第四章 管理(第三十一条―第五十七条の二)
第一節 通則
(内閣総理大臣及び厚生労働大臣の認可)
第三十一条 金庫は、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣府令・厚生労働省令で定める場合を除き、内閣総理大臣及び厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
一 定款を変更しようとするとき。
二 業務の種類又は方法を変更しようとするとき。
第二節 役員
(役員)
第三十二条 金庫は、役員として理事及び監事を置かなければならない。
2 理事の定数は、五人以上とし、監事の定数は、二人以上とする。
3 役員は、総会の決議によつて、代議員のうちから選任する。ただし、設立当初の役員は、創立総会の決議によつて、創立総会代議員のうちから選任する。
4 次の各号に掲げる金庫にあつては、前項の規定にかかわらず、監事のうち一人以上は、当該各号に定める者以外の者であつて、その就任の前五年間当該金庫の理事若しくは職員又は当該金庫の子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、執行役若しくは使用人でなかつたものでなければならない。
一 労働金庫(政令で定める規模に達しない労働金庫又はその預金及び定期積金の総額に占める第五十八条第二項第五号に掲げる業務に係る預金及び定期積金の合計額の割合(第四十一条の二第一項において「員外預金比率」という。)が政令で定める割合を下回る労働金庫を除く。) 当該労働金庫の会員(個人会員を除く。)を構成する者(代議員を含む。)又は個人会員
二 労働金庫連合会 当該労働金庫連合会の会員である労働金庫の役員又は職員
5 前項に規定する「子会社」とは、金庫がその総株主等の議決権(総株主又は総出資者の議決権(株式会社にあつては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項(特別清算事件の管轄)の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この条及び第五章の二において同じ。)をいう。以下同じ。)の百分の五十を超える議決権を保有する会社をいう。この場合において、金庫及びその一若しくは二以上の子会社又は当該金庫の一若しくは二以上の子会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社は、当該金庫の子会社とみなす。
6 前項の場合において、金庫又はその子会社が保有する議決権には、金銭又は有価証券の信託に係る信託財産として所有する株式又は持分に係る議決権(委託者又は受益者が行使し、又はその行使について当該金庫若しくはその子会社に指図を行うことができるものに限る。)その他内閣府令・厚生労働省令で定める議決権を含まないものとし、信託財産である株式又は持分に係る議決権で、当該金庫又はその子会社が委託者若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの(内閣府令・厚生労働省令で定める議決権を除く。)及び社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第百四十七条第一項又は第百四十八条第一項の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。
7 第三項の規定は、定款に別段の定めがある場合において、代議員又は創立総会代議員以外の者のうちから役員を選任することを妨げない。ただし、その数は、理事にあつては定数の三分の一(労働金庫連合会の理事にあつては、定数の二分の一)を超えてはならない。
8 理事又は監事のうち、その定数の三分の一を超えるものが欠けたときは、三月以内に補充しなければならない。
(金庫と役員との関係)
第三十三条 金庫と役員との関係は、委任に関する規定に従う。
(役員の資格等)
第三十四条 次に掲げる者は、役員となることができない。
一 法人
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
四 この法律、会社法若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第百九十七条(有価証券届出書虚偽記載等の罪)、第百九十七条の二第一号から第十号の三まで若しくは第十三号(有価証券の無届募集等の罪)、第百九十八条第八号(裁判所の禁止又は停止命令違反の罪)、第百九十九条(報告拒絶等の罪)、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号(訂正届出書の不提出等の罪)、第二百三条第三項(金融商品取引業者等の役職員に対する贈賄罪)若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号(特定募集等の通知書の不提出等の罪)の罪、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第五百四十九条(詐欺更生罪)、第五百五十条(特定の債権者等に対する担保の供与等の罪)、第五百五十二条から第五百五十五条まで(報告及び検査の拒絶等の罪、業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪、管財人等に対する職務妨害の罪)若しくは第五百五十七条(贈賄罪)の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条(詐欺再生罪)、第二百五十六条(特定の債権者に対する担保の供与等の罪)、第二百五十八条から第二百六十条まで(報告及び検査の拒絶等の罪、業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪、監督委員等に対する職務妨害の罪)若しくは第二百六十二条(贈賄罪)の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条(報告及び検査の拒絶等の罪)、第六十六条(承認管財人等に対する職務妨害の罪)、第六十八条(贈賄罪)若しくは第六十九条(財産の無許可処分及び国外への持出しの罪)の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条(詐欺破産罪)、第二百六十六条(特定の債権者に対する担保の供与等の罪)、第二百六十八条から第二百七十二条まで(説明及び検査の拒絶等の罪、重要財産開示拒絶等の罪、業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪、審尋における説明拒絶等の罪、破産管財人等に対する職務妨害の罪)若しくは第二百七十四条(贈賄罪)の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
