(会員たる資格)
第十条 信用金庫の会員たる資格を有する者は、次に掲げる者で定款で定めるものとする。ただし、第一号又は第二号に掲げる者に該当する個人にあつてはその常時使用する従業員の数が三百人を超える事業者を除くものとし、第一号又は第二号に掲げる者に該当する法人にあつてはその常時使用する従業員の数が三百人を超え、かつ、その資本金の額又は出資の総額が政令で定める金額を超える事業者を除くものとする。
一 その信用金庫の地区内に住所又は居所を有する者
二 その信用金庫の地区内に事業所を有する者
三 その信用金庫の地区内において勤労に従事する者
四 前三号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者
2 信用金庫連合会の会員たる資格を有する者は、その連合会の地区の一部を地区とする信用金庫であつて、定款で定めるものとする。
(出資)
第十一条 会員(信用金庫及び信用金庫連合会の会員をいう。以下同じ。)は、出資一口以上を有し、かつ、その出資額は、第五条第一項に規定する政令で定める区分に応じ、政令で定める金額以上で定款で定めるところによらなければならない。
2 前項の政令で定める金額は、信用金庫の会員にあつては五千円、信用金庫連合会の会員にあつては十万円をそれぞれ下回つてはならない。
3 出資の一口の金額は、均一でなければならない。
4 一会員の出資口数は、出資総口数の百分の十をこえてはならない。
5 会員の責任は、その出資額を限度とする。
6 会員は、出資の払込について、相殺をもつて金庫に対抗することができない。
(議決権)
第十二条 会員は、各一個の議決権を有する。
2 会員は、定款の定めるところにより、第四十五条の規定により、あらかじめ通知のあつた事項につき、書面又は代理人をもつて議決権を行使することができる。ただし、他の会員でなければ、代理人となることができない。
3 会員は、定款の定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。第六十五条第二項第九号を除き、以下同じ。)により行使することができる。
4 前二項の規定により議決権を行使する者は、総会における出席者とみなす。
5 代理人は、代理権を証明する書面を金庫に提出しなければならない。
6 代理人は、前項の代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、金庫の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
7 代理人による代理権の行使については会社法第三百十条第四項 から第七項 まで(議決権の代理行使)の規定を、書面による議決権の行使については同法第三百十一条 (第二項を除く。)(書面による議決権の行使)の規定を、電磁的方法による議決権の行使については同法第三百十二条 (電磁的方法による議決権の行使)の規定を準用する。この場合において、同法第三百十条第四項 及び第三百十二条第二項 中「第二百九十九条第三項 」とあるのは「信用金庫法第四十五条第四項」と、同法第三百十条第四項中「前項」とあるのは「同法第十二条第六項」と、同条第六項中「第三項」とあるのは「信用金庫法第十二条第六項」と、同条第七項中「株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)」とあるのは「会員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(加入) 第十三条 金庫に加入しようとする者は、定款の定めるところにより加入につき金庫の承諾を得て引受出資口数に応ずる金額の払込を了した時又は会員の持分の全部若しくは一部を承継した時に会員となる。
第十四条 死亡した会員の相続人で会員たる資格を有するものが、金庫に対し定款で定める期間内に加入の申出をしたときは、前条の規定にかかわらず、相続開始の時に会員になつたものとみなす。この場合においては、相続人たる会員は、被相続人の持分について、その権利義務を承継する。 2 死亡した会員の相続人が数人あるときは、相続人の同意をもつて選定された一人の相続人に限り、前項の規定を適用する。
(持分の譲渡)
第十五条 会員は、金庫の承諾を得て、会員又は会員たる資格を有する者にその持分を譲り渡すことができる。
2 会員たる資格を有する者が持分を譲り受けようとするときは、金庫の承諾を得なければならない。
3 持分の譲受人は、その持分について、譲渡人の権利義務を承継する。
4 会員は、持分を共有することができない。
(自由脱退)
第十六条 会員は、何時でも、その持分の全部の譲渡によつて脱退することができる。この場合において、その譲渡を受ける者がないときは、会員は、金庫に対し、定款で定めるところによりその持分を譲り受けるべきことを、請求することができる。
2 信用金庫は、前項後段の場合において、その譲受けにより有することとなる持分が政令で定める限度をこえることができないことを定款で定めなければならない。
(法定脱退)
第十七条 会員は、次の事由によつて脱退する。
一 会員たる資格の喪失
二 死亡又は解散
三 破産手続開始の決定
四 除名
五 持分の全部の喪失
2 会員は、その出資額が金庫の出資一口の金額の減少その他やむを得ない理由により第十一条第一項に定める出資の最低限度額に満たないこととなり、かつ、その満たないこととなつた日から一年以内に当該最低限度額に達しない場合には、その期間を経過した日に脱退する。
3 除名は、定款の定める事由に該当する会員につき、総会の決議によつてすることができる。この場合においては、金庫は、その総会の会日の十日前までに、その会員に対しその旨を通知し、かつ、総会において弁明する機会を与えなければならない。
4 除名は、除名した会員にその旨を通知しなければ、これをもつてその会員に対抗することができない。
(脱退者の持分の払戻)
第十八条 会員は、前条第一項第一号から第四号まで又は第二項の規定により脱退したときは、定款の定めるところにより、その持分の全部又は一部の払戻を請求することができる。
2 前項の持分は、脱退した事業年度の終における金庫の財産によつて定める。
(時効) 第十九条 前条第一項の規定による請求権は、脱退の時から二年間行わないときは、時効に因つて消滅する。
(払戻の停止) 第二十条 金庫は、脱退した会員が金庫に対する債務を完済するまでは、その持分の払戻を停止することができる。
(金庫の持分取得の禁止)
第二十一条 金庫は、会員の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。ただし、金庫が権利を実行するため必要がある場合又は第十六条の規定により譲り受ける場合においては、この限りでない。
2 金庫が前項ただし書の規定によつて会員の持分を取得したときは、速やかに、これを処分しなければならない。