係る外国銀行(当該外国銀行と政令で定める特殊の関係のある者を含む。)の業務又は財産の状況に関する報告又は資料の提出を求めることができる。

(外国銀行支店の届出)
第四十九条  外国銀行支店は、当該外国銀行支店に係る外国銀行が次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  資本金又は出資の額を変更したとき。
二  商号又は本店の所在地を変更したとき。
三  合併をし、会社分割により事業を承継させ、若しくは承継し、又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(当該外国銀行支店のみに係るものを除く。)をしたとき。
四  解散(合併によるものを除く。)をし、又は銀行業の廃止をしたとき。
五  銀行業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を取り消されたとき。
六  破産手続開始の決定があつたとき。
七  その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2  外国銀行支店は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  主たる外国銀行支店又は従たる外国銀行支店の位置の変更をしようとするとき(内閣府令で定める場合を除く。)。
二  従たる外国銀行支店(支店でない営業所を除く。以下この号において同じ。)を主たる外国銀行支店とし、主たる外国銀行支店を従たる外国銀行支店としようとするとき。
三  その他内閣府令で定める場合に該当するとき。

(外国銀行支店の公告方法)
第四十九条の二  外国銀行支店は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定めなければならない。
一  時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
二  電子公告(会社法第二条第三十四号 (定義)に規定する電子公告をいう。以下同じ。)
2  会社法第九百四十条第三項 (電子公告の公告期間等)、第九百四十一条(電子公告調査)、第九百四十六条(調査の義務等)、第九百四十七条(電子公告調査を行うことができない場合)、第九百五十一条第二項(財務諸表等の備置き及び閲覧等)、第九百五十三条(改善命令)及び第九百五十五条(調査記録簿等の記載等)の規定は、外国銀行支店が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告(会社法 の規定による公告を除く。)をする場合について準用する。この場合において、同法第九百四十条第三項 中「前二項」とあるのは「銀行法第四十七条第二項の規定により外国銀行支店を一の銀行とみなして適用する同法第五十七条の二第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

(外国銀行に対する免許の失効) 第五十条  第四十九条第一項第三号から第六号までのいずれかに該当して同項の規定による届出(同項第三号に係る届出にあつては当該合併後当該外国銀行支店に係る外国銀行が消滅することとなる合併、当該外国銀行支店に係る事業の全部を承継させることとなる会社分割及び事業の全部の譲渡に係る届出に限るものとし、同項第四号に係る届出にあつては銀行業の一部の廃止に係る届出を除く。)があつたときは、当該届出をした外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許は、効力を失う。

(外国銀行支店の清算)
第五十一条  外国銀行支店は、次の各号のいずれかに該当するときは、日本にある財産の全部について清算をしなければならない。
一  第二十七条又は第二十八条の規定により当該外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許を取り消されたとき。
二  第四十一条第一号又は前条の規定により当該外国銀行支店に係る外国銀行に対する第四条第一項の内閣総理大臣の免許が効力を失つたとき。
2  前項の規定により外国銀行支店が清算をする場合には、裁判所は、利害関係人若しくは内閣総理大臣の請求により又は職権をもつて、清算人を選任する。当該清算人の解任についても、同様とする。
3  会社法第四百七十六条 (清算株式会社の能力)、第二編第九章第一節第二款(清算株式会社の機関)、第四百九十二条(財産目録等の作成等)、同節第四款(債務の弁済等)及び第五百八条(帳簿資料の保存)の規定並びに同章第二節(第五百十条、第五百十一条及び第五百十四条を除く。)(特別清算)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による日本にある外国銀行支店の財産についての清算について準用する。
4  第四条第一項の免許を受けた外国銀行については、会社法第八百二十条 (日本に住所を有する日本における代表者の退任)の規定は、適用しない。
5  外国銀行支店に対する会社法第八百二十二条第一項 (日本にある外国会社の財産についての清算)の規定の適用については、同項 中「利害関係人」とあるのは、「利害関係人若しくは内閣総理大臣」とする。

(外国銀行の駐在員事務所の設置の届出等)
第五十二条  外国銀行(外国銀行が外国銀行支店を設けている場合は、当該外国銀行支店。以下この条において同じ。)は、次に掲げる業務を行うため、日本において駐在員事務所その他の施設を設置しようとする場合(他の目的により設置している事務所その他の施設において当該業務を行おうとする場合を含む。)には、あらかじめ、当該業務の内容、当該業務を行う施設の所在地その他内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  銀行の業務に関する情報の収集又は提供
二  その他銀行の業務に関連を有する業務
2  内閣総理大臣は、公益上必要があると認めるときは、外国銀行に対し、前項の施設において行う同項各号に掲げる業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。
3  外国銀行は、その設置した第一項の施設を廃止したとき、当該施設において行う同項各号に掲げる業務を廃止したときその他同項の規定により届け出た事項を変更したときは、遅滞なくその旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

(外国銀行代理業務に係る認可等)
第五十二条の二  銀行は、第十条第二項第八号の二に掲げる業務(次条第二号から第四号までを除き、以下「外国銀行代理業務」という。)を営もうとするときは、当該外国銀行代理業務の委託を受ける旨の契約の相手方である外国銀行(次条第二号から第四号までを除き、以下「所属外国銀行」という。)ごとに、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2  前項の規定は、銀行が当該銀行の子会社である外国銀行その他の内閣府令で定める外国銀行を所属外国銀行として外国銀行代理業務を営もうとするときは、適用しない。この場合において、当該銀行は、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行ごとに、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣に届け出なければならない。

(外国銀行の免許に関する特例)
第五十二条の二の二  次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める業務(第十条第一項第一号又は第三号に掲げる業務に限る。)については、第四条第一項及び第四十七条第一項の規定は、適用しない。
一  銀行が、前条第一項の認可を受け、又は同条第二項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行の当該外国銀行代理業務に係る業務
二  長期信用銀行が、長期信用銀行法第六条の三第一項 (外国銀行代理業務に係る認可等)の認可を受け、又は同条第二項 の規定による届出をして外国銀行代理業務(同条第一項 に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条第一項 に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務
三  信用金庫連合会が、信用金庫法第五十四条の二 (外国銀行代理業務に係る届出)の規定による届出をして外国銀行代理業務(同条 に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条 に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務
四  農林中央金庫が、農林中央金庫法第五十九条の四 (外国銀行代理業務に係る届出)の規定による届出をして外国銀行代理業務(同条 に規定する外国銀行代理業務をいう。)を営んでいる場合 当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(同条 に規定する所属外国銀行をいう。)の当該外国銀行代理業務に係る業務

(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 の特例) 第五十二条の二の三  銀行が、第五十二条の二第一項の認可を受け、又は同条第二項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合には、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行が業としてする預り金(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 (昭和二十九年法律第百九十五号)第二条第二項 (預り金の禁止)に規定する預り金をいう。)であつて当該外国銀行代理業務に係るものについては、同法第二条第一項 の規定は、適用しない。

(貸金業法 の特例) 第五十二条の二の四  銀行が、第五十二条の二第一項の認可を受け、又は同条第二項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる場合には、当該外国銀行代理業務に係る所属外国銀行が業として行う貸付け(貸金業法 (昭和五十八年法律第三十二号)第二条第一項 (定義)に規定する貸付けをいう。)であつて当該外国銀行代理業務に係るものについては、同法第二条第一項 に規定する貸金業に該当しないものとみなす。

(外国銀行代理銀行についての金融商品取引法 の準用) 第五十二条の二の五  金融商品取引法第三章第一節第五款 (第三十四条の二第六項から第八項まで(特定投資家が特定投資家以外の顧客とみなされる場合)並びに第三十四条の三第五項及び第六項(特定投資家以外の顧客である法人が特定投資家とみなされる場合)を除く。)(特定投資家)、同章第二節第一款 (第三十五条から第三十六条の四まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲、第二種金融商品取引業又は投資助言・代理業のみを行う者の兼業の範囲、顧客に対する誠実義務、標識の掲示、名義貸しの禁止、社債の管理の禁止等)、第三十七条第一項第二号(広告等の規制)、第三十七条の二(取引態様の事前明示義務)、第三十七条の三第一項第二号及び第六号並びに第三項(契約締結前の書面の交付)、第三十七条の五から第三十七条の七まで(保証金の受領に係る書面の交付、書面による解除、指定紛争解決機関との契約締結義務等)、第三十八条第一号及び第二号並びに第三十八条の二(禁止行為)、第三十九条第三項ただし書及び第五項(損失補てん等の禁止)並びに第四十条の二から第四十条の五まで(最良執行方針等、分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止、特定投資家向け有価証券の売買等の制限、特定投資家向け有価証券に関する告知義務)を除く。)(通則)及び第四十五条 (第三号及び第四号を除く。)(雑則)の規定は、外国銀行代理銀行(第五十二条の二第一項の認可を受け、又は同条第二項の規定による届出をして外国銀行代理業務を営んでいる銀行をいう。以下同じ。)が行う外国銀行代理業務に係る特定預金等契約の締結の代理又は媒介について準用する。この場合において、これらの規定中「金融商品取引契約」とあるのは「特定預金等契約」と、「金融商品取引業」とあるのは「特定預金等契約の締結の代理又は媒介の業務」と、「締結の勧誘又は締結」とあるのは「締結の勧誘又は締結の代理若しくは媒介」と、これらの規定(同法第三十四条 の規定を除く。)中「金融商品取引行為」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同法第三十四条 中「顧客を相手方とし、又は顧客のために金融商品取引行為(第二条第八項各号に掲げる行為をいう。以下同じ。)を行うことを内容とする契約」とあるのは「銀行法第十三条の四に規定する特定預金等契約」と、「を過去に当該特定投資家との間で締結」とあるのは「の締結の代理又は媒介を過去に当該特定投資家との間で」と、「を締結する」とあるのは「の締結の代理又は媒介をする」と、同法第三十四条の二第五項第二号及び第三十四条の三第四項第二号中「締結する」とあるのは「締結の代理又は媒介をする」と、同条第二項第四号イ中「と対象契約」とあるのは「による代理若しくは媒介により対象契約」と、同法第三十七条の三第一項中「を締結しようとするとき」とあるのは「の締結の代理又は媒介を行うとき」と、「交付しなければならない」とあるのは「交付するほか、預金者等(銀行法第二条第五項に規定する預金者等をいう。以下この項において同じ。)の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、当該特定預金等契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない」と、同項第一号中「金融商品取引業者等」とあるのは「外国銀行代理銀行(銀行法第五十二条の二の五に規定する外国銀行代理銀行をいう。)の所属外国銀行(同法第五十二条の二第一項に規定する所属外国銀行をいう。)」と、同法第三十九条第一項第一号中「有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)」とあるのは「特定預金等契約」と、「顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項 の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあつては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは「顧客」と、「補足するため」とあるのは「補足するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第二号 及び第三号 中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定預金等契約」と、同項第二号 中「追加するため」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第三号 中「追加するため、」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同条第二項中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同条第三項中「原因となるものとして内閣府令で定めるもの」とあるのは「原因となるもの」と、同法第四十五条第二号 中「第三十七条の二 から第三十七条の六 まで、第四十条の二第四項及び第四十三条の四」とあるのは「第三十七条の三(第一項の書面の交付に係る部分に限り、同項第二号及び第六号並びに第三項を除く。)及び第三十七条の四」と、「締結した」とあるのは「締結の代理若しくは媒介をした」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

(所属外国銀行に係る説明書類等の縦覧)
第五十二条の二の六  外国銀行代理銀行は、内閣府令で定めるところにより、その所属外国銀行及びその所属外国銀行を子会社とする持株会社で外国の法令に準拠して設立された会社(以下この項において「外国銀行持株会社」という。)がその事業年度ごとに作成した書面であつて、当該所属外国銀行又は当該外国銀行持株会社の業務及び財産の状況に関する事項を記載したもの(第二十一条第一項及び第二項並びに第五十二条の二十九第一項に規定する事業年度に係る説明書類又はこれに類するものであつて、日本語又は英語により記載したものに限る。)を、当該所属外国銀行のために外国銀行代理業務を営む国内のすべての営業所(無人の営業所を除く。次項において同じ。)に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2  前項に規定する書面が電磁的記録をもつて作成されているときは、外国銀行代理業務を営むすべての営業所において、当該書面の内容である情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項に規定する書面を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。

(外国銀行代理業務の健全化措置) 第五十二条の二の七  外国銀行代理銀行は、内閣府令で定めるところにより、その所属外国銀行の業務又は財産の状況に関する事項の顧客への説明その他の当該外国銀行代理銀行が営む外国銀行代理業務の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。

(所属外国銀行に関する資料の提出等) 第五十二条の二の八  内閣総理大臣は、外国銀行代理業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、外国銀行代理銀行に対し、その所属外国銀行(当該所属外国銀行と政令で定める特殊の関係のある者を含む。)の業務又は財産の状況に関する報告又は資料の提出を求めることができる。

(所属外国銀行に関する届出等)
第五十二条の二の九  外国銀行代理銀行は、その所属外国銀行(外国銀行代理銀行(外国銀行支店に限る。)が営む外国銀行代理業務に係る所属外国銀行(当該外国銀行支店に係る外国銀行に限る。)を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  資本金又は出資の額を変更したとき。
二  商号又は本店の所在地を変更したとき。
三  合併をし、会社分割により事業を承継させ、若しくは承継し、又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(当該外国銀行支店のみに係るものを除く。)をしたとき。
四  解散(合併によるものを除く。)をし、又は銀行業の廃止をしたとき。
五  銀行業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を取り消されたとき。
六  破産手続開始の決定があつたとき。
七  その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
2  外国銀行代理銀行は、前項(第二号から第六号までに係る部分に限る。)の規定による届出をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その届出をした内容を公告するとともに、一月を下らない期間、当該届出に係る所属外国銀行に係る外国銀行代理業務を営む当該外国銀行代理銀行のすべての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。

(準用) 第五十二条の二の十  第五十二条の四十、第五十二条の四十一、第五十二条の四十三から第五十二条の四十五(第四号を除く。)まで、第五十二条の四十九及び第五十二条の五十第一項の規定は、銀行代理業者に係るものにあつては外国銀行代理銀行について、所属銀行に係るものにあつては所属外国銀行について、銀行代理業に係るものにあつては外国銀行代理業務について、それぞれ準用する。この場合において、第五十二条の四十五第五号中「所属銀行の業務」とあるのは、「外国銀行代理業務」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第一節 通則


(銀行等の議決権保有に係る届出書の提出)
第五十二条の二の十一  一の銀行の総株主の議決権の百分の五を超える議決権又は一の銀行持株会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権の保有者(国、地方公共団体その他これらに準ずるものとして政令で定める法人(第五十二条の九において「国等」という。)を除く。以下この章及び第九章において「銀行議決権大量保有者」という。)は、内閣府令で定めるところにより、銀行議決権大量保有者となつた日から五日(日曜日その他政令で定める休日の日数は、算入しない。次条第一項において同じ。)以内(保有する議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合にあつては、内閣府令で定める日以内)に、次に掲げる事項を記載した届出書(以下この章において「銀行議決権保有届出書」という。)を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  議決権保有割合(銀行議決権大量保有者の保有する当該銀行議決権大量保有者がその総株主の議決権の百分の五を超える数の株式の保有者である銀行又は銀行持株会社の議決権の数を、当該銀行又は当該銀行持株会社の総株主の議決権で除して得た割合をいう。以下この章において同じ。)に関する事項、取得資金に関する事項、保有の目的その他の銀行又は銀行持株会社の議決権の保有に関する重要な事項として内閣府令で定める事項
二  商号、名称又は氏名及び住所
三  法人である場合においては、その資本金の額(出資総額を含む。)及びその代表者の氏名
四  事業を行つているときは、営業所の名称及び所在地並びにその事業の種類
2  第二条第十一項の規定は、前項の場合において銀行議決権大量保有者が保有する議決権について準用する。