五 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
(兼職又は兼業の制限)
第三十五条 金庫を代表する理事(以下「代表理事」という。)並びに金庫の常務に従事する役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき者)及び参事は、会員の資格として定款で定めるものに該当しない金庫その他の法人又は団体の常務に従事する役員又は支配人(支配人に相当する者を含む。)である者であつてはならない。ただし、内閣総理大臣及び厚生労働大臣の認可を受けたときは、この限りでない。
2 内閣総理大臣及び厚生労働大臣は、前項ただし書の認可の申請があつたときは、当該申請に係る事項が当該金庫の業務の健全かつ適切な運営を妨げるおそれがないと認める場合でなければ、これを認可してはならない。
3 監事は、当該金庫の理事又は参事その他の職員と兼ねてはならない。
(役員の任期)
第三十六条 理事の任期は、二年以内において定款で定める期間とする。
2 監事の任期は、四年以内において定款で定める期間とする。
3 補欠役員の任期は、前二項の規定にかかわらず、前任者の残任期間とする。
4 設立当初の役員の任期は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、創立総会において定める期間とする。ただし、その期間は、一年を超えてはならない。
5 第一項、第二項及び前項の規定は、定款によつて、第一項、第二項及び前項の任期を任期中の最終の事業年度に関する通常総会の終結の時まで伸長することを妨げない。
(役員に欠員を生じた場合の措置)
第三十七条 役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
(忠実義務)
第三十七条の二 理事は、法令及び定款並びに総会の決議を遵守し、金庫のため忠実にその職務を行わなければならない。
(金庫との取引等の制限)
第三十七条の三 理事は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
一 理事が自己又は第三者のために金庫と取引をしようとするとき。
二 金庫が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において金庫と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。
2 民法(明治二十九年法律第八十九号)第百八条(自己契約及び双方代理)の規定は、前項の承認を受けた同項第一号の取引については、適用しない。
3 第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。
(理事についての会社法の準用)
第三十七条の四 理事については、会社法第三百五十七条第一項(取締役の報告義務)、第三百六十条第一項(株主による取締役の行為の差止め)及び第三百六十一条(取締役の報酬等)の規定を準用する。この場合において、同法第三百五十七条第一項中「株主(監査役設置会社にあっては、監査役)」とあるのは「監事」と、同法第三百六十条第一項中「株式を有する株主」とあるのは「会員である者」と、「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(監事についての会社法の準用)
第三十七条の五 監事については、会社法第三百四十五条第一項から第三項まで(会計参与等の選任等についての意見の陳述)、第三百八十一条(監査役の権限)、第三百八十二条(取締役への報告義務)、第三百八十三条第一項本文、第二項及び第三項(取締役会への出席義務等)並びに第三百八十四条から第三百八十八条まで(株主総会に対する報告義務、監査役による取締役の行為の差止め、監査役設置会社と取締役との間の訴えにおける会社の代表、監査役の報酬等、費用等の請求)の規定を準用する。この場合において、同法第三百四十五条第一項中「会計参与の」とあるのは「監事の」と、同条第二項中「会計参与を辞任した者」とあるのは「監事を辞任した者」と、同条第三項中「第二百九十八条第一項第一号」とあるのは「労働金庫法第四十九条第一項第一号」と、同法第三百八十二条中「取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とあるのは「理事会」と、同法第三百八十六条第一項中「第三百四十九条第四項、第三百五十三条及び第三百六十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社」とあるのは「労働金庫法第三十七条の七第一項の規定にかかわらず、金庫」と、同条第二項中「第三百四十九条第四項」とあるのは「労働金庫法第三十七条の七第一項」と、同項第一号中「第八百四十七条第一項」とあるのは「労働金庫法第四十二条の四において準用する第八百四十七条第一項」と、同項第二号中「第八百四十九条第三項」とあるのは「労働金庫法第四十二条の四において準用する第八百四十九条第三項」と、「第八百五十条第二項」とあるのは「同法第四十二条の四において準用する第八百五十条第二項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(役員の解任)
