(商工協同組合法等の廃止)
第一条 左に掲げる法律は、廃止する。
商工協同組合法(昭和二十一年法律第五十一号)
林業会法(昭和二十一年法律第三十五号)
市街地信用組合法(昭和十八年法律第四十五号)
(現存する商工協同組合等)
第三条 この法律施行(市街地信用組合にあつては市街地信用組合法の廃止。以下同じ。)の際現に存する商工協同組合及び商工協同組合中央会、林業会及び林産組合、市街地信用組合、蚕糸協同組合並びに塩業組合及び塩業組合連合会(以下「旧組合」と総称する。)については、第一条に掲げる法律、改正前の蚕糸業法並びに塩専売法(昭和二十四年法律第百十二号)附則第十五項の規定によりなお効力を有する旧塩専売法(明治三十八年法律第十一号)(以下「旧法」と総称する。)は、この法律施行後でも、なおその効力を有する。
2 旧組合であつて、この法律施行の日から起算して八箇月(商工協同組合中央会にあつては三箇月)を経過した時に現に存するもの(清算中のものを除く。)は、その時に解散する。
3 裁判所は、公益上必要があると認めるときは、利害関係人又は行政庁の申立により、旧組合に対し、解散を命ずることができる。この場合は、その旧組合は、その命令によつて解散する。
(中小企業等協同組合への組織変更)
第四条 旧組合は、総会の議決を経て、前条第二項の期間内に中小企業等協同組合法 (昭和二十四年法律第百八十一号。以下「新法」という。)による中小企業等協同組合になることができる。この場合において、その旧組合の定款又は組織が新法 の規定に反するときは、定款の変更その他必要な行為をしなければならない。
2 前項の規定による旧組合の定款の変更は、旧法の規定にかかわらず、行政庁の認可を受けることを要しない。
3 第一項の場合において、旧組合の役員は、第六条の規定による役員の改選があるまで、組合の役員として、引き続きその職にあるものとする。
第五条 前条第一項の規定による中小企業等協同組合への組織変更は、第三条第二項の期間内に、主たる事務所の所在地において、新法第八十三条第二項 の事項を登記することによつて、その効力を生ずる。
2 前項の登記については、新法第八十三条第三項 、第九十二条第一項、第九十三条第一項及び第二項並びに第九十四条の規定を準用する。
3 第一項の登記の申請書には、その旧組合の主たる事務所の所在地で登記をする場合を除いて、その旧組合の登記簿の謄本を添附しなければならない。
4 旧組合の主たる事務所の所在地で、第一項の規定による登記をしたときは、登記官吏は、職権で、その旧組合の登記用紙にその事由を記載して、その登記用紙を閉鎖しなければならない。
5 旧組合の主たる事務所の所在地以外の地で、第一項の規定による登記をしたときは、登記官吏は、その旧組合の主たる事務所の所在地の登記所に対し、その旨を通知しなければならない。
6 前項の通知があつた場合については、第四項の規定を準用する。
7 第四項(前項において準用する場合を含む。)の手続をしたときは、登記官吏は、その旧組合の従たる事務所の所在地の登記所に対し、その旨を通知しなければならない。
8 前項の通知があつた場合については、第四項の規定を準用する。
第六条 第四条第一項の規定により、旧組合が中小企業等協同組合になつたときは、前条第一項の登記をした日から九十日以内に、役員全部の改選を行わなければならない。
第七条 第四条第一項の規定により、旧組合が中小企業等協同組合になつたときは、その旧組合の組合員のうち中小企業等協同組合の組合員たる資格を有しない者は、中小企業等協同組合への組織変更が効力を生じた時に、旧組合を脱退したものとみなす。
2 第四条第一項の場合において、旧組合の従前の組合員の持分の上に存した質権は、その組合員が中小企業等協同組合の組合員となつたときは、その者の有すべき新法第二十条第一項 の規定による払戻請求権、第五十九条又は第八十二条第二項の規定による配当請求権及び組合が解散した場合における財産分配請求権の上に存するものとする。
3 第四条第一項の場合において中小企業等協同組合が従前旧組合として行つていた事業の範囲を縮小したときは、その縮小した事業の残務を処理するために必要な行為は、新法 の規定にかかわらず行うことができる。
第八条 林業会については、前四条の規定を適用しない。
第九条 塩業組合が第四条第一項の規定により中小企業等協同組合になつた場合において、その塩業組合が保証責任の組合であつたときは、塩業組合の組合員で中小企業等協同組合の組合員になつたものは、組織変更前に生じた塩業組合の債務については、旧塩専売法第十七条ノ八第三項但書の規定による責任を免れることができない。 2 前項の責任は、第四条第一項の規定による組織変更の後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