(銀行議決権保有届出書に関する変更報告書の提出)
第五十二条の三  銀行議決権大量保有者は、一の銀行の総株主の議決権の百分の五を超える議決権又は一の銀行持株会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権の保有者となつた日の後に、前条第一項各号に掲げる事項の変更があつた場合(議決権保有割合の変更の場合にあつては、百分の一以上増加し又は減少した場合に限る。)には、内閣府令で定めるところにより、その日から五日以内(保有する議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合にあつては、内閣府令で定める日以内)に、当該変更に係る報告書(以下この条及び次条において「変更報告書」という。)を内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、議決権保有割合が百分の一以上減少したことによる変更報告書で当該変更報告書に記載された議決権保有割合が百分の五以下であるものを既に提出している場合その他の内閣府令で定める場合については、この限りでない。
2  議決権保有割合が減少したことにより変更報告書を提出する者は、短期間に大量の議決権を譲渡したものとして政令で定める基準に該当する場合においては、内閣府令で定めるところにより、譲渡の相手方及び対価に関する事項についても当該変更報告書に記載しなければならない。
3  銀行議決権保有届出書又は変更報告書(以下この節において「提出書類」という。)を提出する日の前日までに、新たに変更報告書を提出しなければならない事由が生じた場合には、当該変更報告書は、第一項本文の規定にかかわらず、提出されていない当該提出書類の提出と同時に内閣総理大臣に提出しなければならない。
4  提出書類を提出した者は、当該提出書類に記載された内容が事実と相違し、又は記載すべき事項若しくは誤解を生じさせないために必要な事実の記載が不十分であり、若しくは欠けていると認めるときは、訂正報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
5  第二条第十一項の規定は、第一項及び第二項の場合において銀行議決権大量保有者が保有する議決権について準用する。

(銀行議決権保有届出書等に関する特例)
第五十二条の四  銀行、金融商品取引業者(有価証券関連業を営む者に限る。)、信託会社(信託業法第三条 又は第五十三条第一項 の免許を受けたものに限る。)その他の内閣府令で定める者のうち基準日を内閣総理大臣に届け出た者が保有する議決権で当該議決権に係る株式の発行者である銀行又は銀行持株会社の営業活動を支配することを保有の目的としないもの(議決権保有割合が内閣府令で定める数を超えた場合及び保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合を除く。以下この条において「特例対象議決権」という。)に係る銀行議決権保有届出書は、第五十二条の二の十一第一項の規定にかかわらず、議決権保有割合が初めて百分の五を超える数となつた基準日における当該議決権の保有状況に関する事項であつて、内閣府令で定めるものを記載したものを、内閣府令で定めるところにより、当該基準日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2  特例対象議決権に係る変更報告書(当該議決権が特例対象議決権以外の議決権になる場合の変更に係るものを除く。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  前項の銀行議決権保有届出書に係る基準日の後の基準日における議決権保有割合が当該銀行議決権保有届出書に記載された議決権保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の同項に規定する内閣府令で定めるものの重要な変更があつた場合 当該後の基準日の属する月の翌月十五日
二  当該銀行議決権保有届出書に係る基準日の属する月の後の月の末日において議決権保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として内閣府令で定める基準に該当することとなつた場合 当該末日の属する月の翌月十五日
三  変更報告書に係る基準日の後の基準日における議決権保有割合が当該変更報告書に記載された議決権保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の前項に規定する内閣府令で定めるものの重要な変更があつた場合 当該後の基準日の属する月の翌月十五日
四  前三号に準ずる場合として内閣府令で定める場合 内閣府令で定める日
3  前二項の基準日とは、第一項に規定する内閣府令で定める者が内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に届出をした三月ごとの月の末日をいう。
4  第二条第十一項の規定は、第一項及び第二項の場合において銀行議決権大量保有者が保有する特例対象議決権について準用する。

(訂正報告書の提出命令) 第五十二条の五  内閣総理大臣は、第五十二条の二の十一第一項、第五十二条の三第一項若しくは第三項又は前条第一項若しくは第二項の規定により提出書類の提出を受けた場合において、当該提出書類に形式上の不備があり、又は当該提出書類に記載すべき事項のうち重要なものの記載が不十分であると認めるときは、当該提出書類の提出をした者に対し、訂正報告書の提出を命ずることができる。この場合においては、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第十三条第一項 (不利益処分をしようとする場合の手続)の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

第五十二条の六  内閣総理大臣は、提出書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき事項のうち重要なもの若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けていることを発見したときは、いつでも、当該提出書類の提出をした者に対し、訂正報告書の提出を命ずることができる。この場合においては、行政手続法第十三条第一項 (不利益処分をしようとする場合の手続)の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

(銀行議決権大量保有者による報告又は資料の提出) 第五十二条の七  内閣総理大臣は、提出書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき事項のうち重要なもの若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けている疑いがあると認めるときは、当該提出書類を提出した銀行議決権大量保有者に対し、当該提出書類に記載すべき事項又は誤解を生じさせないために必要な事実に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。

(銀行議決権大量保有者に対する立入検査)
第五十二条の八  内閣総理大臣は、提出書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき事項のうち重要なもの若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けている疑いがあると認めるときは、当該職員に当該提出書類を提出した銀行議決権大量保有者の事務所その他の施設に立ち入らせ、当該提出書類に記載すべき事項若しくは誤解を生じさせないために必要な事実に関し質問させ、又は当該銀行議決権大量保有者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2  前項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3  第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
    第二節 銀行主要株主に係る特例

     第一款 通則


(銀行主要株主に係る認可等)
第五十二条の九  次に掲げる取引若しくは行為により一の銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になろうとする者又は銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である会社その他の法人の設立をしようとする者(国等並びに第五十二条の十七第一項に規定する持株会社になろうとする会社、同項に規定する者及び銀行を子会社としようとする銀行持株会社を除く。)は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
一  当該議決権の保有者になろうとする者による銀行の議決権の取得(担保権の実行による株式の取得その他の内閣府令で定める事由によるものを除く。)
二  当該議決権の保有者になろうとする者がその主要株主基準値以上の数の議決権を保有している会社による第四条第一項の免許の取得
三  その他政令で定める取引又は行為
2  前項各号に掲げる取引又は行為以外の事由により一の銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になつた者(国等並びに銀行持株会社及び第五十二条の十七第二項に規定する特定持株会社を除く。以下この条及び第六十五条において「特定主要株主」という。)は、当該事由の生じた日の属する当該銀行の事業年度の終了の日から一年を経過する日(以下この項及び第四項において「猶予期限日」という。)までに銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。ただし、当該特定主要株主が、猶予期限日後も引き続き銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。
3  特定主要株主は、前項の規定による措置により銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなつたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。当該措置によることなく銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなつたときも、同様とする。
4  内閣総理大臣は、第一項の認可を受けずに同項各号に掲げる取引若しくは行為により銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になつた者若しくは銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者として設立された会社その他の法人又は第二項ただし書の認可を受けることなく猶予期限日後も銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である者に対し、当該銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講ずることを命ずることができる。

第五十二条の十  内閣総理大臣は、前条第一項又は第二項ただし書の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  当該認可の申請をした者(以下この条において「申請者」という。)が会社その他の法人である場合又は当該認可を受けて会社その他の法人が設立される場合にあつては、次に掲げる基準に適合すること。
イ 取得資金に関する事項、保有の目的その他の当該申請者又は当該認可を受けて設立される会社その他の法人(以下この号において「法人申請者等」という。)による銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有に関する事項に照らして、当該法人申請者等がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
ロ 法人申請者等及びその子会社(子会社となる会社を含む。)の財産及び収支の状況に照らして、当該法人申請者等がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
ハ 法人申請者等が、その人的構成等に照らして、銀行の業務の公共性に関し十分な理解を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
二  前号に掲げる場合以外の場合にあつては、次に掲げる基準に適合すること。
イ 取得資金に関する事項、保有の目的その他の当該申請者による銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有に関する事項に照らして、当該申請者がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
ロ 当該申請者の財産の状況(当該申請者が事業を行う者である場合においては、収支の状況を含む。)に照らして、当該申請者がその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であり、又はその主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないこと。
ハ 当該申請者が、銀行の業務の公共性に関し十分な理解を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
     第二款 監督


(銀行主要株主による報告又は資料の提出)
第五十二条の十一  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である銀行主要株主に対し、当該銀行の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。

(銀行主要株主に対する立入検査)
第五十二条の十二  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である銀行主要株主の事務所その他の施設に立ち入らせ、当該銀行若しくは当該銀行主要株主の業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は当該銀行主要株主の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2  前項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3  第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(銀行主要株主に対する措置命令) 第五十二条の十三  内閣総理大臣は、銀行主要株主が第五十二条の十各号に掲げる基準(当該銀行主要株主に係る第五十二条の九第一項又は第二項ただし書の認可に第五十四条第一項の規定に基づく条件が付されている場合にあつては、当該条件を含む。)に適合しなくなつたときは、当該銀行主要株主に対し、措置を講ずべき期限を示して、当該基準に適合させるために必要な措置をとるべき旨の命令をすることができる。

(銀行主要株主に対する改善計画の提出の求め等)
第五十二条の十四  内閣総理大臣は、銀行主要株主(銀行の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者に限る。以下この条において同じ。)の業務又は財産の状況(銀行主要株主が会社その他の法人である場合にあつては、当該銀行主要株主の子会社その他の当該銀行主要株主と内閣府令で定める特殊の関係のある会社の財産の状況を含む。)に照らして、当該銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該銀行主要株主に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該銀行の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において監督上必要な措置を命ずることができる。
2  内閣総理大臣は、銀行主要株主に対し前項の規定による命令をした場合において、当該命令に係る措置の実施の状況に照らして必要があると認めるときは、当該銀行主要株主がその総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者である銀行に対し、その業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な措置を命ずることができる。

(銀行主要株主に係る認可の取消し等)
第五十二条の十五  内閣総理大臣は、銀行主要株主が法令若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該銀行主要株主に対し監督上必要な措置を命じ、又は当該銀行主要株主の第五十二条の九第一項若しくは第二項ただし書の認可を取り消すことができる。この場合において、同条第一項の認可のうち設立に係るものは、当該認可を受けて設立された会社その他の法人である銀行主要株主に対して与えられているものとみなす。
2  銀行主要株主は、前項の規定により第五十二条の九第一項又は第二項ただし書の認可を取り消されたときは、内閣総理大臣が指定する期間内に銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
     第三款 雑則


(外国銀行主要株主に対する法律の適用関係)
第五十二条の十六  銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であつて外国人又は外国法人であるもの(以下この条において「外国銀行主要株主」という。)に対しこの法律を適用する場合における特例及び技術的読替えその他外国銀行主要株主に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
    第三節 銀行持株会社に係る特例

     第一款 通則


(銀行持株会社に係る認可等)
第五十二条の十七  次に掲げる取引若しくは行為により銀行を子会社とする持株会社になろうとする会社又は銀行を子会社とする持株会社の設立をしようとする者は、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
一  当該会社又はその子会社による銀行の議決権の取得(担保権の実行による株式の取得その他の内閣府令で定める事由によるものを除く。)
二  当該会社の子会社による第四条第一項の免許の取得
三  その他政令で定める取引又は行為
2  前項各号に掲げる取引又は行為以外の事由により銀行を子会社とする持株会社になつた会社(以下「特定持株会社」という。)は、当該事由の生じた日の属する事業年度経過後三月以内に、当該会社が銀行を子会社とする持株会社になつた旨その他の内閣府令で定める事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
3  特定持株会社は、前項の事由の生じた日の属する事業年度の終了の日から一年を経過する日(以下この項及び第五項において「猶予期限日」という。)までに銀行を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。ただし、当該特定持株会社が、猶予期限日後も引き続き銀行を子会社とする持株会社であることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。
4  特定持株会社は、前項の規定による措置により銀行を子会社とする持株会社でなくなつたときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。当該措置によることなく銀行を子会社とする持株会社でなくなつたときも、同様とする。
5  内閣総理大臣は、第一項の認可を受けずに同項各号に掲げる取引若しくは行為により銀行を子会社とする持株会社になつた会社若しくは銀行を子会社とする持株会社として設立された会社又は第三項ただし書の認可を受けることなく猶予期限日後も銀行を子会社とする持株会社である会社に対し、銀行を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講ずることを命ずることができる。

第五十二条の十八  内閣総理大臣は、前条第一項又は第三項ただし書の認可の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  当該認可の申請をした会社又は当該認可を受けて設立される会社(以下この条において「申請者等」という。)及びその子会社(子会社となる会社を含む。次号において同じ。)の収支の見込みが良好であること。
二  申請者等及びその子会社が保有する資産等に照らしこれらの者の自己資本の充実の状況が適当であること。
三  申請者等が、その人的構成等に照らして、その子会社であり、又はその子会社となる銀行の経営管理を的確かつ公正に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
2  銀行持株会社(外国の法令に準拠して設立されたものを除く。)は、株式会社であつて次に掲げる機関を置くものでなければならない。
一  取締役会
二  監査役会又は委員会
三  会計監査人

(銀行持株会社の取締役の兼職の制限等)
第五十二条の十九  銀行持株会社の常務に従事する取締役(委員会設置会社にあつては、執行役)は、内閣総理大臣の認可を受けた場合を除くほか、他の会社の常務に従事してはならない。
2  内閣総理大臣は、前項の認可の申請があつたときは、当該申請に係る事項が当該銀行持株会社の子会社である銀行の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがあると認める場合を除き、これを認可しなければならない。
3  破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者は、銀行持株会社の取締役、執行役又は監査役となることができない。
4  会社法第三百三十一条第二項 ただし書(取締役の資格等)(同法第三百三十五条第一項 (監査役の資格等)において準用する場合を含む。)、第三百三十二条第二項(取締役の任期)(同法第三百三十四条第一項 (会計参与の任期)において準用する場合を含む。)、第三百三十六条第二項(監査役の任期)及び第四百二条第五項ただし書(執行役の選任等)の規定は、銀行持株会社については、適用しない。
5  銀行持株会社は、持分会社の無限責任社員又は業務を執行する社員となることができない。

(銀行主要株主に係る規定の準用)
第五十二条の二十  第五十二条の十六の規定は、銀行を子会社とする持株会社であつて外国の法令に準拠して設立されたものについて準用する。
     第二款 業務及び子会社等