第三十七条の六 会員(個人会員を除く。)は、総会員(個人会員を除く。)の五分の一以上の連署をもつて、役員の解任を請求することができるものとし、その請求につき総会において承認の決議があつたときは、その請求に係る役員は、その職を失う。
2 前項の規定による解任の請求は、理事の全員又は監事の全員について、同時にしなければならない。ただし、法令又は定款に違反したことを理由として解任を請求するときは、この限りでない。
3 第一項の規定による解任の請求は、解任の理由を記載した書面を金庫に提出してしなければならない。
4 第一項の規定による解任の請求があつたときは、金庫は、その請求を総会の議に付し、かつ、総会の会日の七日前までに、その請求に係る役員に対し、前項の書面を送付し、かつ、総会において弁明する機会を与えなければならない。
5 第四十七条第二項及び第四十八条の規定は、前項の場合について準用する。
(代表理事)
第三十七条の七 代表理事は、金庫の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
2 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
3 代表理事は、定款又は総会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
4 代表理事については、第三十七条、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条(代表者の行為についての損害賠償責任)及び会社法第三百五十四条(表見代表取締役)の規定を準用する。この場合において、同条中「社長、副社長」とあるのは、「理事長、副理事長」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三節 理事会
(理事会の権限等)
第三十八条 金庫は、理事会を置かなければならない。
2 理事会は、すべての理事で組織する。
3 理事会は、次に掲げる職務を行う。
一 金庫の業務執行の決定
二 理事の職務の執行の監督
三 代表理事の選定及び解職
4 理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない。
5 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。
一 重要な財産の処分及び譲受け
二 多額の借財
三 参事その他の重要な使用人の選任及び解任
四 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他金庫の業務の適正を確保するために必要なものとして内閣府令・厚生労働省令で定める体制の整備
6 理事は、三月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。
(理事会の決議)
第三十九条 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合以上)をもつて行う。
2 前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。
3 金庫は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があつたものとみなす旨を定款で定めることができる。
4 理事会の招集については、会社法第三百六十六条(招集権者)及び第三百六十八条(招集手続)の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)」とあるのは「各理事及び各監事」と、同条第二項中「取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)」とあるのは「理事及び監事」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(理事会の議事録の作成、備置き及び閲覧等)
第四十条 理事会の議事については、内閣府令・厚生労働省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもつて作成されているときは、出席した理事及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
2 前項の議事録が電磁的記録をもつて作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、内閣府令・厚生労働省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
3 金庫は、理事会の日(前条第三項の規定により理事会の決議があつたものとみなされた日を含む。)から十年間、第一項の議事録又は前条第三項の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。
4 会員は、その権利を行使する必要があるときは、金庫の業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 議事録等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 議事録等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令・厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
5 金庫の債権者は、役員の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該金庫の議事録等について前項各号に掲げる請求をすることができる。
6 裁判所は、前項の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該金庫又はその子会社(第三十二条第五項に規定する子会社をいう。以下同じ。)に著しい損害を及ぼすおそれがあると認められるときは、前項の許可をすることができない。
第四節 計算書類等の監査等