(貸付の継続) 第十条 市街地信用組合が第四条第一項の規定により中小企業等協同組合になつたときは、その中小企業等協同組合は、新法第七十六条 又は第七十七条 の規定にかかわらず、その市街地信用組合の組合員で組織変更の時に組合を脱退したものに対し、組織変更の際に存した貸付を継続することができる。
(協同組合連合会による財産承継)
第十一条 第三条第二項の規定により解散した旧組合(以下「解散組合」という。)の組合員たる旧組合であつて第四条第一項の規定により中小企業等協同組合になつたものが会員となつている協同組合連合会は、解散組合に対し、財産の分割に関する協議を求めることができる。
2 前項の場合において相当の期間内に協議が整わないとき、又は協議をすることができないときは、行政庁は、当事者双方の申請により、その裁定をすることができる。この場合において、裁定があつたときは、前項の協議が整つたものとみなす。
3 前項の裁定の取消又は変更を求める訴は、裁定のあつたことを知つた日から三十日を経過したときは、提起することができない。
4 第一項の協議又は第二項の裁定の定めるところにより財産の帰属があつたときは、協同組合連合会の会員は、その財産の帰属の時に、その者が解散組合において有していた持分の額の割合に応じてその財産の価額を分割して得た額に相当する額の持分を取得したものとし、その全部又は一部を協同組合連合会の出資に引き当てることができる。この場合は、その者は、その財産の帰属の時に、解散組合を脱退し、且つ、解散組合からその持分の払戻を受けたものとみなす。
5 第一項の協議又は第二項の裁定の定めるところにより協同組合連合会に帰属する財産の額の解散組合の財産の総額に対する割合は、解散組合の組合員の持分の総額のうち解散組合の組合員でその協同組合連合会の会員たるものの持分の総額の占める割合をこえてはならない。
6 前二項の規定の適用については、持分の額は、第一項の協議が整つた時又は第二項の裁定があつた時以前でこれに最も近い時において、その解散組合の定款の定めるところにより算定された持分の額による。
(中小企業等協同組合による財産承継) 第十二条 旧組合の組合員たる者の一部を組合員とする中小企業等協同組合は、その旧組合に対し、財産の分割に関する協議を求めることができる。この場合については、前条の規定を準用する。
(農業協同組合への組織変更)
第十三条 農業協同組合法 (昭和二十二年法律第百三十二号)による農業協同組合又は農業協同組合連合会の組合員又は会員たる資格を有する者を組合員とする林産組合又は蚕糸協同組合は、総会の議決を経て、第三条第二項の期間内に、農業協同組合又は農業協同組合連合会になることができる。この場合において、その林産組合又は蚕糸協同組合の定款又は組織が農業協同組合法 の規定に反するときは、定款の変更その他必要な行為をしなければならない。
2 前項の規定による農業協同組合又は農業協同組合連合会への組織変更については、第四条第二項及び第三項、第六条、第七条並びに農業協同組合法第五十九条 から第六十一条 まで(設立の認可)の規定を準用する。
3 第一項の規定による農業協同組合又は農業協同組合連合会への組織変更は、第三条第二項の期間内に、主たる事務所の所在地において、農業協同組合法第七十四条第二項 の事項を登記することによつて、その効力を生ずる。
4 前項の登記については、第五条第三項から第八項まで並びに農業協同組合法第七十四条第三項 、第八十二条第一項、第八十三条及び第八十四条(設立の登記)の規定を準用する。
(農業協同組合による財産承継)
第十四条 林業会若しくは林産組合の会員若しくは組合員たる林産組合又は蚕糸協同組合の組合員たる蚕糸協同組合であつて、前条第一項の規定により農業協同組合又は農業協同組合連合会になつたものが会員となつている農業協同組合連合会は、その林業会若しくは林産組合又は蚕糸協同組合に対し、財産の分割に関する協議を求めることができる。
2 林産組合又は蚕糸協同組合の組合員たる者の一部を組合員又は会員とする農業協同組合又は農業協同組合連合会は、その林産組合又は蚕糸協同組合に対し、財産の分割に関する協議を求めることができる。
3 前二項の場合については、第十一条の規定を準用する。
(財産承継の場合の金融機関再建整備法 の適用) 第十五条 預金等の受入をすることができる旧組合の財産を承継した中小企業等協同組合は、金融機関再建整備法 (昭和二十一年法律第三十九号)第三十七条の八第一項 (調整勘定)及び第四十二条の二 から第四十二条の五 まで(退職金)の規定の適用については、これらの規定の定める譲渡金融機関からその事業の全部又は一部の譲渡を受けた金融機関とみなす。
(財産承継の場合の所得の計算) 第十六条 旧組合の財産のうち、第十一条、第十二条又は第十四条の規定により中小企業等協同組合又は農業協同組合若しくは農業協同組合連合会に帰属した財産の価格は、法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)による所得の計算上、その中小企業等協同組合又は農業協同組合若しくは農業協同組合連合会の益金及びその旧組合の損金に算入しない。