(銀行持株会社の業務範囲等)
第五十二条の二十一  銀行持株会社は、その子会社である銀行、第五十二条の二十三第一項各号に掲げる会社及び第五十二条の二十三の二第一項に規定する特例子会社対象会社の経営管理を行うこと並びにこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができない。
2  銀行持株会社は、その業務を営むに当たつては、その子会社である銀行の業務の健全かつ適切な運営の確保に努めなければならない。

(顧客の利益の保護のための体制整備)
第五十二条の二十一の二  銀行持株会社は、その子会社である銀行、当該銀行持株会社の子会社である銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行持株会社の親金融機関等若しくは子金融機関等が行う取引に伴い、当該銀行持株会社の子会社である銀行、当該銀行持株会社の子会社である銀行を所属銀行とする銀行代理業者又は当該銀行持株会社の子金融機関等が行う業務(銀行業、銀行代理業その他の内閣府令で定める業務に限る。)に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう、内閣府令で定めるところにより、当該業務に関する情報を適正に管理し、かつ、当該業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。
2  前項の「親金融機関等」とは、銀行持株会社の総株主の議決権の過半数を保有している者その他の当該銀行持株会社と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、銀行、金融商品取引業者、保険会社その他政令で定める金融業を行う者をいう。
3  第一項の「子金融機関等」とは、銀行持株会社が総株主等の議決権の過半数を保有している者その他の当該銀行持株会社と密接な関係を有する者として政令で定める者のうち、銀行(当該銀行持株会社の子会社である銀行を除く。)、金融商品取引業者、保険会社その他政令で定める金融業を行う者をいう。

(銀行持株会社に係る同一人に対する信用の供与等)
第五十二条の二十二  銀行持株会社又はその子会社等(当該銀行持株会社の子会社(内閣府令で定める会社を除く。)その他の当該銀行持株会社と内閣府令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条において同じ。)の同一人(当該同一人と政令で定める特殊の関係のある者を含む。以下この条において同じ。)に対する信用の供与等(信用の供与又は出資として政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の額は、政令で定める区分ごとに、合算して、当該銀行持株会社及びその子会社等の自己資本の純合計額に政令で定める率を乗じて得た額(以下この条において「銀行持株会社に係る信用供与等限度額」という。)を超えてはならない。ただし、信用の供与等を受けている者が合併をし、共同新設分割若しくは吸収分割をし、又は営業を譲り受けたことにより銀行持株会社又はその子会社等の同一人に対する信用の供与等の額が合算して銀行持株会社に係る信用供与等限度額を超えることとなる場合その他政令で定めるやむを得ない理由がある場合において、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2  前項の規定は、国及び地方公共団体に対する信用の供与、政府が元本の返済及び利息の支払について保証している信用の供与その他これらに準ずるものとして政令で定める信用の供与等については、適用しない。
3  第一項の場合において、銀行持株会社又はその子会社等の同一人に対する信用の供与等の合計額が銀行持株会社に係る信用供与等限度額を超えることとなつたときは、その超える部分の信用の供与等の額は、当該銀行持株会社の信用の供与等の額とみなす。
4  前三項に定めるもののほか、信用の供与等の額、第一項に規定する自己資本の純合計額及び銀行持株会社に係る信用供与等限度額の計算方法その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(銀行持株会社の子会社の範囲等)
第五十二条の二十三  銀行持株会社は、銀行及び次に掲げる会社(以下この条及び次条第二項において「子会社対象会社」という。)以外の会社を子会社としてはならない。
一  長期信用銀行
一の二  資金移動専門会社
二  証券専門会社
三  証券仲介専門会社
四  保険会社
四の二  少額短期保険業者
五  信託専門会社
六  銀行業を営む外国の会社
七  有価証券関連業を営む外国の会社(前号に掲げる会社に該当するものを除く。)
八  保険業を営む外国の会社(第六号に掲げる会社に該当するものを除く。)
九  信託業を営む外国の会社(第六号に掲げる会社に該当するものを除く。)
十  次に掲げる業務を専ら営む会社(イに掲げる業務を営む会社にあつては、主として当該銀行持株会社、その子会社(銀行並びに第一号、第一号の二及び第六号に掲げる会社に限る。第六項において同じ。)その他これらに類する者として内閣府令で定めるものの営む業務のためにその業務を営んでいる会社に限る。)
イ 銀行又は前各号に掲げる会社の営む業務に従属する業務として内閣府令で定めるもの(以下この条において「従属業務」という。)
ロ 第十六条の二第二項第二号に掲げる金融関連業務(当該銀行持株会社が証券専門会社、証券仲介専門会社及び有価証券関連業を営む外国の会社のいずれをも子会社としていない場合にあつては同項第三号に掲げる証券専門関連業務を、当該銀行持株会社が保険会社、少額短期保険業者及び保険業を営む外国の会社のいずれをも子会社としていない場合にあつては同項第四号に掲げる保険専門関連業務を、当該銀行持株会社が信託兼営銀行、信託専門会社及び信託業を営む外国の会社のいずれをも子会社としていない場合にあつては同項第五号に掲げる信託専門関連業務をそれぞれ除くものとする。)
十一  新たな事業分野を開拓する会社又は経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社(当該会社の議決権を、銀行持株会社又はその子会社のうち前号に掲げる会社で内閣府令で定めるもの(第五十二条の二十四第七項において「特定子会社」という。)以外の子会社が、合算して、同条第一項に規定する基準議決権数を超えて保有していないものに限る。)
十二  銀行又は前各号に掲げる会社のみを子会社とする持株会社で内閣府令で定めるもの(当該持株会社になることを予定している会社を含む。)
2  前項の規定は、子会社対象会社以外の会社が、銀行持株会社又はその子会社の担保権の実行による株式等の取得その他の内閣府令で定める事由により当該銀行持株会社の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該銀行持株会社は、その子会社となつた会社が当該事由の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
3  銀行持株会社は、子会社対象会社のうち、銀行又は第一項第一号から第十号まで若しくは第十二号に掲げる会社(従属業務又は銀行業に付随し、若しくは関連する業務として内閣府令で定めるものを専ら営む会社(従属業務を営む会社にあつては、主として当該銀行持株会社の子会社である銀行の営む業務のためにその業務を営んでいる会社に限る。)を除く。)(以下この条及び第五十二条の二十四第四項第四号において「子会社対象銀行等」という。)を子会社としようとするときは、第五十二条の三十五第一項から第三項までの規定により合併、会社分割又は事業の譲受けの認可を受ける場合を除き、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
4  前項の規定は、子会社対象銀行等が、銀行持株会社又はその子会社の担保権の実行による株式等の取得その他の内閣府令で定める事由により当該銀行持株会社の子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該銀行持株会社は、その子会社となつた子会社対象銀行等を引き続き子会社とすることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、当該子会社対象銀行等が当該事由の生じた日から一年を経過する日までに子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
5  第三項の規定は、銀行持株会社が、その子会社としている第一項各号に掲げる会社を当該各号のうち他の号に掲げる会社(子会社対象銀行等に限る。)に該当する子会社としようとするときについて準用する。
6  第一項第十号又は第三項の場合において、会社が主として銀行持株会社、その子会社その他これらに類する者として内閣府令で定めるもの又は銀行持株会社の子会社である銀行の営む業務のために従属業務を営んでいるかどうかの基準は、内閣総理大臣が定める。

(銀行持株会社の子会社の範囲等の特例)
第五十二条の二十三の二  銀行持株会社は、前条第一項の規定にかかわらず、次に掲げる会社(以下「特例子会社対象会社」という。)を子会社(当該銀行持株会社の子会社である銀行の子会社を除く。以下「持株特定子会社」という。)とすることができる。
一  特例子会社対象業務を専ら営む会社(次に掲げる会社を除く。)
イ 前条第一項第十号イ又はロに掲げる業務を専ら営む会社(同号イに掲げる業務(次項において「従属業務」という。)を営む会社に限る。)であつて、主として当該銀行持株会社、その子会社(銀行並びに同条第一項第一号及び第六号に掲げる会社に限る。)その他これらに類する者として内閣府令で定めるものの営む業務のためにその業務を営んでいる会社
ロ 前条第一項第十一号に掲げる会社
二  前条第一項各号(第十一号を除く。)に掲げる会社が営むことができる業務及び特例子会社対象業務を専ら営む会社(前号ロに掲げる会社を除く。)
2  前項各号の「特例子会社対象業務」とは、子会社対象会社(前条第一項第十一号に掲げる会社を除く。)が営むことができる業務(従属業務を除く。以下この項において「特定業務」という。)以外の業務であつて、第十条第二項第十四号に規定する金融等デリバティブ取引に係る同号に規定する商品の売買その他の特定業務に準ずるものとして内閣府令で定めるものをいう。
3  銀行持株会社は、第一項の規定により特例子会社対象会社を持株特定子会社としようとするときは、あらかじめ、当該持株特定子会社が営もうとする特例子会社対象業務(前項に規定する特例子会社対象業務をいう。以下この条及び第六十五条第十七号において同じ。)を定めて、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
4  銀行持株会社は、第一項の規定により特例子会社対象会社を持株特定子会社としている場合には、当該持株特定子会社が、その営む特例子会社対象業務につき当該特例子会社対象業務の内容その他の事情を勘案し、当該銀行持株会社の子会社である銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要と認められる要件として内閣府令で定めるものを満たすために必要な措置を講じなければならない。
5  第三項の規定は、特例子会社対象会社が、前条第四項に規定する内閣府令で定める事由により銀行持株会社の持株特定子会社となる場合には、適用しない。ただし、当該銀行持株会社は、その持株特定子会社となつた特例子会社対象会社を引き続き持株特定子会社とすることについて内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、当該特例子会社対象会社が当該事由の生じた日から一年を経過する日までに持株特定子会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
6  第三項の規定は、銀行持株会社が、その持株特定子会社としている特例子会社対象会社を同項の認可に係る特例子会社対象業務以外の特例子会社対象業務を営む持株特定子会社としようとするときについて準用する。
7  第四項の規定は、第五項本文に規定する場合(同項ただし書の規定により内閣総理大臣の認可を受けて持株特定子会社となつた特例子会社対象会社を引き続き持株特定子会社とする場合を除く。)には、適用しない。

(銀行持株会社等による議決権の取得等の制限)
第五十二条の二十四  銀行持株会社又はその子会社は、国内の会社(銀行、第五十二条の二十三第一項第一号から第五号まで、第十号及び第十二号に掲げる会社並びに特例子会社対象会社を除く。以下この条において同じ。)の議決権については、合算して、その基準議決権数(当該国内の会社の総株主等の議決権に百分の十五を乗じて得た議決権の数をいう。以下この条において同じ。)を超える議決権を取得し、又は保有してはならない。
2  前項の規定は、銀行持株会社又はその子会社が、担保権の実行による議決権の取得その他の内閣府令で定める事由により、国内の会社の議決権をその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなる場合には、適用しない。ただし、当該銀行持株会社又はその子会社は、合算してその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなつた部分の議決権については、当該銀行持株会社があらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた場合を除き、その取得し、又は保有することとなつた日から一年を超えてこれを保有してはならない。
3  前項ただし書の場合において、内閣総理大臣がする同項の承認の対象には、銀行持株会社又はその子会社が国内の会社の議決権を合算してその総株主等の議決権の百分の五十を超えて取得し、又は保有することとなつた議決権のうち当該百分の五十を超える部分の議決権は含まれないものとし、内閣総理大臣が当該承認をするときは、銀行持株会社又はその子会社が合算してその基準議決権数を超えて取得し、又は保有することとなつた議決権のうちその基準議決権数を超える部分の議決権を速やかに処分することを条件としなければならない。
4  銀行持株会社又はその子会社は、次の各号に掲げる場合には、第一項の規定にかかわらず、当該各号に定める日に保有し、又は保有することとなる国内の会社の議決権がその基準議決権数を超える場合であつても、同日以後、当該議決権をその基準議決権数を超えて保有することができる。ただし、内閣総理大臣は、銀行持株会社又はその子会社が、次の各号に掲げる場合に国内の会社の議決権を合算してその総株主等の議決権の百分の五十を超えて保有し、又は保有することとなるときは、当該各号に規定する認可をしてはならない。
一  第五十二条の十七第一項の認可を受けた会社が当該銀行持株会社になつたとき。 その銀行持株会社になつた日
二  第五十二条の十七第一項の認可を受けて当該銀行持株会社が設立されたとき。 その設立された日
三  特定持株会社が第五十二条の十七第三項ただし書の認可を受けて当該銀行持株会社になつたとき。 その認可を受けた日
四  第五十二条の二十三第三項の認可を受けて当該銀行持株会社が子会社対象銀行等を子会社としたとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その子会社とした日
五  当該銀行持株会社が第五十二条の三十五第一項の認可を受けて合併をしたとき(当該銀行持株会社が存続する場合に限る。)。 その合併をした日
六  当該銀行持株会社が第五十二条の三十五第二項の認可を受けて吸収分割により事業を承継したとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その吸収分割をした日
七  当該銀行持株会社が第五十二条の三十五第三項の認可を受けて事業の譲受けをしたとき(内閣府令で定める場合に限る。)。 その事業の譲受けをした日
5  内閣総理大臣は、前項各号に規定する認可をするときは、当該各号に定める日に銀行持株会社又はその子会社が合算してその基準議決権数を超えて保有し、又は保有することとなる国内の会社の議決権のうちその基準議決権数を超える部分の議決権を、同日から五年を経過する日までに内閣総理大臣が定める基準に従つて処分することを条件としなければならない。
6  銀行持株会社又はその子会社が、国内の会社の議決権を合算してその基準議決権数を超えて保有することとなつた場合には、その超える部分の議決権は、当該銀行持株会社が取得し、又は保有するものとみなす。
7  前各項の場合において、新たな事業分野を開拓する会社又は経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社として内閣府令で定める会社の議決権の取得又は保有については、特定子会社は、銀行持株会社の子会社に該当しないものとみなす。
8  第二条第十一項の規定は、前各項の場合において銀行持株会社又はその子会社が取得し、又は保有する議決権について準用する。

(銀行持株会社に係る銀行の経営の健全性の確保)
第五十二条の二十五  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全な運営に資するため、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社その他の当該銀行持株会社と内閣府令で定める特殊の関係のある会社(以下この節において「子会社等」という。)の保有する資産等に照らし当該銀行持株会社及びその子会社等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかその他銀行持株会社及びその子会社等の経営の健全性を判断するための基準であつて、銀行の経営の健全性の判断のために参考となるべきものを定めることができる。
     第三款 経理


(銀行持株会社の事業年度)
第五十二条の二十六  銀行持株会社の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。