(計算書類等の作成、備置き及び閲覧等)
第四十一条 金庫は、内閣府令・厚生労働省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案又は損失処理案その他金庫の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして内閣府令・厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)及び業務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
2 前項の計算書類及び業務報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもつて作成することができる。
3 第一項の計算書類及び業務報告並びにこれらの附属明細書は、内閣府令・厚生労働省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。
4 前項の規定により監事の監査を受けた計算書類及び業務報告並びにこれらの附属明細書については、理事会の承認を受けなければならない。
5 金庫は、通常総会の招集の通知に際して、内閣府令・厚生労働省令で定めるところにより、会員に対し、前項の承認を受けた計算書類及び業務報告(監事の監査の報告を含む。)を提供しなければならない。
6 理事は、第四項の規定により理事会において承認を受けた計算書類及び業務報告を通常総会に提出し、又は提供しなければならない。
7 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、通常総会の承認を受けなければならない。
8 理事は、第六項の規定により提出され、又は提供された業務報告の内容を通常総会に報告しなければならない。
9 金庫は、各事業年度に係る計算書類及び業務報告並びにこれらの附属明細書(監事の監査の報告を含む。以下この条において「計算書類等」という。)を通常総会の日の二週間前の日から五年間、主たる事務所に備え置かなければならない。
10 金庫は、計算書類等の写しを通常総会の日の二週間前の日から三年間、従たる事務所に備え置かなければならない。ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であつて、従たる事務所における次項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令・厚生労働省令で定めるものをとつているときは、この限りでない。
11 会員及び金庫の債権者は、金庫の業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該金庫の定めた費用を支払わなければならない。
一 計算書類等が書面をもつて作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 計算書類等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令・厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて金庫の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
(特定金庫の監査)
第四十一条の二 労働金庫(政令で定める規模に達しない労働金庫又は員外預金比率が政令で定める割合を下回る労働金庫を除く。)及び労働金庫連合会は、会計監査人を置かなければならない。
2 前項に規定する労働金庫以外の労働金庫は、定款の定めによつて、会計監査人を置くことができる。
3 特定金庫(第一項に規定する労働金庫及び労働金庫連合会並びに前項の規定により会計監査人を置く労働金庫をいう。以下この条及び第六十二条の四第三号において同じ。)は、前条第一項の計算書類及びその附属明細書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。
4 特定金庫においては、前条第三項の監事の監査及び前項の会計監査人の監査を受けた計算書類及び業務報告並びにこれらの附属明細書については、理事会の承認を受けなければならない。
5 特定金庫は、通常総会の招集の通知に際して、内閣府令・厚生労働省令で定めるところにより、会員に対し、前項の規定により理事会の承認を受けた計算書類及び業務報告(監事及び会計監査人の監査の報告を含む。)を提供しなければならない。
6 特定金庫の理事は、第四項の規定により理事会の承認を受けた計算書類及び業務報告を通常総会に提出し、又は提供しなければならない。
7 前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、通常総会の承認を受けなければならない。
8 特定金庫の理事は、第六項の規定により提出され、又は提供された業務報告の内容を通常総会に報告しなければならない。
9 特定金庫については、第四項の承認を受けた計算書類(剰余金処分案又は損失処理案を除く。以下この項において同じ。)が法令及び定款に従い特定金庫の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして内閣府令・厚生労働省令で定める要件に該当する場合には、当該計算書類については、第七項の規定は、適用しない。この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を通常総会に報告しなければならない。
10 第三項の書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監事と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあつては、その職務を行うべき社員)は、通常総会に出席して意見を述べることができる。
11 特定金庫については、前条第四項から第八項までの規定は、適用しない。
12 特定金庫に対する前条第九項の規定の適用については、同項中「監事の監査」とあるのは、「監事及び会計監査人の監査」とする。