第十七条 削除
第十八条 削除
(財産承継の場合の地方税) 第十九条 第四条又は第十一条から第十四条までの規定により財産を承継する場合においては、その移転に関しては、地方公共団体は、地方税を課することができない。
(産業組合の信用協同組合への組織変更)
第二十条 この法律施行の際現に存する旧産業組合法(明治三十三年法律第三十四号)による信用事業を行う産業組合又はその合併によつて設立した産業組合は、総会の議決を経て、第三条第二項の期間内に新法 による信用協同組合になることができる。この場合において、その産業組合の定款又は組織が新法 の規定に反するときは、定款の変更その他必要な行為をしなければならない。
2 前項の産業組合が同項の規定により信用協同組合になつた場合において、その産業組合が無限責任又は保証責任の組合であつたときは、産業組合の組合員で信用協同組合の組合員になつたものは、組織変更前に生じた産業組合の債務については、旧産業組合法第二条第二項の規定による責任を免れることができない。
3 前項の規定による責任は、第一項の規定による組織変更の後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
4 第一項の規定による組織変更については、第四条第二項及び第三項、第五条から第七条まで並びに前三条の規定を準用する。
(関係法令改正の経過規定) 第三十三条 旧組合については、第二十一条、第二十二条、第二十四条、第二十五条及び前四条の規定にかかわらず、この法律施行後でも、なお従前の例による。
(罰則の経過規定) 第三十四条 この法律施行前(旧組合については、第三条第一項の規定により効力を有する旧法の失効前)にした行為に対する罰則の適用については、この法律施行後(旧組合については、同条同項の規定により効力を有する旧法の失効後)でも、なお従前の例による。
(蚕糸業法の経過規定) 第三十五条 蚕糸業法第三十一条第三項、第三十九条及び第五十一条(但し、第三十九条において第二十三条第二項を準用する場合に限る。)の適用については、第二条の規定にかかわらずなお従前の例による。
(中小企業等協同組合の解散の特例等)
第三十六条 昭和五十六年十月一日において、最後の登記をした後十年を経過している中小企業等協同組合は、その日に解散したものとみなす。
2 前項の規定により解散したものとみなされた中小企業等協同組合は、同項に定める日から三年以内に、総会において、総組合員又は総会員の半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上の多数による議決を行うことにより、中小企業等協同組合を継続することができる。
3 前項の規定による決議は、新法第百十一条第一項 の行政庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。
4 第二項の規定により中小企業等協同組合を継続する場合には、前項の認可があつた日から、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に継続の登記をしなければならない。
5 前項の規定による中小企業等協同組合の継続の登記の申請書には、第二項の規定による決議があつたことを証する書面を添付しなければならない。
6 第一項の規定による中小企業等協同組合の解散の登記については、商業登記法 (昭和三十八年法律第百二十五号)第九十一条の二 (職権による解散の登記)の規定を準用する。
7 第二項の規定による中小企業等協同組合の継続については、新法第五十五条第七項 の規定を準用する。
8 第三項の認可については、新法第二十七条の二第四項 から第六項 までの規定を準用する。
9 第三項の規定による行政庁の権限については、新法第百十一条第二項 及び第三項 の規定を準用する。
附 則
この法律は、中小企業等協同組合法施行の日から施行する。但し、第一条中市街地信用組合法の廃止に関する部分は、この法律施行の日から起算して六箇月を経過した日から施行する。
附 則 (昭和四二年六月一二日法律第三六号) 抄
1 この法律は、登録免許税法の施行の日から施行する。
附 則 (昭和五五年六月九日法律第七九号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中中小企業等協同組合法第九条の二第二項、第九条の七の二第一項第一号及び第二項、第九条の七の三、第九条の七の四第一項並びに第五十九条第二項の改正規定、第六条中商店街振興組合法第十三条第二項の改正規定並びに次条及び附則第三条の規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。