平成18年5月施行の会社法により、合同会社(LLC)という新しい会社形態が導入されました。 合同会社(LLC)の特徴は、
- 出資者の責任が有限責任である
- 社内の権限や利益の分配を定款自治により自由に決められる
- 設立時のコストが安い
の3点があげられます。
このうち、株式会社と大きく異なる2番目についてお話します。
株式会社は、株主総会や取締役会などの意思決定機関が規定されているのに対し、合同会社(LLC)は、出資者である全社員に業務を執行する権限があるため、会社としての意思決定は社員の協議により決まり迅速な意思決定が可能になります。
また、株式会社では出資割合にしたがって利益配分を行うのに対し、合同会社(LLC)は、必ずしも出資割合にしたがって分配する必要はなく、社員が協議して自由に分配することができます。
例えば社員Aと社員Bの出資割合が9:1であっても、利益配分を5:5にすることも可能です。
設立時の費用についても株式会社であれば通常約30万円かかるところ、合同会社(LLC)は約15万円ですますことができます。
ただし、合同会社(LLC)は利益の配分を自由に定める事が出来たり、会社の内部組織を、定款で自由に定めることができるというメリットがある反面、社員(共同経営者)同士が対立してしまった場合、「意思決定は原則として社員全員の同意」ということになっているため、トラブルになってしまうことも予想されます。
また、世間のイメージや認知度はまだまだ低いため、「何だかよくわからない」といったイメージが先行し、普通の会社でないと思われることも多いため、対外的な面からいっても安易に選択すべきものではありません。
「商品や事業内容で勝負!」というのは相手からしてみると当り前の話で、世間はあなたが思っている以上に体裁やイメージを意識します。
あなたが、金融機関の担当者や取引先だったら、株式会社と合同会社(LLC)のどちらと取引しますか?
その辺も意識して、株式会社にするか合同会社にするか選択してくださいね!