(銀行持株会社に係る業務報告書等)
第五十二条の二十七  銀行持株会社は、事業年度ごとに、当該銀行持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況を連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る中間業務報告書及び当該事業年度に係る業務報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2  中間業務報告書及び業務報告書の記載事項、提出期日その他これらの報告書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(銀行持株会社に係る貸借対照表等の公告等)
第五十二条の二十八  銀行持株会社は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、当該銀行持株会社及びその子会社等につき連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「中間連結貸借対照表等」という。)並びに当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「連結貸借対照表等」という。)を作成しなければならない。
2  中間連結貸借対照表等及び連結貸借対照表等は、電磁的記録をもつて作成することができる。
3  銀行持株会社は、内閣府令で定めるところにより、その中間事業年度経過後三月以内に中間連結貸借対照表等を、その事業年度経過後三月以内に連結貸借対照表等を公告しなければならない。ただし、やむを得ない理由により当該三月以内にこれらの書類の公告をすることができない場合には、内閣総理大臣の承認を受けて、当該公告を延期することができる。
4  前項の規定にかかわらず、その公告方法が第五十七条第一号に掲げる方法である銀行持株会社は、内閣府令で定めるところにより、中間連結賃借対照表等及び連結貸借対照表等の要旨を公告することで足りる。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。
5  前項に規定する銀行持株会社は、内閣府令で定めるところにより、その中間事業年度経過後三月以内に中間連結貸借対照表等を、その事業年度経過後三月以内に連結貸借対照表等の内容である情報を、五年間継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。この場合においては、第三項の規定による公告をしたものとみなす。

(銀行持株会社に係る業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等)
第五十二条の二十九  銀行持株会社は、事業年度ごとに、当該銀行持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを当該銀行持株会社及び当該子会社等につき連結して記載した当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類を作成し、当該銀行持株会社の子会社である銀行の営業所(無人の営業所その他の内閣府令で定める営業所を除く。第三項において同じ。)に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。前条第一項の規定により作成した書類についても、同様とする。
2  前項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類は、電磁的記録をもつて作成することができる。
3  第一項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、銀行持株会社の子会社である銀行の営業所において、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項前段に規定する中間事業年度に係る説明書類及び事業年度に係る説明書類又は同項後段に規定する書類を同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。
4  前三項に定めるもののほか、第一項前段の当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類又は同項後段の書類を公衆の縦覧に供する期間その他これらの規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
5  銀行持株会社は、前各項に規定する事項のほか、当該銀行持株会社の子会社である銀行の預金者その他の顧客が当該銀行持株会社及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。

(銀行持株会社の事業報告等の記載事項等)
第五十二条の三十  銀行持株会社が会社法第四百三十五条第二項 (計算書類等の作成及び保存)の規定により作成する銀行持株会社の事業報告及び附属明細書の記載事項又は記録事項は、内閣府令で定める。
     第四款 監督


(銀行持株会社等による報告又は資料の提出)
第五十二条の三十一  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該銀行を子会社とする銀行持株会社に対し、当該銀行の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
2  内閣総理大臣は、第二十四条第一項の規定により銀行に対して報告又は資料の提出を求め、及び前項の規定により当該銀行を子会社とする銀行持株会社に対して報告又は資料の提出を求める場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該銀行持株会社の子法人等(子会社その他銀行持株会社がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいい、当該銀行を除く。次項並びに次条第二項及び第五項において同じ。)又は当該銀行持株会社から業務の委託を受けた者に対し、当該銀行又は当該銀行持株会社の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。
3  銀行持株会社の子法人等又は当該銀行持株会社から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。

(銀行持株会社等に対する立入検査)
第五十二条の三十二  内閣総理大臣は、銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に当該銀行を子会社とする銀行持株会社の事務所その他の施設に立ち入らせ、当該銀行若しくは当該銀行持株会社の業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は当該銀行持株会社の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2  内閣総理大臣は、第二十五条第一項の規定による銀行に対する立入り、質問又は検査を行い、及び前項の規定による当該銀行を子会社とする銀行持株会社に対する立入り、質問又は検査を行う場合において、特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に当該銀行持株会社の子法人等若しくは当該銀行持株会社から業務の委託を受けた者の営業所その他の施設に立ち入らせ、当該銀行若しくは当該銀行持株会社に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3  前二項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4  第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5  前条第三項の規定は、第二項の規定による銀行持株会社の子法人等又は当該銀行持株会社から業務の委託を受けた者に対する質問及び検査について準用する。

(銀行持株会社に対する改善計画の提出の求め等)
第五十二条の三十三  内閣総理大臣は、銀行持株会社の業務又は銀行持株会社及びその子会社等の財産の状況に照らして、当該銀行持株会社の子会社である銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該銀行持株会社に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、当該銀行の経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求め、若しくは提出された改善計画の変更を命じ、又はその必要の限度において監督上必要な措置を命ずることができる。
2  前項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。次項において同じ。)であつて、銀行持株会社及びその子会社等の自己資本の充実の状況によつて必要があると認めるときにするものは、内閣府令・財務省令で定める銀行持株会社及びその子会社等の自己資本の充実の状況に係る区分に応じ内閣府令・財務省令で定めるものでなければならない。
3  内閣総理大臣は、銀行持株会社に対し第一項の規定による命令をした場合において、当該命令に係る措置の実施の状況に照らして特に必要があると認めるときは、当該銀行持株会社の子会社である銀行に対し、その業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な措置を命ずることができる。

(銀行持株会社に係る認可の取消し等)
第五十二条の三十四  内閣総理大臣は、銀行持株会社が法令、定款若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときは、当該銀行持株会社に対しその取締役、執行役、会計参与若しくは監査役の解任その他監督上必要な措置を命じ、若しくは当該銀行持株会社の第五十二条の十七第一項若しくは第三項ただし書の認可を取り消し、又は当該銀行持株会社の子会社である銀行に対しその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。この場合において、同条第一項の認可のうち設立に係るものは、当該認可を受けて設立された銀行持株会社に対して与えられているものとみなす。
2  銀行持株会社は、前項の規定により第五十二条の十七第一項又は第三項ただし書の認可を取り消されたときは、内閣総理大臣が指定する期間内に銀行を子会社とする持株会社でなくなるよう、所要の措置を講じなければならない。
3  前項に規定する措置が講じられた場合において、当該措置を講じた会社がなお銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であるときは、当該措置を講じた日を第五十二条の九第二項に規定する事由の生じた日とみなして、同項の規定を適用する。
4  内閣総理大臣は、銀行を子会社とする持株会社が次の各号のいずれかに該当する場合において必要があると認めるときは、当該持株会社の子会社である銀行に対し、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一  第五十二条の十七第一項の認可を受けずに同項各号に掲げる取引又は行為により銀行を子会社とする持株会社になつたもの
二  第五十二条の十七第一項の認可を受けずに銀行を子会社とする持株会社として設立されたもの
三  第五十二条の十七第三項ただし書の認可を受けることなく同項の猶予期限日後も銀行を子会社とする持株会社であるもの
四  第一項の規定により第五十二条の十七第一項又は第三項ただし書の認可を取り消された持株会社であつて、第二項の規定による措置を講ずることなく同項の内閣総理大臣が指定する期間後も銀行を子会社とする持株会社であるもの
     第五款 雑則


(銀行持株会社に係る合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可)
第五十二条の三十五  銀行持株会社を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併前に銀行持株会社であつた一の会社が当該合併後も銀行持株会社として存続するものに限る。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2  銀行持株会社を当事者とする会社分割(当該会社分割により事業を承継させた銀行持株会社又は当該会社分割により事業を承継した銀行持株会社が、その会社分割後も引き続き銀行持株会社であるものに限る。)は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
3  銀行持株会社を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け(当該事業の譲渡又は譲受けをした銀行持株会社が、その譲渡又は譲受け後も引き続き銀行持株会社であるものに限る。)は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4  第五十二条の十八第一項の規定は、前三項の認可の申請があつた場合について準用する。

 第一節 通則


(許可)
第五十二条の三十六  銀行代理業は、内閣総理大臣の許可を受けた者でなければ、営むことができない。
2  銀行代理業者は、所属銀行の委託を受け、又は所属銀行の委託を受けた銀行代理業者の再委託を受ける場合でなければ、銀行代理業を営んではならない。
3  銀行代理業者は、あらかじめ、所属銀行の許諾を得た場合でなければ、銀行代理業の再委託をしてはならない。

(許可の申請)
第五十二条の三十七  前条第一項の許可を受けようとする者(次条第一項及び第五十二条の四十二第四項において「申請者」という。)は、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  商号、名称又は氏名
二  法人であるときは、その役員の氏名
三  銀行代理業を営む営業所又は事務所の名称及び所在地
四  所属銀行の商号
五  他に業務を営むときは、その業務の種類
六  その他内閣府令で定める事項
2  前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一  法人であるときは、定款及び登記事項証明書(これらに準ずるものを含む。)
二  銀行代理業の業務の内容及び方法として内閣府令で定めるものを記載した書類
三  その他内閣府令で定める書類

(許可の基準)
第五十二条の三十八  内閣総理大臣は、第五十二条の三十六第一項の許可の申請があつたときは、申請者が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一  銀行代理業を遂行するために必要と認められる内閣府令で定める基準に適合する財産的基礎を有する者であること。
二  人的構成等に照らして、銀行代理業を的確、公正かつ効率的に遂行するために必要な能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。
三  他に業務を営むことによりその銀行代理業を適正かつ確実に営むことにつき支障を及ぼすおそれがあると認められない者であること。
2  内閣総理大臣は、前項の規定による審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第五十二条の三十六第一項の許可に銀行代理業の業務の内容その他の事項について条件を付し、及びこれを変更することができる。

(変更の届出)
第五十二条の三十九  銀行代理業者は、第五十二条の三十七第一項各号に掲げる事項に変更があつたときは、その日から二週間以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2  銀行代理業者は、第五十二条の三十七第二項第二号に掲げる書類に定めた事項を変更しようとするときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

(標識の掲示)
第五十二条の四十  銀行代理業者は、銀行代理業を営む営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、内閣府令で定める様式の標識を掲示しなければならない。
2  銀行代理業者以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。

(名義貸しの禁止)
第五十二条の四十一  銀行代理業者は、自己の名義をもつて、他人に銀行代理業を営ませてはならない。
    第二節 業務


(業務の範囲)
第五十二条の四十二  銀行代理業者は、銀行代理業及び銀行代理業に付随する業務のほか、内閣総理大臣の承認を受けた業務を営むことができる。
2  内閣総理大臣は、前項の承認の申請があつた場合には、当該申請に係る業務を営むことが銀行代理業を適正かつ確実に営むことについて支障を及ぼすおそれがあると認められるときに限り、承認しないことができる。
3  銀行代理業者は、第一項の規定により営む業務のほか、他の業務を営むことができない。
4  第五十二条の三十六第一項の許可の申請書に申請者が銀行代理業及び銀行代理業に付随する業務以外の業務を営む旨の記載がある場合において、当該申請者が当該許可を受けたときには、当該業務を営むことについて第一項の承認を受けたものとみなす。

(分別管理) 第五十二条の四十三  銀行代理業者は、第二条第十四項各号に掲げる行為(以下この章において「銀行代理行為」という。)に関して顧客から金銭その他の財産の交付を受けた場合には、内閣府令で定めるところにより、自己の固有財産と分別して管理しなければならない。

(顧客に対する説明等)
第五十二条の四十四  銀行代理業者は、銀行代理行為を行うときは、あらかじめ、顧客に対し、次に掲げる事項を明らかにしなければならない。
一  所属銀行の商号
二  第二条第十四項各号に規定する契約の締結を代理するか、又は媒介するかの別
三  その他内閣府令で定める事項
2  銀行代理業者は、第二条第十四項第一号に掲げる行為(特定預金等契約の締結の代理及び媒介を除く。)に関し、預金者等の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、預金又は定期積金等に係る契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない。
3  前二項及び第五十二条の四十五の二並びに他の法律に定めるもののほか、銀行代理業者は、内閣府令で定めるところにより、その銀行代理行為に係る重要な事項の顧客への説明、その銀行代理行為に関して取得した顧客に関する情報の適正な取扱いその他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。

(銀行代理業に係る禁止行為)
第五十二条の四十五  銀行代理業者は、銀行代理業に関し、次に掲げる行為(特定預金等契約の締結の代理又は媒介の業務に関しては、第五号に掲げる行為を除く。)をしてはならない。
一  顧客に対し、虚偽のことを告げる行為
二  顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為
三  顧客に対し、当該銀行代理業者又は当該銀行代理業者の子会社その他当該銀行代理業者と内閣府令で定める密接な関係を有する者(次号において「密接関係者」という。)の営む業務に係る取引を行うことを条件として、資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約の締結の代理又は媒介をする行為(顧客の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く。)
四  当該銀行代理業者の密接関係者に対し、取引の条件が所属銀行の取引の通常の条件に照らして当該所属銀行に不利益を与えるものであることを知りながら、その通常の条件よりも有利な条件で資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約の締結の代理又は媒介をする行為(所属銀行の業務の健全かつ適切な遂行に支障を及ぼすおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く。)
五  前各号に掲げるもののほか、顧客の保護に欠け、又は所属銀行の業務の健全かつ適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものとして内閣府令で定める行為

(銀行代理業者についての金融商品取引法 の準用) 第五十二条の四十五の二  金融商品取引法第三章第二節第一款 (第三十五条から第三十六条の四まで(第一種金融商品取引業又は投資運用業を行う者の業務の範囲、第二種金融商品取引業又は投資助言・代理業のみを行う者の兼業の範囲、顧客に対する誠実義務、標識の掲示、名義貸しの禁止、社債の管理の禁止等)、第三十七条第一項第二号(広告等の規制)、第三十七条の二(取引態様の事前明示義務)、第三十七条の三第一項第二号及び第六号並びに第三項(契約締結前の書面の交付)、第三十七条の五(保証金の受領に係る書面の交付)、第三十七条の六第一項、第二項、第四項ただし書及び第五項(書面による解除)、第三十七条の七(指定紛争解決機関との契約締結義務等)、第三十八条第一号及び第二号並びに第三十八条の二(禁止行為)、第三十九条第三項ただし書及び第五項(損失補てん等の禁止)並びに第四十条の二から第四十条の五まで(最良執行方針等、分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止、特定投資家向け有価証券の売買等の制限、特定投資家向け有価証券に関する告知義務)を除く。)(通則)の規定は、銀行代理業者が行う銀行代理業に係る特定預金等契約の締結の代理又は媒介について準用する。この場合において、これらの規定中「金融商品取引業」とあるのは「銀行法第十三条の四に規定する特定預金等契約の締結の代理又は媒介の業務」と、「金融商品取引行為」とあるのは「銀行法第十三条の四に規定する特定預金等契約の締結」と、これらの規定(同法第三十七条の六第三項の規定を除く。)中「金融商品取引契約」とあるのは「銀行法第十三条の四に規定する特定預金等契約」と、同法第三十七条の三第一項中「を締結しようとするとき」とあるのは「の締結の代理又は媒介を行うとき」と、「交付しなければならない」とあるのは「交付するほか、預金者等(銀行法第二条第五項に規定する預金者等をいう。以下この項において同じ。)の保護に資するため、内閣府令で定めるところにより、当該特定預金等契約の内容その他預金者等に参考となるべき情報の提供を行わなければならない」と、同項第一号中「金融商品取引業者等」とあるのは「銀行代理業者(銀行法第二条第十五項に規定する銀行代理業者をいう。)の所属銀行(同条第十六項に規定する所属銀行をいう。)」と、同法第三十七条の六第三項中「金融商品取引契約の解除があつた場合には」とあるのは「特定預金等契約(銀行法第十三条の四に規定する特定預金等契約をいう。第三十九条において同じ。)の解除に伴い銀行に損害賠償その他の金銭の支払をした場合において」と、「金融商品取引契約の解除までの期間に相当する手数料、報酬その他の当該金融商品取引契約に関して顧客が支払うべき対価(次項において「対価」という。)の額として内閣府令で定める金額を超えて当該金融商品取引契約の解除」とあるのは「支払」と、「又は違約金の支払を」とあるのは「その他の金銭の支払を、解除をした者に対し、」と、同法第三十九条第一項第一号中「有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)」とあるのは「特定預金等契約」と、「顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項 の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあつては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは「顧客」と、「補足するため」とあるのは「補足するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第二号 及び第三号 中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、「有価証券等」とあるのは「特定預金等契約」と、同項第二号 中「追加するため」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同項第三号 中「追加するため、」とあるのは「追加するため、当該特定預金等契約によらないで」と、同条第二項中「有価証券売買取引等」とあるのは「特定預金等契約の締結」と、同条第三項中「原因となるものとして内閣府令で定めるもの」とあるのは「原因となるもの」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

