(目的) 第一条 この法律は、国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資するため、協同組織による信用金庫の制度を確立し、金融業務の公共性にかんがみ、その監督の適正を期するとともに信用の維持と預金者等の保護に資することを目的とする。
(人格) 第二条 信用金庫及び信用金庫連合会(以下「金庫」と総称する。)は、法人とする。
(住所) 第三条 金庫の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。
(事業免許) 第四条 金庫の事業は、内閣総理大臣の免許を受けなければ行うことができない。
(出資の総額の最低限度)
第五条 金庫の出資の総額は、政令で定める区分に応じ、政令で定める額以上でなければならない。
2 前項の政令で定める額は、信用金庫の出資の総額にあつては一億円、全国を地区とする信用金庫連合会の出資の総額にあつては百億円、その他の信用金庫連合会の出資の総額にあつては十億円をそれぞれ下回つてはならない。
(名称)
第六条 金庫は、その名称中に次の文字を用いなければならない。
一 信用金庫にあつては信用金庫
二 全国を地区とする信用金庫連合会にあつては信金中央金庫
三 信用金庫連合会(前号に掲げるものを除く。)にあつては信用金庫連合会
2 この法律によつて設立された金庫及び他の法律によつてその名称又は商号中に金庫という文字を用いる者を除き、金銭の貸付(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付を含む。)その他政令で定める投資を業として行う者は、その名称又は商号中に金庫という文字を用いてはならない。
3 金庫の名称については、会社法 (平成十七年法律第八十六号)第八条 (会社と誤認させる名称等の使用の禁止)の規定を準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(数) 第六条の二 全国を地区とする信用金庫連合会は、全国を通じて一個とする。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 との関係)
第七条 次に掲げる金庫は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 (昭和二十二年法律第五十四号。以下この条において「私的独占禁止法」という。)の適用については、私的独占禁止法第二十二条第一号 に掲げる要件を備える組合とみなす。
一 信用金庫であつて、その会員である事業者が次のいずれかに掲げる者であるもの
イ その常時使用する従業員の数が三百人を超えない事業者
ロ その資本金の額又は出資の総額が政令で定める金額を超えない法人である事業者
二 前号に掲げる信用金庫をもつて組織する信用金庫連合会
2 前項各号に掲げる金庫以外の金庫が私的独占禁止法第二十二条第一号 の要件を備える組合に該当するかどうかの判断は、公正取引委員会の権限に属する。
3 第一項第一号ロの規定に基づき政令で金額を定める場合には、小規模の事業者の相互扶助に資するとともに公正かつ自由な競争の確保を図る見地から定めるものとする。
(登記) 第八条 この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(監督機関) 第九条 内閣総理大臣は、この法律の定めるところにより、金庫を監督する。
(会社法 の規定を準用する場合の読替え) 第九条の二 この法律の規定(第八十七条の四第四項を除く。)において会社法 の規定を準用する場合には、特別の定めがある場合を除き、同法 の規定中「取締役」とあるのは「理事」と、「監査役」とあるのは「監事」と、「会社」とあり、「株式会社」とあり、及び「監査役設置会社」とあるのは「金庫(信用金庫法第二条に規定する金庫をいう。)」と、「会計監査人設置会社」とあるのは「特定金庫(信用金庫法第三十八条の二第三項に規定する特定金庫をいう。)」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「支店」とあるのは「従たる事務所」と、「子会社」とあるのは「子会社(信用金庫法第三十二条第六項に規定する子会社その他金庫がその経営を支配している法人として内閣府令で定めるものをいう。)」と、「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、「株主」とあるのは「会員」と、「株主総会」とあるのは「総会」と、「定時株主総会」とあるのは「通常総会」と、「取締役会」とあるのは「理事会」と、「営業時間」とあるのは「業務取扱時間」と読み替えるものとする。