13 特定金庫については、会社法第三百四十三条第一項及び第二項(監査役の選任に関する監査役の同意等)並びに第三百九十条第三項(監査役会の権限等)の規定を準用する。この場合において、同項中「監査役会」とあるのは「監事」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(会計監査人についての会社法の準用)
第四十一条の三 会計監査人については、会社法第三百二十九条第一項(選任)、第三百三十七条(会計監査人の資格等)、第三百三十八条第一項及び第二項(会計監査人の任期)、第三百三十九条(解任)、第三百四十条第一項から第三項まで(監査役等による会計監査人の解任)、第三百四十四条第一項及び第二項(会計監査人の選任に関する監査役の同意等)、第三百四十五条第一項から第三項まで(会計参与等の選任等についての意見の陳述)、第三百九十六条第一項から第五項まで(会計監査人の権限等)、第三百九十七条第一項及び第二項(監査役に対する報告)並びに第三百九十八条第二項(定時株主総会における会計監査人の意見の陳述)の規定を準用する。この場合において、同法第三百三十七条第三項第一号中「第四百三十五条第二項」とあるのは「労働金庫法第四十一条第一項」と、同法第三百四十五条第一項中「会計参与の」とあるのは「会計監査人の」と、同条第二項中「会計参与を辞任した者」とあるのは「会計監査人を辞任した者」と、同条第三項中「第二百九十八条第一項第一号」とあるのは「労働金庫法第四十九条第一項第一号」と、同法第三百九十六条第一項中「次章」とあるのは「労働金庫法第四十一条の二第三項」と、「計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類」とあるのは「同項に規定する書類」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(会計監査人に欠員を生じた場合の措置)
第四十一条の四 会計監査人が欠けた場合又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
2 前項の一時会計監査人の職務を行うべき者については、会社法第三百三十七条(会計監査人の資格等)及び第三百四十条第一項から第三項まで(監査役等による会計監査人の解任)の規定を準用する。この場合において、同法第三百三十七条第三項第一号中「第四百三十五条第二項」とあるのは「労働金庫法第四十一条第一項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第五節 役員等の責任
(役員等の責任)
第四十二条 理事、監事又は会計監査人(以下「役員等」という。)は、その任務を怠つたときは、金庫に対し、これによつて生じた損害を賠償する責任を負う。
2 第三十七条の三第一項各号の取引によつて金庫に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠つたものと推定する。
一 第三十七条の三第一項の理事
二 金庫が当該取引をすることを決定した理事
三 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事
3 第一項の責任は、総会員の同意がなければ、免除することができない。
4 前項の規定にかかわらず、第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から当該役員等がその在職中に金庫から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として内閣府令・厚生労働省令で定める方法により算定される額に、次の各号に掲げる役員等の区分に応じ、当該各号に定める数を乗じて得た額を控除して得た額を限度として、総会の決議によつて免除することができる。
一 代表理事 六
二 代表理事以外の理事(会員外理事(金庫の理事であつて、当該金庫の会員、内閣府令・厚生労働省令で定める業務を執行する理事又は参事その他の使用人(以下この号において「会員等」という。)でなく、かつ、過去に当該金庫の会員等又は当該金庫の子会社の内閣府令・厚生労働省令で定める業務を執行する取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人となつたことがないものをいう。次号において同じ。)を除く。) 四
三 会員外理事、監事又は会計監査人 二
5 前項の場合には、理事は、同項の総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
一 責任の原因となつた事実及び賠償の責任を負う額
二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
三 責任を免除すべき理由及び免除額
6 理事は、第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を総会に提出するには、各監事の同意を得なければならない。
7 第四項の決議があつた場合において、金庫が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の内閣府令・厚生労働省令で定める財産上の利益を与えるときは、総会の承認を受けなければならない。
8 第三十七条の三第一項第一号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第一項の責任は、任務を怠つたことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもつて免れることができない。
9 第四項の規定は、前項の責任については、適用しない。
(役員等の第三者に対する責任)
第四十二条の二 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があつたときは、当該役員等は、これによつて第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかつたことを証明したときは、この限りでない。