(特定銀行代理業者の休日及び営業時間)
第五十二条の四十六  特定銀行代理業者(特定銀行代理行為(内閣府令で定める預金の受入れを内容とする契約の締結の代理をいう。次条において同じ。)を行う銀行代理業者をいう。次項及び同条において同じ。)の休日は、日曜日その他政令で定める日に限る。
2  特定銀行代理業者の営業時間は、金融取引の状況等を勘案して内閣府令で定める。

(臨時休業等) 第五十二条の四十七  特定銀行代理業者は、内閣府令で定める場合を除き、天災その他のやむを得ない理由によりその特定銀行代理行為に係る業務を行う営業所又は事務所において臨時に当該業務の全部又は一部を休止するときは、直ちにその旨を、理由を付して内閣総理大臣に届け出るとともに、当該営業所又は事務所の店頭に掲示しなければならない。特定銀行代理業者が臨時に当該業務の全部又は一部を休止した営業所又は事務所において当該業務の全部又は一部を再開するときも、同様とする。

(所属銀行の廃業等)
第五十二条の四十八  銀行代理業者は、所属銀行から第三十八条の通知を受けたときは、その通知を受けた内容を、内閣府令で定めるところにより、一月を下らない期間、当該所属銀行に係る銀行代理業を営むすべての営業所又は事務所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
    第三節 経理


(銀行代理業に関する帳簿書類)
第五十二条の四十九  銀行代理業者は、内閣府令で定めるところにより、銀行代理業に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。

(銀行代理業に関する報告書)
第五十二条の五十  銀行代理業者は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、銀行代理業に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2  内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、前項の銀行代理業に関する報告書のうち、顧客の秘密を害するおそれのある事項又は当該銀行代理業者の業務の遂行上不当な不利益を与えるおそれのある事項を除き、公衆の縦覧に供しなければならない。

(所属銀行の説明書類等の縦覧)
第五十二条の五十一  銀行代理業者は、その所属銀行又は当該所属銀行を子会社とする銀行持株会社の事業年度ごとに、当該所属銀行が第二十条第一項及び第二項並びに第二十一条第一項及び第二項の規定により作成する書類又は当該所属銀行を子会社とする銀行持株会社が第五十二条の二十八第一項及び第五十二条の二十九第一項の規定により作成する書類を、当該所属銀行のために銀行代理業を営むすべての営業所又は事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。
2  前項に規定する説明書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、銀行代理業を営むすべての営業所又は事務所において当該説明書類の内容である情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。この場合においては、同項に規定する説明書類を公衆の縦覧に供したものとみなす。
3  前二項に定めるもののほか、同項の書類を公衆の縦覧に供する期間その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
    第四節 監督


(廃業等の届出)
第五十二条の五十二  銀行代理業者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  銀行代理業を廃止したとき、又は会社分割により銀行代理業の全部の承継をさせたとき若しくは銀行代理業の全部の譲渡をしたとき。 その銀行代理業を廃止し、又は承継をさせ若しくは譲渡をした個人又は法人
二  銀行代理業者である個人が死亡したとき。 その相続人
三  銀行代理業者である法人が合併により消滅したとき。 その法人を代表する役員であつた者
四  銀行代理業者である法人が破産手続開始の決定により解散したとき。 その破産管財人
五  銀行代理業者である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき。 その清算人

(銀行代理業者による報告又は資料の提出) 第五十二条の五十三  内閣総理大臣は、銀行代理業者の銀行代理業の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該銀行代理業者に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

(銀行代理業者に対する立入検査)
第五十二条の五十四  内閣総理大臣は、銀行代理業者の銀行代理業の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該職員に当該銀行代理業者の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2  前項の場合において、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3  第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(業務改善命令等) 第五十二条の五十五  内閣総理大臣は、銀行代理業者の業務又は財産の状況に照らして、当該銀行代理業者の銀行代理業の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該銀行代理業者に対し、その必要の限度において、業務の内容及び方法の変更その他監督上必要な措置を命ずることができる。

(銀行代理業者に対する監督上の処分)
第五十二条の五十六  内閣総理大臣は、銀行代理業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該銀行代理業者に対し、第五十二条の三十六第一項の許可を取り消し、又は期限を付して銀行代理業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一  第五十二条の三十八第一項各号に掲げる基準に適合しなくなつたとき。
二  不正の手段により第五十二条の三十六第一項の許可を受けたことが判明したとき。
三  第五十二条の三十六第一項の許可に付した条件に違反したとき。
四  法令又は法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき。
五  公益を害する行為をしたとき。
2  内閣総理大臣は、銀行代理業者の役員が、前項第三号から第五号までのいずれかに該当することとなつたときは、当該銀行代理業者に対し当該役員の解任を命ずることができる。

(許可の失効)
第五十二条の五十七  銀行代理業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十二条の三十六第一項の許可は、効力を失う。
一  第五十二条の五十二各号のいずれかに該当することとなつたとき。
二  所属銀行がなくなつたとき。
三  当該許可を受けた日から六月以内に銀行代理業を開始しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときを除く。)。
    第五節 所属銀行等


(銀行代理業者に対する指導等)
第五十二条の五十八  所属銀行は、銀行代理業者が営む銀行代理業に関し、内閣府令で定めるところにより、銀行代理業に係る業務の指導その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。
2  銀行代理業再委託者(銀行代理業を再委託する銀行代理業者をいう。以下同じ。)は、銀行代理業再受託者(銀行代理業再委託者の再委託を受けて銀行代理業を営む銀行代理業者をいう。以下同じ。)が営む銀行代理業に関し、内閣府令で定めるところにより、銀行代理業に係る業務の指導その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない。

(所属銀行等の賠償責任)
第五十二条の五十九  所属銀行は、銀行代理業者がその銀行代理行為について顧客に加えた損害を賠償する責任を負う。
2  前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一  所属銀行の委託を受けた銀行代理業者が行う銀行代理行為については、所属銀行が当該委託をするについて相当の注意をし、かつ、当該銀行代理業者が行う銀行代理行為について顧客に加えた損害の発生の防止に努めたとき。
二  銀行代理業再受託者が行う銀行代理行為については、所属銀行が当該銀行代理業再受託者に対する再委託の許諾を行うについて相当の注意をし、かつ、当該銀行代理業再受託者の行う銀行代理行為について顧客に加えた損害の発生の防止に努めたとき。
3  銀行代理業再委託者は、銀行代理業再受託者が行う銀行代理行為について顧客に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、当該銀行代理業再委託者が再委託をするについて相当の注意をし、かつ、当該銀行代理業再受託者の行う銀行代理行為について顧客に加えた損害の発生の防止に努めたときは、この限りでない。
4  第一項の規定は所属銀行から銀行代理業者に対する求償権の行使を妨げず、また、前項の規定は銀行代理業再委託者から銀行代理業再受託者に対する求償権の行使を妨げない。
5  民法第七百二十四条 (不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)の規定は、第一項及び第三項の請求権について準用する。

(銀行代理業者の原簿)
第五十二条の六十  所属銀行は、内閣府令で定めるところにより、当該所属銀行に係る銀行代理業者に関する原簿を、当該所属銀行の営業所(無人の営業所その他の内閣府令で定める営業所を除く。)に備え置かなければならない。
2  預金者等その他の利害関係人は、必要があるときは、所属銀行に対して、前項の原簿の閲覧を求めることができる。
    第六節 雑則


(適用除外)
第五十二条の六十一  第五十二条の三十六第一項の規定にかかわらず、銀行等(銀行その他政令で定める金融業を行う者をいう。以下この条において同じ。)は、銀行代理業を営むことができる。
2  銀行等が前項の規定により銀行代理業を営む場合においては、当該銀行等を銀行代理業者とみなして、第十三条の二、第二十四条、第二十五条、第三十八条、第四十八条、第五十二条の三十六第二項及び第三項、第五十二条の三十九から第五十二条の四十一まで、第五十二条の四十三から第五十二条の五十六まで、前三条、次条第四項、第五十六条(第十一号に係る部分に限る。)並びに第五十七条の七第二項の規定並びにこれらの規定に係る第九章の規定を適用する。この場合において、第五十二条の五十六第一項中「次の各号のいずれか」とあるのは「第四号又は第五号」と、「第五十二条の三十六第一項の許可を取り消し、又は期限を付して銀行代理業の全部若しくは」とあるのは「期限を付して銀行代理業の全部又は」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3  銀行等は、銀行代理業を営もうとするときは、第五十二条の三十七第一項各号に掲げる事項を記載した書類及び同条第二項第二号に掲げる書類を内閣総理大臣に届け出なければならない。

第一節 通則


(紛争解決等業務を行う者の指定)
第五十二条の六十二  内閣総理大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、紛争解決等業務を行う者として、指定することができる。
一  法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含み、外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体を除く。第四号ニにおいて同じ。)であること。
二  第五十二条の八十四第一項の規定によりこの項の規定による指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であつて紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者でないこと。
三  この法律若しくは弁護士法 (昭和二十四年法律第二百五号)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者でないこと。
四  役員のうちに、次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
ニ 第五十二条の八十四第一項の規定によりこの項の規定による指定を取り消された場合若しくはこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前一月以内にその法人の役員(外国の法令上これと同様に取り扱われている者を含む。ニにおいて同じ。)であつた者でその取消しの日から五年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であつて紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるもの若しくは当該他の法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該政令で定める指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前一月以内にその法人の役員であつた者でその取消しの日から五年を経過しない者
ホ この法律若しくは弁護士法 又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
五  紛争解決等業務を的確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すること。
六  役員又は職員の構成が紛争解決等業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
七  紛争解決等業務の実施に関する規程(以下「業務規程」という。)が法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより紛争解決等業務を公正かつ的確に実施するために十分であると認められること。
八  次項の規定により意見を聴取した結果、手続実施基本契約の解除に関する事項その他の手続実施基本契約の内容(第五十二条の六十七第二項各号に掲げる事項を除く。)その他の業務規程の内容(同条第三項の規定によりその内容とするものでなければならないこととされる事項並びに同条第四項各号及び第五項第一号に掲げる基準に適合するために必要な事項を除く。)について異議(合理的な理由が付されたものに限る。)を述べた銀行の数の銀行の総数に占める割合が政令で定める割合以下の割合となつたこと。
2  前項の申請をしようとする者は、あらかじめ、内閣府令で定めるところにより、銀行に対し、業務規程の内容を説明し、これについて異議がないかどうかの意見(異議がある場合には、その理由を含む。)を聴取し、及びその結果を記載した書類を作成しなければならない。
3  内閣総理大臣は、第一項の規定による指定をしようとするときは、同項第五号から第七号までに掲げる要件(紛争解決手続の業務に係る部分に限り、同号に掲げる要件にあつては、第五十二条の六十七第四項各号及び第五項各号に掲げる基準に係るものに限る。)に該当していることについて、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
4  内閣総理大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、指定紛争解決機関の商号又は名称及び主たる営業所又は事務所の所在地並びに当該指定をした日を官報で告示しなければならない。

(指定の申請)
第五十二条の六十三  前条第一項の規定による指定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した指定申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  商号又は名称
二  主たる営業所又は事務所その他紛争解決等業務を行う営業所又は事務所の名称及び所在地
三  役員の氏名又は商号若しくは名称
2  前項の指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一  前条第一項第三号及び第四号に掲げる要件に該当することを誓約する書面
二  定款及び法人の登記事項証明書(これらに準ずるものを含む。)
三  業務規程
四  組織に関する事項を記載した書類
五  財産目録、貸借対照表その他の紛争解決等業務を行うために必要な経理的な基礎を有することを明らかにする書類であつて内閣府令で定めるもの
六  前条第二項に規定する書類その他同条第一項第八号に掲げる要件に該当することを証する書類として内閣府令で定めるもの
七  その他内閣府令で定める書類
3  前項の場合において、定款、財産目録又は貸借対照表が電磁的記録で作成されているときは、書類に代えて当該電磁的記録を添付することができる。

(秘密保持義務等)
第五十二条の六十四  指定紛争解決機関の紛争解決委員(第五十二条の七十三第二項の規定により選任された紛争解決委員をいう。次項、次条第二項並びに第五十二条の六十七第二項及び第四項において同じ。)若しくは役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、紛争解決等業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。
2  指定紛争解決機関の紛争解決委員又は役員若しくは職員で紛争解決等業務に従事する者は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
    第二節 業務


(指定紛争解決機関の業務)
第五十二条の六十五  指定紛争解決機関は、この法律及び業務規程の定めるところにより、紛争解決等業務を行うものとする。
2  指定紛争解決機関(紛争解決委員を含む。)は、当事者である加入銀行(手続実施基本契約を締結した相手方である銀行をいう。以下この章において同じ。)若しくはその顧客(以下この章において単に「当事者」という。)又は当事者以外の者との手続実施基本契約その他の契約で定めるところにより、紛争解決等業務を行うことに関し、負担金又は料金その他の報酬を受けることができる。

(苦情処理手続又は紛争解決手続の業務の委託) 第五十二条の六十六  指定紛争解決機関は、他の指定紛争解決機関又は他の法律の規定による指定であつて紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを受けた者(第五十二条の七十三第四項及び第五項において「受託紛争解決機関」という。)以外の者に対して、苦情処理手続又は紛争解決手続の業務を委託してはならない。

