(全国連合会債の発行)
第五十四条の二の四 全国を地区とする信用金庫連合会(以下この章において「全国連合会」という。)は、出資の総額及び準備金(準備金として政令で定めるものをいう。)の額の合計額の十倍に相当する金額を限度として、全国連合会債(第五十四条の四に規定する短期債を除く。以下この条及び次条において同じ。)を発行することができる。
2 全国連合会は、前項の全国連合会債を発行しようとするときは、その発行に関する事項を定款で定めなければならない。
3 全国連合会は、第一項の全国連合会債の発行に関する業務を行おうとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
(全国連合会債の借換発行の場合の特例)
第五十四条の三 全国連合会は、その発行した全国連合会債の借換えのため、一時前条第一項に規定する限度を超えて全国連合会債を発行することができる。
2 前項の規定により全国連合会債を発行したときは、発行後一月以内にその全国連合会債の金額に相当する額の発行済みの全国連合会債を償還しなければならない。
(短期債の発行)
第五十四条の四 全国連合会は、次に掲げる要件のすべてに該当する全国連合会債(次項及び第三項において「短期債」という。)を発行することができる。
一 各全国連合会債の金額が一億円を下回らないこと。
二 元本の償還について、全国連合会債の総額の払込みのあつた日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
三 利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
2 短期債については、全国連合会債原簿を作成することを要しない。
3 短期債については、次条の規定は、適用しない。
(発行の届出) 第五十四条の五 全国連合会は、全国連合会債を発行しようとするときは、その都度、その金額及び条件をあらかじめ内閣総理大臣に届け出なければならない。
(全国連合会債の種別等)
第五十四条の六 全国連合会債の債券を発行する場合において、当該債券は、無記名式とする。ただし、応募者又は所有者の請求により記名式とすることができる。
2 全国連合会は、全国連合会債を発行する場合においては、割引の方法によることができる。
(全国連合会債の発行方法) 第五十四条の七 全国連合会は、全国連合会債を発行する場合においては、募集又は売出しの方法によることができる。
(全国連合会債を引き受ける者の募集に関する事項の決定) 第五十四条の八 全国連合会は、全国連合会債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集全国連合会債(当該募集に応じて当該全国連合会債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる全国連合会債をいう。以下同じ。)についてその総額、利率その他の政令で定める事項を定めなければならない。
(募集全国連合会債の申込み)
第五十四条の九 全国連合会は、前条の募集に応じて募集全国連合会債の引受けの申込みをしようとする者に対し、同条に規定する事項その他内閣府令で定める事項(第四項及び第五項において「通知事項」という。)を通知しなければならない。
2 前条の募集に応じて募集全国連合会債の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を全国連合会に交付しなければならない。
一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
二 引き受けようとする募集全国連合会債の金額及びその金額ごとの数
三 前二号に掲げるもののほか内閣府令で定める事項
3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、全国連合会の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
4 第一項の規定は、全国連合会が通知事項を記載した金融商品取引法第二条第十項 に規定する目論見書を第一項 の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他募集全国連合会債の引受けの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして内閣府令で定める場合には、適用しない。
5 全国連合会は、通知事項について変更があつたときは、直ちに、その旨及び当該変更があつた事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。
6 全国連合会が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該全国連合会に通知した場合にあつては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであつた時に、到達したものとみなす。
(募集全国連合会債の割当て)
第五十四条の十 全国連合会は、申込者の中から募集全国連合会債の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該募集全国連合会債の金額及び金額ごとの数を定めなければならない。この場合において、全国連合会は、当該申込者に割り当てる募集全国連合会債の金額ごとの数を、前条第二項第二号の数よりも減少し、又はないものとすることができる。
2 全国連合会は、政令で定める期日の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる募集全国連合会債の金額及びその金額ごとの数を通知しなければならない。
(募集全国連合会債の申込み及び割当てに関する特則) 第五十四条の十一 前二条の規定は、募集全国連合会債を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
(募集全国連合会債の債権者)
第五十四条の十二 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める募集全国連合会債の債権者となる。
一 申込者 全国連合会の割り当てた全国連合会債
二 前条の契約により全国連合会債の総額を引き受けた者 その者が引き受けた全国連合会債
(売出しの公告) 第五十四条の十三 全国連合会は、売出しの方法により全国連合会債を発行しようとするときは、政令で定める事項を公告しなければならない。
(債券の記載事項) 第五十四条の十四 全国連合会債の債券には、政令で定める事項を記載し、全国連合会の理事が署名し、又は記名押印しなければならない。
(全国連合会債原簿)
第五十四条の十五 全国連合会は、全国連合会債を発行した日以後遅滞なく、全国連合会債原簿を作成し、これに政令で定める事項(次項において「全国連合会債原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。
2 全国連合会債の債権者(無記名全国連合会債(無記名式の全国連合会債券が発行されている全国連合会債をいう。)の債権者を除く。)は、全国連合会債を発行した全国連合会に対し、当該全国連合会債の債権者についての全国連合会債原簿に記載され、若しくは記録された全国連合会債原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該全国連合会債原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。
3 前項の書面には、全国連合会の代表理事が署名し、又は記名押印しなければならない。
4 第二項の電磁的記録には、全国連合会の代表理事が内閣府令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5 前三項の規定は、当該全国連合会債について債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。
(全国連合会債原簿の備置き及び閲覧等)
第五十四条の十六 全国連合会は、全国連合会債原簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。
2 全国連合会債の債権者その他の内閣府令で定める者は、全国連合会の業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一 全国連合会債原簿が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 全国連合会債原簿が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3 全国連合会は、前項の請求があつたときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
一 当該請求を行う者がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行つたとき。
二 当該請求を行う者が全国連合会債原簿の閲覧又は謄写によつて知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行つたとき。
三 当該請求を行う者が、過去二年以内において、全国連合会債原簿の閲覧又は謄写によつて知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
(全国連合会債の消滅時効) 第五十四条の十七 全国連合会の発行する全国連合会債の消滅時効は、元本については十五年、利子については五年で完成する。
(通貨及証券模造取締法 の準用) 第五十四条の十八 通貨及証券模造取締法 (明治二十八年法律第二十八号)は、全国連合会債の債券の模造について準用する。
第五十四条の十九 削除
(政令への委任) 第五十四条の二十 この章に定めるもののほか、全国連合会の発行する全国連合会債に関し必要な事項は、政令で定める。