一 理事 次に掲げる行為
イ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
ロ 虚偽の登記
ハ 虚偽の公告(第九十四条において準用する銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第十六条第一項の規定による金庫の事務所の店頭に掲示する措置及び第九十四条において準用する同法第三十八条の規定による金庫のすべての事務所の公衆の目につきやすい場所に掲示する措置を含む。)
二 監事 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
三 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
(役員等の連帯責任)
第四十二条の三 役員等が金庫又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
(役員等の責任を追及する訴え)
第四十二条の四 役員等の責任を追及する訴えについては、会社法第七編第二章第二節(第八百四十七条第二項、第八百四十九条第二項第二号及び第五項並びに第八百五十一条を除く。)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定を準用する。この場合において、同法第八百四十七条第一項中「株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは「会員である者」と、同条第三項から第五項まで及び第七項中「株主」とあるのは「会員」と、同法第八百五十条第四項中「第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)」とあるのは「労働金庫法第四十二条第三項」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第六節 顧問及び参事
(顧問)
第四十三条 金庫は、理事会の決議により、学識経験のある者を顧問とし、常時金庫の重要事項に関し助言を求めることができる。但し、顧問は、金庫を代表することができない。
(参事)
第四十四条 金庫は、理事会の決議により、参事を置くことができる。
2 参事については、会社法第十一条第一項及び第三項(支配人の代理権)、第十二条(支配人の競業の禁止)並びに第十三条(表見支配人)の規定を準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(参事の解任)
第四十五条 会員(個人会員を除く。)は、総会員(個人会員を除く。)の十分の一以上の連署をもつて、理事に対し、参事の解任を請求することができる。
2 前項の規定による解任の請求は、解任の理由を記載した書面を理事に提出してしなければならない。
3 第一項の規定による解任の請求があつたときは、理事会は、その参事の解任の可否を決しなければならない。
4 理事は、前項の可否を決する日の七日前までに、その参事に対し、第二項の書面を送付し、かつ、弁明する機会を与えなければならない。
第七節 総会等
(通常総会の招集)
第四十六条 通常総会は、定款の定めるところにより、毎事業年度一回招集しなければならない。
(臨時総会の招集)
第四十七条 臨時総会は、必要があるときは、定款の定めるところにより、何時でも、招集することができる。
2 会員(個人会員を除く。)が総会員(個人会員を除く。)の五分の一以上の同意を得て、会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を理事に提出して総会の招集を請求したときは、理事会は、その請求のあつた日から二十日以内に臨時総会を招集すべきことを決定しなければならない。
(会員による総会の招集)
第四十八条 前条第二項の規定による請求をした会員は、同項の請求をした日から十日以内に理事が総会招集の手続をしないときは、内閣総理大臣及び厚生労働大臣の認可を受けて総会を招集することができる。理事の職務を行う者がない場合において、会員(個人会員を除く。)が総会員(個人会員を除く。)の五分の一以上の同意を得たときも同様とする。
(総会招集の手続)
第四十九条 理事(前条の規定により会員が総会を招集する場合にあつては、当該会員。以下この条において同じ。)は、総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定め、会日の十日前までに書面をもつて会員(個人会員を除く。以下この条において同じ。)に対しその通知を発しなければならない。
一 総会の日時及び場所
二 総会の目的である事項
三 前各号に掲げるもののほか、内閣府令・厚生労働省令で定める事項
2 前条の規定により会員が総会を招集するときを除き、第一項各号に掲げる事項は、理事会の決議によつて定めなければならない。
3 第一項の規定にかかわらず、総会は、会員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
(通知又は催告)
第五十条 金庫の会員に対してする通知又は催告は、会員名簿に記載し、又は記録したその会員の当該金庫の地区内における事務所又は住所(その会員が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を金庫に通知した場合にあつては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。ただし、個人会員に対する総会招集の通知は、定款の定めるところにより、会日の十日前までに、公告することをもつて代えることができる。
2 前項の通知又は催告は、通常到達すべきであつた時に到達したものとみなす。
3 前二項の規定は、第四十九条第一項の通知に際して会員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があつたもの」と読み替えるものとする。
(総会の決議事項)