(業務規程)
第五十二条の六十七  指定紛争解決機関は、次に掲げる事項に関する業務規程を定めなければならない。
一  手続実施基本契約の内容に関する事項
二  手続実施基本契約の締結に関する事項
三  紛争解決等業務の実施に関する事項
四  紛争解決等業務に要する費用について加入銀行が負担する負担金に関する事項
五  当事者から紛争解決等業務の実施に関する料金を徴収する場合にあつては、当該料金に関する事項
六  他の指定紛争解決機関その他相談、苦情の処理又は紛争の解決を実施する国の機関、地方公共団体、民間事業者その他の者との連携に関する事項
七  紛争解決等業務に関する苦情の処理に関する事項
八  前各号に掲げるもののほか、紛争解決等業務の実施に必要な事項として内閣府令で定めるもの
2  前項第一号の手続実施基本契約は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
一  指定紛争解決機関は、加入銀行の顧客からの銀行業務関連苦情の解決の申立て又は当事者からの紛争解決手続の申立てに基づき苦情処理手続又は紛争解決手続を開始すること。
二  指定紛争解決機関又は紛争解決委員は、苦情処理手続を開始し、又は加入銀行の顧客からの申立てに基づき紛争解決手続を開始した場合において、加入銀行にこれらの手続に応じるよう求めることができ、当該加入銀行は、その求めがあつたときは、正当な理由なくこれを拒んではならないこと。
三  指定紛争解決機関又は紛争解決委員は、苦情処理手続又は紛争解決手続において、加入銀行に対し、報告又は帳簿書類その他の物件の提出を求めることができ、当該加入銀行は、その求めがあつたときは、正当な理由なくこれを拒んではならないこと。
四  紛争解決委員は、紛争解決手続において、銀行業務関連紛争の解決に必要な和解案を作成し、当事者に対し、その受諾を勧告することができること。
五  紛争解決委員は、紛争解決手続において、前号の和解案の受諾の勧告によつては当事者間に和解が成立する見込みがない場合において、事案の性質、当事者の意向、当事者の手続追行の状況その他の事情に照らして相当であると認めるときは、銀行業務関連紛争の解決のために必要な特別調停案を作成し、理由を付して当事者に提示することができること。
六  加入銀行は、訴訟が係属している請求を目的とする紛争解決手続が開始された場合には、当該訴訟が係属している旨、当該訴訟における請求の理由及び当該訴訟の程度を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
七  加入銀行は、紛争解決手続の目的となつた請求に係る訴訟が提起された場合には、当該訴訟が提起された旨及び当該訴訟における請求の理由を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
八  前二号に規定する場合のほか、加入銀行は、紛争解決手続の目的となつた請求に係る訴訟に関し、当該訴訟の程度その他の事項の報告を求められた場合には、当該事項を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
九  加入銀行は、第六号若しくは第七号の訴訟が裁判所に係属しなくなつた場合又はその訴訟について裁判が確定した場合には、その旨及びその内容を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
十  加入銀行は、その顧客に対し指定紛争解決機関による紛争解決等業務の実施について周知するため、必要な情報の提供その他の措置を講じなければならないこと。
十一  前各号に掲げるもののほか、銀行業務関連苦情の処理又は銀行業務関連紛争の解決の促進のために必要であるものとして内閣府令で定める事項
3  第一項第二号の手続実施基本契約の締結に関する事項に関する業務規程は、銀行から手続実施基本契約の締結の申込みがあつた場合には、当該銀行が手続実施基本契約に係る債務その他の紛争解決等業務の実施に関する義務を履行することが確実でないと見込まれるときを除き、これを拒否してはならないことを内容とするものでなければならない。
4  第一項第三号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一  苦情処理手続と紛争解決手続との連携を確保するための措置が講じられていること。
二  紛争解決委員の選任の方法及び紛争解決委員が銀行業務関連紛争の当事者と利害関係を有することその他の紛争解決手続の公正な実施を妨げるおそれがある事由がある場合において、当該紛争解決委員を排除するための方法を定めていること。
三  指定紛争解決機関の実質的支配者等(指定紛争解決機関の株式の所有、指定紛争解決機関に対する融資その他の事由を通じて指定紛争解決機関の事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にあるものとして内閣府令で定める者をいう。)又は指定紛争解決機関の子会社等(指定紛争解決機関が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配する関係にあるものとして内閣府令で定める者をいう。)を銀行業務関連紛争の当事者とする銀行業務関連紛争について紛争解決手続の業務を行うこととしている指定紛争解決機関にあつては、当該実質的支配者等若しくは当該子会社等又は指定紛争解決機関が紛争解決委員に対して不当な影響を及ぼすことを排除するための措置が講じられていること。
四  紛争解決委員が弁護士でない場合(司法書士法 (昭和二十五年法律第百九十七号)第三条第一項第七号 に規定する紛争について行う紛争解決手続において、紛争解決委員が同条第二項 に規定する司法書士である場合を除く。)において、紛争解決手続の実施に当たり法令の解釈適用に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていること。
五  紛争解決手続の実施に際して行う通知について相当な方法を定めていること。
六  紛争解決手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行について定めていること。
七  加入銀行の顧客が指定紛争解決機関に対し銀行業務関連苦情の解決の申立てをする場合又は銀行業務関連紛争の当事者が指定紛争解決機関に対し紛争解決手続の申立てをする場合の要件及び方式を定めていること。
八  指定紛争解決機関が加入銀行から紛争解決手続の申立てを受けた場合において、銀行業務関連紛争の他方の当事者となる当該加入銀行の顧客に対し、速やかにその旨を通知するとともに、当該顧客がこれに応じて紛争解決手続の実施を依頼するか否かを確認するための手続を定めていること。
九  指定紛争解決機関が加入銀行の顧客から第七号の紛争解決手続の申立てを受けた場合において、銀行業務関連紛争の他方の当事者となる当該加入銀行に対し、速やかにその旨を通知する手続を定めていること。
十  紛争解決手続において提出された帳簿書類その他の物件の保管、返還その他の取扱いの方法を定めていること。
十一  紛争解決手続において陳述される意見又は提出され、若しくは提示される帳簿書類その他の物件に含まれる銀行業務関連紛争の当事者又は第三者の秘密について、当該秘密の性質に応じてこれを適切に保持するための取扱いの方法を定めていること。第五十二条の七十三第九項に規定する手続実施記録に記載されているこれらの秘密についても、同様とする。
十二  銀行業務関連紛争の当事者が紛争解決手続を終了させるための要件及び方式を定めていること。
十三  紛争解決委員が紛争解決手続によつては銀行業務関連紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないと判断したときは、速やかに当該紛争解決手続を終了し、その旨を銀行業務関連紛争の当事者に通知することを定めていること。
十四  指定紛争解決機関の紛争解決委員、役員及び職員について、これらの者が紛争解決等業務に関して知り得た秘密を確実に保持するための措置を定めていること。
5  第一項第四号及び第五号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一  第一項第四号に規定する負担金及び同項第五号に規定する料金の額又は算定方法及び支払方法(次号において「負担金額等」という。)を定めていること。
二  負担金額等が著しく不当なものでないこと。
6  第二項第五号の「特別調停案」とは、和解案であつて、次に掲げる場合を除き、加入銀行が受諾しなければならないものをいう。
一  当事者である加入銀行の顧客(以下この項において単に「顧客」という。)が当該和解案を受諾しないとき。
二  当該和解案の提示の時において当該紛争解決手続の目的となつた請求に係る訴訟が提起されていない場合において、顧客が当該和解案を受諾したことを加入銀行が知つた日から一月を経過する日までに当該請求に係る訴訟が提起され、かつ、同日までに当該訴訟が取り下げられないとき。
三  当該和解案の提示の時において当該紛争解決手続の目的となつた請求に係る訴訟が提起されている場合において、顧客が当該和解案を受諾したことを加入銀行が知つた日から一月を経過する日までに当該訴訟が取り下げられないとき。
四  顧客が当該和解案を受諾したことを加入銀行が知つた日から一月を経過する日までに、当該紛争解決手続が行われている銀行業務関連紛争について、当事者間において仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する仲裁合意がされ、又は当該和解案によらずに和解若しくは調停が成立したとき。
7  業務規程の変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
8  内閣総理大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、当該認可に係る業務規程が第四項各号及び第五項各号に掲げる基準(紛争解決手続の業務に係る部分に限る。)に適合していることについて、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。

(手続実施基本契約の不履行の事実の公表等)
第五十二条の六十八  指定紛争解決機関は、手続実施基本契約により加入銀行が負担する義務の不履行が生じた場合において、当該加入銀行の意見を聴き、当該不履行につき正当な理由がないと認めるときは、遅滞なく、当該加入銀行の商号及び当該不履行の事実を公表するとともに、内閣総理大臣に報告しなければならない。
2  指定紛争解決機関は、銀行業務関連苦情及び銀行業務関連紛争を未然に防止し、並びに銀行業務関連苦情の処理及び銀行業務関連紛争の解決を促進するため、加入銀行その他の者に対し、情報の提供、相談その他の援助を行うよう努めなければならない。

(暴力団員等の使用の禁止) 第五十二条の六十九  指定紛争解決機関は、暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (平成三年法律第七十七号)第二条第六号 に規定する暴力団員(以下この条において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者をいう。)を紛争解決等業務に従事させ、又は紛争解決等業務の補助者として使用してはならない。

(差別的取扱いの禁止) 第五十二条の七十  指定紛争解決機関は、特定の加入銀行に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。

(記録の保存) 第五十二条の七十一  指定紛争解決機関は、第五十二条の七十三第九項の規定によるもののほか、内閣府令で定めるところにより、紛争解決等業務に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

(指定紛争解決機関による苦情処理手続) 第五十二条の七十二  指定紛争解決機関は、加入銀行の顧客から銀行業務関連苦情について解決の申立てがあつたときは、その相談に応じ、当該顧客に必要な助言をし、当該銀行業務関連苦情に係る事情を調査するとともに、当該加入銀行に対し、当該銀行業務関連苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。

(指定紛争解決機関による紛争解決手続)
第五十二条の七十三  加入銀行に係る銀行業務関連紛争の解決を図るため、当事者は、当該加入銀行が手続実施基本契約を締結した指定紛争解決機関に対し、紛争解決手続の申立てをすることができる。
2  指定紛争解決機関は、前項の申立てを受けたときは、紛争解決委員を選任するものとする。
3  紛争解決委員は、人格が高潔で識見の高い者であつて、次の各号のいずれかに該当する者(第一項の申立てに係る当事者と利害関係を有する者を除く。)のうちから選任されるものとする。この場合において、紛争解決委員のうち少なくとも一人は、第一号又は第三号(当該申立てが司法書士法第三条第一項第七号 に規定する紛争に係るものである場合にあつては、第一号、第三号又は第四号)のいずれかに該当する者でなければならない。
一  弁護士であつてその職務に従事した期間が通算して五年以上である者
二  銀行業務に従事した期間が通算して十年以上である者
三  消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める者
四  当該申立てが司法書士法第三条第一項第七号 に規定する紛争に係るものである場合にあつては、同条第二項 に規定する司法書士であつて同項 に規定する簡裁訴訟代理等関係業務に従事した期間が通算して五年以上である者
五  前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者
4  指定紛争解決機関は、第一項の申立てを第二項の規定により選任した紛争解決委員(以下この条及び次条第一項において単に「紛争解決委員」という。)による紛争解決手続に付するものとする。ただし、紛争解決委員は、当該申立てに係る当事者である加入銀行の顧客が当該銀行業務関連紛争を適切に解決するに足りる能力を有する者と認められることその他の事由により紛争解決手続を行うのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりに第一項の申立てをしたと認めるときは、紛争解決手続を実施しないものとし、紛争解決委員が当該申立てを受託紛争解決機関における紛争解決手続に相当する手続に付することが適当と認めるときは、指定紛争解決機関は、受託紛争解決機関に紛争解決手続の業務を委託するものとする。
5  前項ただし書の規定により紛争解決委員が紛争解決手続を実施しないこととしたとき、又は受託紛争解決機関に業務を委託することとしたときは、指定紛争解決機関は、第一項の申立てをした者に対し、その旨を理由を付して通知するものとする。
6  紛争解決委員は、当事者若しくは参考人から意見を聴取し、若しくは報告書の提出を求め、又は当事者から参考となるべき帳簿書類その他の物件の提出を求め、和解案を作成して、その受諾を勧告し、又は特別調停(第五十二条の六十七第六項に規定する特別調停案を提示することをいう。)をすることができる。
7  紛争解決手続は、公開しない。ただし、紛争解決委員は、当事者の同意を得て、相当と認める者の傍聴を許すことができる。
8  指定紛争解決機関は、紛争解決手続の開始に先立ち、当事者である加入銀行の顧客に対し、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項について、これを記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供して説明をしなければならない。
一  当該顧客が支払う料金に関する事項
二  第五十二条の六十七第四項第六号に規定する紛争解決手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行
三  その他内閣府令で定める事項
9  指定紛争解決機関は、内閣府令で定めるところにより、その実施した紛争解決手続に関し、次に掲げる事項を記載した手続実施記録を作成し、保存しなければならない。
一  銀行業務関連紛争の当事者が紛争解決手続の申立てをした年月日
二  銀行業務関連紛争の当事者及びその代理人の氏名、商号又は名称
三  紛争解決委員の氏名
四  紛争解決手続の実施の経緯
五  紛争解決手続の結果(紛争解決手続の終了の理由及びその年月日を含む。)
六  前各号に掲げるもののほか、実施した紛争解決手続の内容を明らかにするために必要な事項であつて内閣府令で定めるもの

(時効の中断)
第五十二条の七十四  紛争解決手続によつては銀行業務関連紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないことを理由に紛争解決委員が当該紛争解決手続を終了した場合において、当該紛争解決手続の申立てをした当該銀行業務関連紛争の当事者がその旨の通知を受けた日から一月以内に当該紛争解決手続の目的となつた請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、当該紛争解決手続における請求の時に、訴えの提起があつたものとみなす。
2  指定紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第五十二条の八十三第一項の規定により認可され、又は第五十二条の六十二第一項の規定による指定が第五十二条の八十四第一項の規定により取り消され、かつ、その認可又は取消しの日に紛争解決手続が実施されていた銀行業務関連紛争がある場合において、当該紛争解決手続の申立てをした当該銀行業務関連紛争の当事者が第五十二条の八十三第三項若しくは第五十二条の八十四第三項の規定による通知を受けた日又は当該認可若しくは取消しを知つた日のいずれか早い日から一月以内に当該紛争解決手続の目的となつた請求について訴えを提起したときも、前項と同様とする。

(訴訟手続の中止)
第五十二条の七十五  銀行業務関連紛争について当該銀行業務関連紛争の当事者間に訴訟が係属する場合において、次の各号のいずれかに掲げる事由があり、かつ、当該銀行業務関連紛争の当事者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、四月以内の期間を定めて訴訟手続を中止する旨の決定をすることができる。
一  当該銀行業務関連紛争について、当該銀行業務関連紛争の当事者間において紛争解決手続が実施されていること。
二  前号の場合のほか、当該銀行業務関連紛争の当事者間に紛争解決手続によつて当該銀行業務関連紛争の解決を図る旨の合意があること。
2  受訴裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
3  第一項の申立てを却下する決定及び前項の規定により第一項の決定を取り消す決定に対しては、不服を申し立てることができない。

(加入銀行の名簿の縦覧) 第五十二条の七十六  指定紛争解決機関は、加入銀行の名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。

(名称の使用制限)
第五十二条の七十七  指定紛争解決機関でない者(金融商品取引法第百五十六条の三十九第一項 の規定による指定を受けた者その他これに類する者として政令で定めるものを除く。)は、その名称又は商号中に、指定紛争解決機関と誤認されるおそれのある文字を使用してはならない。
    第三節 監督


(変更の届出)
第五十二条の七十八  指定紛争解決機関は、第五十二条の六十三第一項各号に掲げる事項に変更があつたときは、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2  内閣総理大臣は、前項の規定により指定紛争解決機関の商号若しくは名称又は主たる営業所若しくは事務所の所在地の変更の届出があつたときは、その旨を官報で告示しなければならない。

