第三章 設立及び事業免許の申請(第二十二条―第三十条)
(発起人)
第二十二条 労働金庫を設立するにはその会員(個人会員を除く。)になろうとする七以上のものが、労働金庫連合会を設立するにはその会員になろうとする十五以上の労働金庫がそれぞれ発起人となることを要する。
2 労働金庫は、五十以上の会員(個人会員を除く。)がある場合でなければ設立することができない。
3 労働金庫の設立に当つては、会員(個人会員を除く。)を構成する者を合計した実人員の数が二万人以上となるように努めなければならない。
(定款の作成)
第二十三条 金庫を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
2 前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして内閣府令・厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもつて作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、内閣府令・厚生労働省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
(定款の記載事項)
第二十三条の二 金庫の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 事業
二 名称
三 地区
四 事務所の名称及び所在地
五 会員たる資格に関する規定
六 会員の加入及び脱退に関する規定
七 出資一口の金額並びにその払込みの時期及び方法
八 剰余金の処分及び損失の処理に関する規定
九 準備金の積立ての方法
十 役員の定数及びその選任に関する規定
十一 事業年度
十二 公告方法(金庫が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないとされているものを除く。)をする方法をいう。以下同じ。)
十三 金庫の負担に帰すべき設立費用
十四 金庫の存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由
2 前項各号に掲げる事項のほか、金庫の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。
(規約)
第二十三条の三 次に掲げる事項は、定款で定めなければならない事項を除き、規約で定めることができる。
一 総会又は総代会に関する規定
二 業務の執行及び会計に関する規定
三 役員に関する規定
四 会員に関する規定
五 その他必要事項
2 前項の規約は、電磁的記録をもつて作成することができる。
(定款及び規約の備置き及び閲覧等)
第二十三条の四 金庫は、定款及び規約を各事務所に備え置かなければならない。
2 会員及び金庫の債権者は、金庫の業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該金庫の定めた費用を支払わなければならない。
一 定款及び規約が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の交付の請求
三 定款及び規約が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令・厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて当該金庫の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
3 定款及び規約が電磁的記録をもつて作成されている場合であつて、各事務所(主たる事務所を除く。)における前項第三号及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として内閣府令・厚生労働省令で定めるものをとつている金庫についての第一項の規定の適用については、同項中「各事務所」とあるのは、「主たる事務所」とする。
(創立総会)
第二十四条 発起人は、定款作成後、会員になろうとするものを募り、定款を会議の日時及び場所とともに公告して創立総会を開かなければならない。
2 前項の公告は、会議開催日の少くとも二週間前までにしなければならない。
3 発起人が作成した定款の承認、事業計画の設定その他設立に必要な事項の決定は、創立総会の決議によらなければならない。
4 創立総会においては、前項の定款を修正することができる。但し、地区及び会員たる資格に関する規定については、この限りでない。
5 会員(個人会員を除く。)たる資格を有するもので創立総会の会日までに発起人に対し設立の同意を申し出たるもの(以下「予定会員」という。)は、創立総会の議事につき当該予定会員を代表する者(以下「創立総会代議員」という。)を創立総会に出席させ、その者によつて議決権を行うことができる。その場合において創立総会代議員は、その代表権を証明する書面を創立総会に提出しなければならない。
6 創立総会の議事は、予定会員の半数以上の創立総会代議員が出席して、その議決権の三分の二以上の多数で決する。
7 発起人は、創立総会において、予定会員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより予定会員の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として内閣府令・厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。
8 創立総会の議事については、内閣府令・厚生労働省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
9 発起人(金庫の成立後にあつては、当該金庫)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(金庫の成立後にあつては、その主たる事務所)に備え置かなければならない。
10 予定会員(金庫の成立後にあつては、その会員及び債権者)は、発起人が定めた時間(金庫の成立後にあつては、その業務取扱時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 第八項の議事録が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 第八項の議事録が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令・厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
11 創立総会における予定会員については第十三条の規定を、創立総会の決議の不存在若しくは無効の確認又は取消しの訴えについては会社法第八百三十条(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)、第八百三十一条(株主総会等の決議の取消しの訴え)、第八百三十四条(第十六号及び第十七号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄及び移送)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条(弁論等の必要的併合)、第八百三十八条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)並びに第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)の規定を準用する。この場合において、同法第八百三十一条第一項中「株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)」とあるのは「会員、理事、監事又は清算人」と、「取締役、監査役又は清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役又は設立時監査役を含む。)」とあるのは「理事、監事又は清算人」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(理事への事務引継)
第二十五条 発起人は、創立総会終了後、遅滞なく、その事務を理事に引き継がなければならない。
(出資の払込)
第二十六条 理事は、前条の規定による引継を受けたときは、遅滞なく、出資の全額の払込をさせなければならない。
(成立の時期)
第二十七条 金庫は、主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによつて成立する。
(金庫の設立についての会社法の準用)
第二十八条 金庫の設立の無効の訴えについては、会社法第八百二十八条第一項(第一号に係る部分に限る。)及び第二項(第一号に係る部分に限る。)(会社の組織に関する行為の無効の訴え)、第八百三十四条(第一号に係る部分に限る。)(被告)、第八百三十五条第一項(訴えの管轄及び移送)、第八百三十六条第一項及び第三項(担保提供命令)、第八百三十七条から第八百三十九条まで(弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効又は取消しの判決の効力)並びに第八百四十六条(原告が敗訴した場合の損害賠償責任)の規定を準用する。この場合において、同法第八百二十八条第二項第一号中「株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、委員会設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは「会員、理事、監事又は清算人」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(事業免許の申請)
第二十九条 金庫は、第六条(事業免許)の内閣総理大臣及び厚生労働大臣の免許を受けようとするときは、申請書に次に掲げる書類を添付して、内閣総理大臣及び厚生労働大臣に提出しなければならない。
一 理由書
二 定款
三 業務方法書(その記載事項は、預金、貸付けその他の業務の種類並びに預金利子及び貸付利子の計算その他の業務の方法とする。)
四 事業計画書(その記載事項は、金庫の事業開始後三事業年度における取引及び収支の予想とする。)
五 創立総会の議事録
六 会員数並びに出資の総口数及び総額を記載した書面
七 登記事項証明書
八 最近の日計表
九 役員の履歴書
(免許の失効)
第三十条 金庫が次の各号のいずれかに該当するときは、第六条(事業免許)の内閣総理大臣及び厚生労働大臣の免許は、効力を失う。
一 免許を受けた日から六月以内に事業を開始しなかつたとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ内閣総理大臣及び厚生労働大臣の承認を受けたときを除く。)。
二 解散したとき(設立又は合併(当該合併により金庫を設立するものに限る。)を無効とする判決が確定したときを含む。)。