第五十一条 第十二条第三項ただし書、第十七条第二項、第三十二条第三項、第三十七条の六第一項、第四十一条第七項、第四十二条第四項、第六十二条第一項及び第二項、第六十二条の五第三項、第六十二条の六第三項及び第五項、第六十二条の七第三項、第六十三条第二項並びに第六十六条に規定する事項のほか、次に掲げる事項は、総会の決議を経なければならない。
一 定款の変更
二 規約の設定、変更又は廃止
三 毎事業年度の事業計画の設定又は変更
四 その他定款で定める事項
(総会の議事)
第五十二条 総会の議事は、この法律又は定款に特別の定のある場合を除いて、出席した代議員(臨時代議員を含む。)の議決権の過半数で決する。
2 総会においては、第四十九条(総会招集の手続)の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ決議することができる。ただし、定款で別段の定めをしたときは、この限りでない。
(特別の議決)
第五十三条 次の事項については、総会員(個人会員を除く。)の半数以上の代議員(臨時代議員を含む。)が出席し、その議決権の三分の二以上の多数による決議を必要とする。
一 定款の変更
二 解散又は合併
三 会員の除名
四 事業の全部の譲渡
五 第十二条第三項ただし書の規定による承諾
六 第四十二条第四項に規定する責任の免除
(役員の説明義務)
第五十三条の二 役員は、総会において、会員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより会員の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として内閣府令・厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。
(延期又は続行の決議)
第五十三条の三 総会においてその延期又は続行について決議があつたときは、第四十九条の規定は、適用しない。
(会員名簿の作成、備置き及び閲覧等)
第五十三条の四 金庫は、会員名簿を作成し、各会員について次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 名称又は氏名
二 主たる事務所及び金庫の地区内における事務所又は住所
三 加入の年月日
四 出資の口数及び金額並びにその払込みの年月日
2 金庫は、会員名簿を主たる事務所に備え置かなければならない。
3 会員及び金庫の債権者は、金庫の業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一 会員名簿が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 会員名簿が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令・厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
4 理事は、前項の請求があつたときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
一 当該請求を行う会員又は金庫の債権者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行つたとき。
二 請求者が当該金庫の業務の遂行を妨げ、又は会員の共同の利益を害する目的で請求を行つたとき。
三 請求者が当該金庫の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
四 請求者が会員名簿の閲覧又は謄写によつて知り得た事実を利益をもつて第三者に通報するため請求を行つたとき。
五 請求者が、過去二年以内において、会員名簿の閲覧又は謄写によつて知り得た事実を利益をもつて第三者に通報したことがあるものであるとき。
(総会の議事録の作成、備置き及び閲覧等)
第五十三条の五 総会の議事については、内閣府令・厚生労働省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
2 金庫は、総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
3 金庫は、総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもつて作成されている場合であつて、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令・厚生労働省令で定めるものをとつているときは、この限りでない。
4 会員及び金庫の債権者は、金庫の業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 第一項の議事録が書面をもつて作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
二 第一項の議事録が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令・厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
(総会の決議についての会社法の準用)
第五十四条 総会の決議の不存在若しくは無効の確認又は取消しの訴えについては、会社法第八百三十条(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)、第八百三十一条(株主総会等の決議の取消しの訴え)、第八百三十四条(第十六号及び第十七号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄及び移送)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条(弁論等の必要的併合)、第八百三十八条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)並びに第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)の規定を準用する。この場合において、同法第八百三十一条第一項中「株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)」とあるのは「会員、理事、監事又は清算人」と、「取締役、監査役又は清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役又は設立時監査役を含む。)」とあるのは「理事、監事又は清算人(労働金庫法第三十七条(同法第六十八条において準用する場合を含む。)の規定により理事、監事又は清算人としての権利義務を有する者を含む。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第八節 総代会