(手続実施基本契約の締結等の届出)
第五十二条の七十九  指定紛争解決機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  銀行と手続実施基本契約を締結したとき、又は当該手続実施基本契約を終了したとき。
二  その他内閣府令で定めるとき。

(業務に関する報告書の提出)
第五十二条の八十  指定紛争解決機関は、事業年度ごとに、当該事業年度に係る紛争解決等業務に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2  前項の報告書に関する記載事項、提出期日その他必要な事項は、内閣府令で定める。

(報告徴収及び立入検査)
第五十二条の八十一  内閣総理大臣は、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため必要があると認めるときは、指定紛争解決機関に対し、その業務に関し報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、指定紛争解決機関の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、当該指定紛争解決機関の業務の状況に関し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2  内閣総理大臣は、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、指定紛争解決機関の加入銀行若しくは当該指定紛争解決機関から業務の委託を受けた者に対し、当該指定紛争解決機関の業務に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、これらの者の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、当該指定紛争解決機関の業務の状況に関し質問させ、若しくはこれらの者の帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3  前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4  第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(業務改善命令)
第五十二条の八十二  内閣総理大臣は、指定紛争解決機関の紛争解決等業務の運営に関し、紛争解決等業務の公正かつ的確な遂行を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該指定紛争解決機関に対して、その業務の運営の改善に必要な措置を命ずることができる。
2  内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当する場合において、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
一  第五十二条の六十二第一項第五号から第七号までに掲げる要件(紛争解決手続の業務に係る部分に限り、同号に掲げる要件にあつては、第五十二条の六十七第四項各号及び第五項各号に掲げる基準に係るものに限る。以下この号において同じ。)に該当しないこととなつた場合又は第五十二条の六十二第一項第五号から第七号までに掲げる要件に該当しないこととなるおそれがあると認められる場合
二  第五十二条の六十五、第五十二条の六十六、第五十二条の六十九又は第五十二条の七十三の規定に違反した場合(その違反行為が紛争解決手続の業務に係るものである場合に限る。)

(紛争解決等業務の休廃止)
第五十二条の八十三  指定紛争解決機関は、紛争解決等業務の全部若しくは一部の休止(次項に規定する理由によるものを除く。)をし、又は廃止をしようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
2  指定紛争解決機関が、天災その他のやむを得ない理由により紛争解決等業務の全部又は一部の休止をした場合には、直ちにその旨を、理由を付して内閣総理大臣に届け出なければならない。指定紛争解決機関が当該休止をした当該紛争解決等業務の全部又は一部を再開するときも、同様とする。
3  第一項の規定による休止若しくは廃止の認可を受け、又は前項の休止をした指定紛争解決機関は、当該休止又は廃止の日から二週間以内に、当該休止又は廃止の日に苦情処理手続又は紛争解決手続(他の指定紛争解決機関又は他の法律の規定による指定であつて紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを受けた者(以下この項において「委託紛争解決機関」という。)から業務の委託を受けている場合における当該委託に係る当該委託紛争解決機関の苦情を処理する手続又は紛争の解決を図る手続を含む。次条第三項において同じ。)が実施されていた当事者、当該当事者以外の加入銀行及び他の指定紛争解決機関に当該休止又は廃止をした旨を通知しなければならない。指定紛争解決機関が当該休止をした当該紛争解決等業務の全部又は一部を再開するときも、同様とする。

(指定の取消し等)
第五十二条の八十四  内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十二条の六十二第一項の規定による指定を取り消し、又は六月以内の期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一  第五十二条の六十二第一項第二号から第七号までに掲げる要件に該当しないこととなつたとき、又は指定を受けた時点において同項各号のいずれかに該当していなかつたことが判明したとき。
二  不正の手段により第五十二条の六十二第一項の規定による指定を受けたとき。
三  法令又は法令に基づく処分に違反したとき。
2  内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当する場合において、前項の規定による処分又は命令をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
一  第五十二条の六十二第一項第五号から第七号までに掲げる要件(紛争解決手続の業務に係る部分に限り、同号に掲げる要件にあつては、第五十二条の六十七第四項各号及び第五項各号に掲げる基準に係るものに限る。以下この号において同じ。)に該当しないこととなつた場合又は第五十二条の六十二第一項の規定による指定を受けた時点において同項第五号から第七号までに掲げる要件に該当していなかつたことが判明した場合
二  第五十二条の六十五、第五十二条の六十六、第五十二条の六十九又は第五十二条の七十三の規定に違反した場合(その違反行為が紛争解決手続の業務に係るものである場合に限る。)
3  第一項の規定により第五十二条の六十二第一項の規定による指定の取消しの処分を受け、又はその業務の全部若しくは一部の停止の命令を受けた者は、当該処分又は命令の日から二週間以内に、当該処分又は命令の日に苦情処理手続又は紛争解決手続が実施されていた当事者、当該当事者以外の加入銀行及び他の指定紛争解決機関に当該処分又は命令を受けた旨を通知しなければならない。

(届出事項)
第五十三条  銀行は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  営業を開始したとき。
二  第十六条の二第一項第十一号又は第十二号に掲げる会社(同条第四項の規定により子会社とすることについて認可を受けなければならないとされるものを除く。)を子会社としようとするとき(第三十条第一項から第三項まで又は金融機関の合併及び転換に関する法律第五条第一項 (認可)の規定による認可を受けて合併、会社分割又は事業の譲受けをしようとする場合を除く。)。
三  その子会社が子会社でなくなつたとき(第三十条第二項又は第三項の規定による認可を受けて会社分割又は事業の譲渡をした場合を除く。)、又は第十六条の二第四項に規定する子会社対象銀行等に該当する子会社が当該子会社対象銀行等に該当しない子会社になつたとき。
四  資本金の額を増加しようとするとき。
五  この法律の規定による認可を受けた事項を実行したとき。
六  外国において駐在員事務所を設置しようとするとき。
七  その総株主の議決権の百分の五を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなつたとき。
八  その他内閣府令(金融破綻処理制度及び金融危機管理に係るものについては、内閣府令・財務省令)で定める場合に該当するとき。
2  銀行主要株主(銀行主要株主であつた者を含む。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  第五十二条の九第一項の認可に係る銀行主要株主になつたとき又は当該認可に係る銀行主要株主として設立されたとき。
二  銀行の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者となつたとき。
三  銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなつたとき(第五号の場合を除く。)。
四  銀行の総株主の議決権の百分の五十を超える議決権の保有者でなくなつたとき(前号及び次号の場合を除く。)。
五  解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者となる会社その他の法人を設立する場合に限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
六  その総株主の議決権の百分の五十を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなつたとき。
七  その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
3  銀行持株会社(銀行持株会社であつた会社を含む。)は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一  第五十二条の十七第一項の認可に係る銀行持株会社になつたとき又は当該認可に係る銀行持株会社として設立されたとき。
二  銀行を子会社とする持株会社でなくなつたとき(第五号の場合を除く。)。
三  第五十二条の二十三第一項第十号又は第十一号に掲げる会社(同条第三項の規定により子会社とすることについて認可を受けなければならないとされるものを除く。)を子会社としようとするとき(第五十二条の三十五第一項から第三項までの規定による認可を受けて合併、会社分割又は事業の譲受けをしようとする場合を除く。)。
四  その子会社が子会社でなくなつたとき(第五十二条の三十五第二項又は第三項の規定による認可を受けて会社分割又は事業の譲渡をした場合及び第二号の場合を除く。)、又は第五十二条の二十三第三項に規定する子会社対象銀行等に該当する子会社が当該子会社対象銀行等に該当しない子会社になつたとき、若しくは特例子会社対象会社に該当する持株特定子会社が当該特例子会社対象会社に該当しない持株特定子会社になつたとき。
五  解散したとき(設立、株式移転、合併(当該合併により銀行を子会社とする持株会社を設立するものに限る。)又は新設分割を無効とする判決が確定したときを含む。)。
六  資本金の額を変更しようとするとき。
七  この法律の規定による認可(第一号に規定する認可を除く。)を受けた事項を実行したとき。
八  その総株主の議決権の百分の五を超える議決権が一の株主により取得又は保有されることとなつたとき。
九  その他内閣府令で定める場合に該当するとき。
4  銀行代理業者は、銀行代理業を開始したとき、その他内閣府令で定める場合に該当するときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
5  第二条第十一項の規定は、第一項第七号、第二項第六号及び第三項第八号に規定する一の株主が取得し、又は保有することとなつた銀行、銀行主要株主又は銀行持株会社の議決権について準用する。

(認可等の条件)
第五十四条  内閣総理大臣は、この法律の規定による認可又は承認(次項において「認可等」という。)に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2  前項の条件は、認可等の趣旨に照らして、又は認可等に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。

(認可の失効)
第五十五条  銀行、銀行主要株主(第五十二条の九第一項の認可のうち設立に係るものを受けた者を含む。)又は銀行持株会社(第五十二条の十七第一項の認可を受けた者を含む。)がこの法律の規定による認可を受けた日から六月以内に当該認可を受けた事項を実行しなかつたときは、当該認可は、効力を失う。ただし、やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2  前項に規定するもののほか、第五十二条の九第一項又は第二項ただし書の認可(以下この項において「主要株主認可」という。)については、当該主要株主認可に係る銀行主要株主が銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなつたとき又は当該主要株主認可に係る銀行を子会社とすることについて第五十二条の十七第一項若しくは第三項ただし書若しくは第五十二条の二十三第三項若しくは第四項ただし書の認可を受けたときは、当該主要株主認可は、効力を失う。
3  第一項に規定するもののほか、第五十二条の十七第一項又は第三項ただし書の認可については、当該認可に係る銀行持株会社が銀行を子会社とする持株会社でなくなつたときは、当該認可は、効力を失う。

(内閣総理大臣の告示)
第五十六条  次に掲げる場合には、内閣総理大臣は、その旨を官報で告示するものとする。
一  第二十六条第一項又は第二十七条の規定により銀行の業務の全部又は一部の停止を命じたとき。
二  第二十七条又は第二十八条の規定により第四条第一項の免許を取り消したとき。
三  銀行が第四十一条第四号の規定に該当して第四条第一項の免許が効力を失つたとき。
四  第五十条の規定により外国銀行に対する第四条第一項の免許が効力を失つたとき。
五  第五十二条の十五第一項の規定により第五十二条の九第一項又は第二項ただし書の認可を取り消したとき。
六  第五十二条の三十四第一項の規定により第五十二条の十七第一項又は第三項ただし書の認可を取り消したとき。
七  第五十二条の三十四第一項の規定により銀行持株会社の子会社である銀行の業務の全部又は一部の停止を命じたとき。
八  第五十二条の三十四第四項の規定により銀行の業務の全部又は一部の停止を命じたとき。
九  前条の規定により第五十二条の九第一項若しくは第二項ただし書又は第五十二条の十七第一項若しくは第三項ただし書の認可が効力を失つたとき。
十  第五十二条の五十六第一項の規定により第五十二条の三十六第一項の許可を取り消したとき。
十一  第五十二条の五十六第一項の規定により銀行代理業者の銀行代理業の全部又は一部の停止を命じたとき。
十二  第五十二条の五十七の規定により第五十二条の三十六第一項の許可が効力を失つたとき。
十三  第五十二条の八十四第一項の規定により第五十二条の六十二第一項の規定による指定を取り消したとき。

(銀行等の公告方法)
第五十七条  銀行又は銀行持株会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めなければならない。
一  時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
二  電子公告

(電子公告による公告をする期間等)
第五十七条の二  銀行又は銀行持株会社が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告(会社法 の規定による公告を除く。)をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。
一  公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告 当該期間を経過する日
二  第十六条第一項前段の規定による公告 銀行が臨時にその業務の全部又は一部を休止した営業所においてその業務の全部又は一部を再開する日
三  第十六条第一項後段の規定による公告 銀行が臨時にその業務の全部又は一部を休止した営業所においてその業務の全部又は一部を再開した日後一月を経過する日
四  第二十条第四項又は第五十二条の二十八第三項の規定による公告 電子公告による公告を開始した日後五年を経過する日
五  前各号に掲げる公告以外の公告 電子公告による公告を開始した日後一月を経過する日
2  会社法第九百四十条第三項 (電子公告の公告期間等)の規定は、銀行又は銀行持株会社が電子公告によりこの法律又は他の法律の規定による公告(会社法 の規定による公告を除く。)をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

(電子公告調査の規定の適用) 第五十七条の三  銀行又は銀行持株会社に対する会社法第九百四十一条 (電子公告調査)の規定の適用については、同条 中「第四百四十条第一項 の規定」とあるのは、「第四百四十条第一項の規定並びに銀行法第十六条第一項、第二十条第四項及び第五十二条の二十八第三項の規定」とする。

(登記)
第五十七条の四  銀行又は銀行持株会社は、次に掲げる事項の登記をしなければならない。
一  第二十条第六項の規定による措置をとることとするときは、同項に規定する中間貸借対照表等、中間連結貸借対照表等及び連結貸借対照表等の内容である情報についてその提供を受けるために必要な事項であつて内閣府令で定めるもの
二  第五十二条の二十八第五項の規定による措置をとることとするときは、中間連結貸借対照表等及び連結貸借対照表等の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であつて内閣府令で定めるもの

(財務大臣への協議)
第五十七条の五  内閣総理大臣は、銀行に対し次に掲げる処分をすることが信用秩序の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、信用秩序の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
一  第二十六条第一項、第二十七条又は第五十二条の三十四第一項若しくは第四項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令
二  第二十七条又は第二十八条の規定による第四条第一項の免許の取消し

(財務大臣への通知)
第五十七条の六  内閣総理大臣は、次に掲げる処分をしたときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。第五十三条第一項の規定による届出(同項第八号に係るもののうち内閣府令・財務省令で定めるものに限る。)があつたときも、同様とする。
一  第四条第一項の規定による免許
二  第十六条の二第四項(預金保険法 (昭和四十六年法律第三十四号)第二条第四項 に規定する破綻金融機関に該当する銀行を子会社とする場合に限る。)、第三十条第一項から第三項まで、第三十七条第一項、第五十二条の九第一項若しくは第二項ただし書、第五十二条の十七第一項若しくは第三項ただし書又は第五十二条の三十五第一項から第三項までの規定による認可
三  第二十六条第一項、第二十七条、第五十二条の五、第五十二条の六、第五十二条の九第四項、第五十二条の十三、第五十二条の十四、第五十二条の十五第一項、第五十二条の十七第五項、第五十二条の三十三第一項若しくは第三項又は第五十二条の三十四第一項若しくは第四項の規定による命令(改善計画の提出を求めることを含む。)
四  第二十七条又は第二十八条の規定による第四条第一項の免許の取消し
五  第五十二条の十五第一項の規定による第五十二条の九第一項若しくは第二項ただし書の認可の取消し又は第五十二条の三十四第一項の規定による第五十二条の十七第一項若しくは第三項ただし書の認可の取消し

(財務大臣への資料提出等)
第五十七条の七  財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、銀行に係る制度の企画又は立案をするため必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
2  財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、銀行に係る制度の企画又は立案をするため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、銀行、銀行主要株主、銀行持株会社、銀行代理業者その他の関係者に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。

(内閣府令への委任) 第五十八条  この法律に定めるもののほか、この法律の規定による免許、許可、認可、承認又は指定に関する申請の手続、書類の提出の手続その他この法律を実施するため必要な事項は、内閣府令で定める。