(総代会)
第五十五条 会員(個人会員を除く。)の総数が二百を超える金庫は、定款の定めるところにより、総会に代るべき総代会を設けることができる。
2 総代は、定款の定めるところにより、会員(個人会員を除く。)のうちから公平に選任されなければならない。
3 総代の定数は、その選任の時における会員(個人会員を除く。)の数の五分の一(その総数が二千五百を超える金庫にあつては、五百)を下つてはならない。
4 総代の任期は、三年以内において定款で定める期間とする。
5 総代会については、総会に関する規定を準用する。ただし、総代(補欠の総代を除く。)の選任については、決議をすることができない。
6 総代会において第五十三条第二号(解散又は合併)又は第四号(事業の全部の譲渡)に掲げる事項の決議をしたときは、その決議の日から十日以内に、会員に決議の内容を通知しなければならない。
(総会と総代会の関係)
第五十五条の二 前条第六項の通知をした金庫にあつては、当該通知に係る事項を会議の目的として、第四十七条第二項又は第四十八条(会員による総会の招集)の規定により総会を招集することができる。この場合において、同項の規定による書面の提出又は同条後段の場合における認可の申請は、当該通知に係る事項についての総代会の決議の日から三十日以内にしなければならない。
2 前項の総会において当該通知に係る事項を承認しなかつた場合には、総代会における当該事項の決議は、その効力を失う。
第九節 出資一口の金額の減少
(債権者の異議)
第五十六条 理事は、総会において出資一口の金額の減少の決議があつたときは、その決議の日から二週間以内に、財産目録及び貸借対照表を作成し、かつ、次条第二項第二号の期間の最終日から六月を経過する日までの間、これらを主たる事務所に備え置かなければならない。
2 前項の財産目録及び貸借対照表は、電磁的記録により作成することができる。
3 金庫の債権者は、金庫の業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 第一項の財産目録及び貸借対照表が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二 第一項の財産目録及び貸借対照表が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令・厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
第五十七条 金庫が出資一口の金額の減少をする場合には、金庫の債権者は、当該金庫に対し、出資一口の金額の減少について異議を述べることができる。
2 前項の場合には、金庫は、総会において出資一口の金額の減少の決議があつた日から二週間以内に、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、預金者、定期積金の積金者その他政令で定める債権者以外の知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第二号の期間は、一月を下ることができない。
一 出資一口の金額を減少する旨
二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
3 前項の規定にかかわらず、第一項の金庫が前項の規定による公告を、官報のほか、第九十一条の四第一項の規定による定款の定めに従い、同項各号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。
4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかつたときは、当該債権者は、当該出資一口の金額の減少について承認をしたものとみなす。
5 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、第一項の金庫は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項(兼営の認可)の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該出資一口の金額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
(出資一口の金額の減少の無効の訴え)
第五十七条の二 金庫の出資一口の金額の減少の無効の訴えについては、会社法第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)(会社の組織に関する行為の無効の訴え)、第八百三十四条(第五号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄及び移送)、第八百三十六条から第八百三十九条まで(担保提供命令、弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力)並びに第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)の規定を準用する。この場合において、同法第八百二十八条第二項第五号中「株主等」とあるのは「会員、理事、監事、清算人」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。