(権限の委任)
第五十九条  内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
2  金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。

(経過措置) 第六十条  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第六十一条  次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  第四条第一項の規定に違反して、免許を受けないで銀行業を営んだ者
二  不正の手段により第四条第一項の免許を受けた者
三  第九条の規定に違反して、他人に銀行業を営ませた者
四  第十三条の四、第五十二条の二の五又は第五十二条の四十五の二において準用する金融商品取引法 (以下「準用金融商品取引法」という。)第三十九条第一項 の規定に違反した者
五  第五十二条の三十六第一項の規定に違反して、許可を受けないで銀行代理業を営んだ者
六  不正の手段により第五十二条の三十六第一項の許可を受けた者
七  第五十二条の四十一(第五十二条の二の十において準用する場合を含む。)の規定に違反して、他人に銀行代理業(第五十二条の二の十において準用する場合にあつては、外国銀行代理業務)を営ませた者

第六十一条の二  次に掲げる違反があつた場合においては、その違反行為をした者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  第五十二条の十七第一項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで、同項各号に掲げる取引若しくは行為により銀行を子会社とする持株会社になつたとき又は銀行を子会社とする持株会社を設立したとき。
二  第五十二条の十七第三項の規定に違反して同項に規定する猶予期限日を超えて銀行を子会社とする持株会社であつたとき。
三  第五十二条の十七第五項の規定による命令に違反して銀行を子会社とする持株会社であつたとき又は第五十二条の三十四第二項の規定に違反して同項に規定する内閣総理大臣が指定する期間を超えて銀行を子会社とする持株会社であつたとき。

第六十二条  次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一  第四条第四項又は第五十二条の三十八第二項の規定により付した条件に違反した者
二  第二十六条第一項、第二十七条、第五十二条の三十四第一項若しくは第四項又は第五十二条の五十六第一項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者

第六十二条の二  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  第五十二条の六十三第一項の規定による指定申請書又は同条第二項の規定によりこれに添付すべき書類若しくは電磁的記録に虚偽の記載又は記録をしてこれらを提出した者
二  第五十二条の六十九の規定に違反した者
三  第五十二条の八十第一項の規定による報告書を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者
四  第五十二条の八十一第一項若しくは第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又はこれらの規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくはこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
五  第五十二条の八十二第一項の規定による命令に違反した者

第六十三条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
一  第十九条、第五十二条の二十七又は第五十二条の五十第一項(第五十二条の二の十において準用する場合を含む。)の規定に違反して、これらの規定に規定する書類の提出をせず、又はこれらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしてこれらの書類の提出をした者
一の二  第二十条第四項若しくは第五十二条の二十八第三項の規定に違反して、これらの規定による公告をせず、若しくは第二十条第六項若しくは第五十二条の二十八第五項の規定に違反して、これらの規定に規定する情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとらず、又は当該公告をしなければならない書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして、公告をし、若しくは電磁的記録に記録すべき事項を記録せず、若しくは虚偽の記録をして、電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとつた者
一の三  第二十一条第一項若しくは第二項、第五十二条の二の六第一項、第五十二条の二十九第一項若しくは第五十二条の五十一第一項の規定に違反して、これらの規定に規定する書類を公衆の縦覧に供せず、若しくは第二十一条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)、第五十二条の二の六第二項、第五十二条の二十九第三項若しくは第五十二条の五十一第二項の規定に違反して、第二十一条第四項、第五十二条の二の六第二項、第五十二条の二十九第三項若しくは第五十二条の五十一第二項に規定する電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとらず、又はこれらの規定に違反して、これらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして、公衆の縦覧に供し、若しくは電磁的記録に記録すべき事項を記録せず、若しくは虚偽の記録をして、電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとつた者
二  第二十四条第一項(第四十三条第三項において準用する場合を含む。)、第二十四条第二項、第五十二条の七、第五十二条の十一、第五十二条の三十一第一項若しくは第二項若しくは第五十二条の五十三の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
三  第二十五条第一項(第四十三条第三項において準用する場合を含む。)、第二十五条第二項、第五十二条の八第一項、第五十二条の十二第一項、第五十二条の三十二第一項若しくは第二項若しくは第五十二条の五十四第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
四  第四十三条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
五  第四十五条第三項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同条の規定による命令に違反した者
六  第四十六条第三項において準用する第二十五条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
六の二  第五十二条の二第一項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで外国銀行代理業務を営んだ者
七  第五十二条の三十四第一項の規定による命令(取締役、執行役、会計参与若しくは監査役の解任又は業務の全部若しくは一部の停止の命令を除く。)に違反した者
八  第五十二条の三十七第一項の規定による申請書又は同条第二項の規定によりこれに添付すべき書類に虚偽の記載をして提出した者
九  第五十二条の四十二第一項の規定による承認を受けないで銀行代理業及び銀行代理業に付随する業務以外の業務を営んだ者
十  第五十四条第一項の規定により付した条件(第五十二条の十七第一項又は第三項ただし書の規定による認可に係るものに限る。)に違反した者

第六十三条の二  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  第十三条の三(第一号に係る部分に限る。)又は第五十二条の四十五(第一号に係る部分に限り、第五十二条の二の十において準用する場合を含む。)の規定の違反があつた場合において、顧客以外の者(銀行又は銀行代理業者を含む。)の利益を図り、又は顧客に損害を与える目的で当該違反行為をした者
二  第五十二条の六十四第一項の規定に違反して、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者

第六十三条の二の二  準用金融商品取引法第三十九条第二項 の規定に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第六十三条の二の三  前条の場合において、犯人又は情を知つた第三者が受けた財産上の利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第六十三条の二の四  次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  準用金融商品取引法第三十七条第一項 (第二号を除く。)に規定する事項を表示せず、又は虚偽の表示をした者
二  準用金融商品取引法第三十七条第二項 の規定に違反した者
三  準用金融商品取引法第三十七条の三第一項 (第二号及び第六号を除く。)の規定に違反して、書面を交付せず、若しくは同項 に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者又は同条第二項 において準用する金融商品取引法第三十四条の二第四項 に規定する方法により当該事項を欠いた提供若しくは虚偽の事項の提供をした者
四  準用金融商品取引法第三十七条の四第一項 の規定による書面を交付せず、若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者又は同条第二項 において準用する金融商品取引法第三十四条の二第四項 に規定する方法により虚偽の事項の提供をした者

第六十三条の二の五  第五十二条の七十一若しくは第五十二条の七十三第九項の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者は、百万円以下の罰金に処する。

第六十三条の二の六  第五十二条の八十三第一項の認可を受けないで紛争解決等業務の全部若しくは一部の休止又は廃止をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

第六十三条の三  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一  第四十九条の二第二項において準用する会社法第九百五十五条第一項 (調査記録簿等の記載等)の規定に違反して、調査記録簿等(同項 に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項 に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項 の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかつた者
二  第五十二条の三十九第二項、第五十二条の五十二、第五十二条の七十八第一項、第五十二条の七十九若しくは第五十二条の八十三第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三  第五十二条の四十第一項(第五十二条の二の十において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定に違反した者
四  第五十二条の四十第二項(第五十二条の二の十において準用する場合を含む。)の規定に違反して、第五十二条の四十第一項の標識又はこれに類似する標識を掲示した者
五  第五十二条の六十八第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
六  第五十二条の八十三第三項若しくは第五十二条の八十四第三項の規定による通知をせず、又は虚偽の通知をした者

第六十四条  法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一  第六十一条第四号又は第六十二条 三億円以下の罰金刑
二  第六十二条の二(第二号を除く。)、第六十三条第一号から第四号まで、第七号、第八号若しくは第十号又は第六十三条の二第一号 二億円以下の罰金刑
三  第六十三条の二の二 一億円以下の罰金刑
四  第六十一条(第四号を除く。)、第六十一条の二、第六十二条の二第二号、第六十三条第五号から第六号の二まで若しくは第九号、第六十三条の二第二号又は第六十三条の二の四から前条まで 各本条の罰金刑
2  前項の規定により法人でない団体を処罰する場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第六十五条  次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした銀行(銀行が第四十一条第一号から第三号までのいずれかに該当して第四条第一項の内閣総理大臣の免許が効力を失つた場合における当該銀行であつた会社を含む。)の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、支配人若しくは清算人、外国銀行の代表者、代理人若しくは支配人、銀行議決権大量保有者(銀行議決権大量保有者が銀行議決権大量保有者でなくなつた場合における当該銀行議決権大量保有者であつた者を含み、銀行議決権大量保有者が法人等(法人及び第三条の二第一項第一号に掲げる法人でない団体をいう。以下この条において同じ。)であるときは、その取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、代表者、管理人、支配人、業務を執行する社員又は清算人)、銀行主要株主(銀行主要株主が銀行主要株主でなくなつた場合における当該銀行主要株主であつた者を含み、銀行主要株主が法人等であるときは、その取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、代表者、管理人、支配人、業務を執行する社員又は清算人)、特定主要株主(特定主要株主が銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者でなくなつた場合における当該特定主要株主であつた者を含み、特定主要株主が法人等であるときは、その取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、代表者、管理人、支配人、業務を執行する社員又は清算人)、銀行持株会社(銀行持株会社が銀行持株会社でなくなつた場合における当該銀行持株会社であつた会社を含む。)の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、支配人若しくは清算人、特定持株会社(特定持株会社が銀行を子会社とする持株会社でなくなつた場合における当該特定持株会社であつた会社を含む。)の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、支配人、業務を執行する社員若しくは清算人又は銀行代理業者(銀行代理業者が法人であるときは、その取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、理事、監事、代表者、業務を執行する社員又は清算人)は、百万円以下の過料に処する。
一  第五条第三項、第六条第三項、第八条第二項若しくは第三項又は第四十七条の二の規定による内閣総理大臣の認可を受けないでこれらの規定に規定する行為をしたとき。
二  第七条第一項又は第五十二条の十九第一項の規定に違反して他の会社の常務に従事したとき。
三  第十二条又は第五十二条の二十一第一項の規定に違反して他の業務を営んだとき。
四  第八条第一項、第十六条第一項、第三十四条第一項、第三十六条第一項、第三十八条、第四十九条、第五十二条第一項若しくは第三項、第五十二条の二第二項、第五十二条の二の九、第五十二条の三十九第一項、第五十二条の四十七、第五十二条の四十八、第五十二条の六十一第三項若しくは第五十三条第一項から第四項までの規定に違反して、これらの規定による届出、公告若しくは掲示をせず、又は虚偽の届出、公告若しくは掲示をしたとき。
五  第十六条の二第一項の規定に違反して同項に規定する子会社対象会社以外の会社(第十六条の三第一項に規定する国内の会社を除く。)を子会社としたとき又は第五十二条の二十三第一項の規定に違反して同項に規定する子会社対象会社以外の会社(第五十二条の二十四第一項に規定する国内の会社を除く。)を子会社としたとき。
六  第十六条の二第四項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで同項に規定する子会社対象銀行等を子会社としたとき又は同条第六項において準用する同条第四項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで同条第一項各号に掲げる会社を当該各号のうち他の号に掲げる会社(同条第四項に規定する子会社対象銀行等に限る。)に該当する子会社としたとき。
七  第十六条の三第一項若しくは第二項ただし書又は第五十二条の二十四第一項若しくは第二項ただし書の規定に違反したとき。
八  第十六条の三第三項若しくは第五項又は第五十二条の二十四第三項若しくは第五項の規定により付した条件に違反したとき。
九  第十八条の規定に違反して資本準備金又は利益準備金を計上しなかつたとき。
十  第二十六条第一項、第五十二条の十四第一項若しくは第五十二条の三十三第一項の規定に違反して改善計画の提出をせず、又は第二十六条第一項の規定による命令(業務の全部又は一部の停止の命令を除く。)若しくは第二十九条、第五十二条の十三、第五十二条の十四、第五十二条の十五第一項、第五十二条の三十三第一項若しくは第三項若しくは第五十二条の五十五の規定による命令に違反したとき。
十一  第三十四条第五項(第三十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して事業の譲渡又は譲受けをしたとき。
十二  第四十八条、第五十二条第二項若しくは第五十二条の二の八の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
十二の二  第四十九条の二第二項において準用する会社法第九百四十一条 (電子公告調査)の規定に違反して同条 の調査を求めなかつたとき。
十三  第五十二条の二の十一第一項、第五十二条の三第一項、第三項若しくは第四項、第五十二条の四第一項若しくは第二項、第五十二条の五、第五十二条の六、第五十二条の九第三項若しくは第五十二条の十七第二項若しくは第四項の規定による提出若しくは届出をせず、又は虚偽の提出若しくは届出をしたとき。
十四  第五十二条の九第一項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで、同項各号に掲げる取引若しくは行為により銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者になつたとき又は銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者である会社その他の法人を設立したとき。
十五  第五十二条の九第二項の規定に違反して同項に規定する猶予期限日を超えて銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であつたとき。
十六  第五十二条の九第四項の規定による命令に違反して銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であつたとき又は第五十二条の十五第二項の規定に違反して同項に規定する内閣総理大臣が指定する期間を超えて銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者であつたとき。
十七  第五十二条の二十三第三項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで同項に規定する子会社対象銀行等を子会社としたとき若しくは同条第五項において準用する同条第三項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで同条第一項各号に掲げる会社を当該各号のうち他の号に掲げる会社(同条第三項に規定する子会社対象銀行等に限る。)に該当する子会社としたとき又は第五十二条の二十三の二第六項において準用する同条第三項の規定による内閣総理大臣の認可を受けないで特例子会社対象会社を同項の認可に係る特例子会社対象業務以外の特例子会社対象業務を営む持株特定子会社としたとき。
十八  第五十二条の四十三(第五十二条の二の十において準用する場合を含む。)の規定により行うべき財産の管理を行わないとき。
十九  第五十二条の四十九(第五十二条の二の十において準用する場合を含む。)の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成したとき。
二十  第五十四条第一項の規定により付した条件(第八条第二項若しくは第三項、第十六条の二第四項(同条第六項において準用する場合を含む。)、第三十条第一項から第三項まで、第三十七条第一項、第四十七条の二、第五十二条の二第一項、第五十二条の九第一項若しくは第二項ただし書、第五十二条の二十三第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)、第五十二条の二十三の二第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)又は第五十二条の三十五第一項から第三項までの規定による認可に係るものに限る。)に違反したとき。
二十一  第五十七条の四の規定による登記をしなかつたとき。

第六十六条  次のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。
一  第六条第二項の規定に違反してその名称又は商号中に銀行であることを示す文字を使用した者
二  第四十九条の二第二項において準用する会社法第九百四十六条第三項 (調査の義務等)の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三  正当な理由がないのに、第四十九条の二第二項において準用する会社法第九百五十一条第二項 各号(財務諸表等の備置き及び閲覧等)又は第九百五十五条第二項 各号(調査記録簿等の記載等)に掲げる請求を拒んだ者
四  第五十二条の七十六の規定に違反した者

第六十七条  第五十二条の七十七の規定に違反してその名称又は商号中に、指定紛争解決機関と誤認されるおそれのある文字を使用した者は、十万円以下の過料に処する。

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